【メンツ】と【メンバー】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「メンツ」と「メンバー」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「メンツ」と「メンバー」という言葉は、「集まりに参加する人々」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




メンツとメンバーの違い

メンツとメンバーの意味の違い

メンツとメンバーの違いを分かりやすく言うと、メンツは体面を表現する時にも使い、メンバーは構成員を表現する時のみに使うという違いです。

メンツとメンバーの使い方の違い

一つ目のメンツを使った分かりやすい例としては、「今夜のメンツならきっと良い練習ができる」「上司が部下にミスを押し付けていたのがバレてメンツ丸つぶれになっていた」「先輩のメンツを保つために手を貸すことにした」などがあります。

二つ目のメンバーを使った分かりやすい例としては、「新メンバーを迎えた一日目は何事もなく終えることができた」「大会出場メンバーに選ばれるために努力を重ねてきた」「企画の立ち上げメンバーとして話を持ち掛けてもらった」などがあります。

メンツとメンバーの使い分け方

メンツとメンバーはどちらも、集まり参加する人々を指す言葉で、使い方にほとんど違いはありませんが、若干意味が異なります。

メンツは、物事の集まりやグループの顔ぶれを表す言葉です。その他にも、上記例文の「メンツ丸つぶれ」「メンツを保つ」などのように、体面や面目を表す言葉としても使われています。

一方のメンバーは、集団を構成する人を表す言葉です。上記例文の「新メンバー」「大会出場メンバー」「企画の立ち上げメンバー」などのように使われたり、「○○メンバーズ」などのように構成員たちの集まりを指す言葉としても使われています。

つまり、メンツは構成員だけでなく体面を表現する時にも使い、メンバーは集まりの構成員のみを表現する時に使うという違いがあります。

メンツとメンバーの英語表記の違い

メンツを英語にすると「face」「honor」となり、例えば上記の「メンツ丸つぶれ」を英語にすると「lose face」となります。一方、メンバーを英語にすると「member」となり、例えば上記の「新メンバー」を英語にすると「new members」となります。

メンツの意味

メンツとは

メンツとは、物事の集まりやグループの顔ぶれを意味しています。

その他にも、体面や面目を意味する言葉として使われています。

メンツの使い方

「今回はメンツがいいため終始和気あいあいと進んでいる」「メンツが揃ったので改めて音頭を取ることにした」「メンツが足りない場合は声をかけてと言ってもらえた」などの文中で使われているメンツは、「集まりやグループ」の意味で使われています。

一方、「メンツを保つために反省は大事だと思っている」「メンツを立てるような言動に申し訳なくも感じた」「メンツをつぶされた時は流石に何も言えなかった」などの文中で使われているメンツは、「体面」の意味で使われています。

メンツは、漢字で「面子」と表記される中国語で、「名誉」「世間体」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われ、上記例文の「メンツを保つ」「メンツを立てる」「メンツをつぶされる」などのように使います。

メンツは元々麻雀用語

本来は麻雀用語における牌の組み合わせを指す言葉で、同種の数牌が連続している「順子」、同じ牌を3つ集めた「刻子」、カンで同じ牌を4つ集めた「槓子」のいずれかを表します。

そのため、麻雀を行うためのメンバーや集まりを指す言葉としても使われるようになり、さらに転じて、会合や集まりなどの顔ぶれを意味するようになりました。今日では、麻雀を行う人たち以外の集まりやメンバーも表します。

メンツの類語

メンツの類語・類義語としては、世間の関心の的になっていることを意味する「評判」、世間や他人に対する面目を意味する「肩身」、体面や品位を意味する「沽券」などがあります。

メンバーの意味

メンバーとは

メンバーとは、集団を構成する人を意味しています。

メンバーの使い方

メンバーを使った分かりやすい例としては、「メンバーシップに入ったため推しに課金ができる」「メンバーを集めるのが一番の鬼門だ」「直前までメンバーが足りなかったが補充され事なきを得た」「メンバーの一人一人の復習が大切だ」などがあります。

その他にも、「あの会合に参加した複数のメンバーが体調不良を訴えた」「メンバーの何人かが同じ材料を持ち寄ってくれた」「昔好きだったアイドルグループのメンバーが今は何人いるかも分からない」などがあります。

メンバーは英語で「member」と表記され、「一員」「仲間」「社員」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われ、集まりを構成する人々を指します。

表現方法は「複数のメンバー」「メンバーの何人か」「メンバーシップ」

メンバーが指し示すのは個人であり、上記例文の「複数のメンバー」「メンバーの何人か」などのように複数人を表現することもあります。また、「〇〇メンバーズ」のような表現は、グループや集団に所属する人たちをまとめて指す言葉として使われます。

上記例文の「メンバーシップ」とは、組織やクラブの構成員であることや、構成員としての資格や地位を意味します。動画サイト「YouTube」におけるメンバーシップは、各チャンネルの有料会員制度を指し、「メンシ」「メンシプ」と略されることもあります。

若者が使用している言葉に「いつメン」がありますが、「いつものメンバー」を省略した言葉で、いつも一緒に遊んでいる仲良し集団を指す言葉として使われています。使われている頻度が減少したことで死語と考えられることもあります。

メンバーの類語

メンバーの類語・類義語としては、目的を持つ集まりに一員として加わり行動を共にする人を意味する「参加者」、一緒に物事をする間柄を意味する「仲間」、そのチームの打者の顔ぶれと力量を意味する「打線」などがあります。

メンツの例文

1.合コンのメンツが集まらないから来てほしいと頼まれたが、数合わせで呼ばれるのは癪だったため断った。
2.オンラインゲームのメンツが揃ってからたったの30分程度でコンテンツを攻略することができた。
3.メンツを立ててもらった側からすると気を遣われている気分になり、なんだか申し訳なくなってしまった。
4.メンツを保つためだけで保身に走るくらいなら、上司や先輩の間違いも正せる自分でいたい。
5.メンツをつぶされるほどではないにしろ、後輩の言動で教育に疑念を抱かれるのは困る。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の集まりやグループの顔ぶれを意味する時などが挙げられます。

例文3から例文5のように、体面や面目を意味する言葉としても使われています。

メンバーの例文

1.メンバーではないユーザーは編集ができないとポップアウトが出たため、管理者に一報入れることにした。
2.メンバーの入れ替えはビジネスにおいてもスポーツにおいても行われるもので、戦略も大きく変わることだってある。
3.好きな音楽グループのメンバーがソロでも活動するようになり、このままグループでの活動が減ってしまったらと不安になっている。
4.通話が終わってしまったのか、メンバーが退出しましたという画面だけが残されていた。
5.メンバーシップ限定コンテンツを楽しむためというよりも、推しに対するお布施をしている感覚だ。

この言葉がよく使われる場面としては、集団を構成する人を意味する時などが挙げられます。

どのメンバーも、体面を表すメンツのように使うことはできないため、置き換えることができない場合もあります。

メンツとメンバーは、どちらも「集まりに参加する人々」を表します。どちらを使うか迷った場合は、体面も表す場合は「メンツ」を、構成員のみを表す場合は「メンバー」を使うと覚えておけば間違いありません。

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