【足元をすくわれる】と【足をすくわれる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「足元をすくわれる」(読み方:あしもとをすくわれる)と「足をすくわれる」(読み方:あしをすくわれる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「足元をすくわれる」と「足をすくわれる」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「足元をすくわれる」と「足をすくわれる」の違い

「足元をすくわれる」は「足をすくわれる」の間違い

「足元をすくわれる」と「足をすくわれる」の違いを分かりやすく言うと、「足元をすくわれる」とは「足をすくわれる」の間違った使い方、「足をすくわれる」とは相手に不意をつかれて失敗させられることです。

「足元をすくわれる」は誤字

一般的には「足元をすくわれる」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「足をすくわれる」のことを間違えて「足元をすくわれる」を使っている人がほとんどです。

「足をすくわれる」は正しい日本語

正しい言葉である「足をすくわれる」を使った分かりやすい例としては、「調子乗ってると足をすくわれるから気を付けてね」「足をすくわれないように気を引き締めていこう」「感情的になると足をすくわれるよ」などがあります。

「足をすくわれる」という言葉はあっても、「足元をすくわれる」という言葉は存在しません。同時に「足をすくわれる」という単語の意味について「相手に不意をつかれて失敗させられること」と覚えておきましょう。

「足をすくわれる」の英語表記

「足をすくわれる」を英語にすると「to trip someone up」「to pull the carpet from under」となり、例えば上記の「感情的になると足をすくわれるよ」を英語にすると「If you get emotional, the one thing people might do is to trip you up」となります。

「足元をすくわれる」の意味

「足元をすくわれる」とは

「足元をすくわれる」とは、「足をすくわれる」の間違った使われ方です。

「足元をすくわれる」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「足をすくわれる」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「足元をすくわれる」が間違いである理由

ではなぜ「足元をすくわれる」が間違った言葉なのかというと、正しい日本語である「足をすくわれる」を漢字にすると、「足を掬われる」となります。

「掬われる」とは下から持ち上げるようにして横に払うことを意味しているため「足元をすくわれる」とすると、足元を払いのけるというおかしな日本語になってしまうからです。

払いのけることができるのは「足元」ではなく、「足」と覚えておけば間違えることも減るでしょう。

文化庁が発表した平成28年度に行われた国語に関する世論調査では、正しい日本語である「足をすくわれる」を使う人が23.6%、間違った言葉である「足元をすくわれる」で使う人が64.4%という逆転した結果がでています。

多くの人が間違って使用している「足元をすくわれる」ですが、正しい日本語は「足をすくわれる」なので、間違えないように気を付けましょう。

「足をすくわれる」の意味

「足をすくわれる」とは

「足をすくわれる」とは、相手に不意をつかれて失敗させられることを意味しています。

「足をすくわれる」の漢字表記

「足をすくわれる」を漢字にすると、「足を掬われる」と表記することができますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「足をすくわれる」を使うようにしましょう。また、「足を救われる」とするのは誤用になります。

「足をすくわれる」の使い方

「足をすくわれる」を使った分かりやすい例としては、「慢心してたら足をすくわれるので気を引き締めていこう」「プロ野球は油断したら足をすくわれる厳しい世界だと思います」「余計な一言で足をすくわれるとは思ってもいませんでした」などがあります。

「足をすくわれる」とは身体を支えたり歩行に使ったりする部分のことを意味する「足」に、下から持ち上げるようにして横に払うことを意味する「掬われる」が合わさり、相手に不意をつかれて失敗させられることを意味する慣用句です。

慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「足をすくわれる」は相手の危機感をあおる場合と、失敗したことへの後悔の念という二通りの使い方が可能です。

一つ目の相手の危機感をあおる場合は、上記の「慢心してたら足をすくわれるので気を引き締めていこう」のように、相手に対して油断しないでという危機感を促す使い方になります。

二つ目の失敗したことへの後悔の念の場合は、上記の「余計な一言で足をすくわれるとは思ってもいませんでした」のように、油断や慢心したことが原因で失敗に追い込まれた場合に使います。

「足をすくわれる」の類語

「足をすくわれる」の類語・類義語としては、人の油断に乗じて卑劣なはかりごとで陥れられることを意味する「寝首を掻かれる」、出し抜けに相手から攻撃をしかけられることを意味する「不意打ちを食らう」などがあります。

「足元をすくわれる」の例文

1.「足元をすくわれる」という言葉は存在しないので、おそらく「足をすくわれる」の言い間違いだろう。
2.「足をすくわれる」という言葉は相手に不意をつかれて失敗させられることで、「足元をすくわれる」という言葉はない。
3.「足元をすくわれる」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.ライバルに足元をすくわれるとは思いませんでしたという言葉を使う人はいるが、正しくはライバルに足をすくわれるとは思いませんでしたです。
5.油断しているといつか足をすくわれるよという言葉はあるが、油断しているといつか足元をすくわれるよという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「足をすくわれる」という言葉を間違えて「足元をすくわれる」と表現している時などが挙げられます。

「足元をすくわれる」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「足をすくわれる」を間違えて使っている可能性が高いです。

「足元をすくわれる」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「足元をすくわれる」ではなく、「足をすくわれる」と表現するのが正しい使い方になります。

「足をすくわれる」の例文

1.対戦相手を格下だと思ってなめていると、足をすくわれるよ。
2.天皇杯でJ1のチームがJ2のチームに足をすくわれる結果となりました。
3.油断していると思わぬところで足をすくわれることがあるので、常に気を付けようと思います。
4.前回大会の王者だったしても、相手のことを警戒しないと足をすくわれて初戦敗退もありえるよ。
5.有名人は週刊誌にスキャンダルを暴露されて足をすくわれることがあるので、より一層自分の行動に責任を持った方がいいだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、相手に不意をつかれて失敗させられることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「足をすくわれる」は危機感をあおるときに使うことが多い言葉です。

「足元をすくわれる」と「足をすくわれる」どちらを使うか迷った場合は、「足元をすくわれる」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「足をすくわれる」を使うようにしましょう。

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