似た日本語の「帰路に着く」(読み方:きろにつく)と「帰途につく」(読み方:きとにつく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「帰路に着く」と「帰途につく」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。
「帰路に着く」と「帰途につく」の違い
「帰路に着く」は「帰途につく」の間違い
「帰路に着く」と「帰途につく」の違いを分かりやすく言うと、「帰路に着く」とは「帰途につく」の間違った使い方、「帰途につく」とは帰っている途中のことです。
「帰路に着く」は誤字
一般的には「帰路に着く」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「帰途につく」のことを間違えて「帰路に着く」を使っている人がほとんどです。
「帰途につく」は正しい日本語
正しい言葉である「帰途につく」を使った分かりやすい例としては、「只今プレゼンが終わりましたので帰途につきます」「残業を終え帰途についた頃には辺りは真っ暗になっていました」「夜になったので私たちは帰途につく」などがあります。
「帰途につく」という言葉はあっても、「帰路に着く」という言葉は存在しません。同時に「帰途につく」という単語の意味について「帰っている途中のこと」と覚えておきましょう。
「帰途につく」の英語表記
「帰途につく」を英語にすると「on my way home」「leave for home」となり、例えば上記の「夜になったので私たちは帰途につく」を英語にすると「With night coming on, we leave for home」となります。
「帰路に着く」の意味
「帰路に着く」とは
「帰路に着く」とは、「帰途につく」の間違った使われ方です。
「帰路に着く」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「帰途につく」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「帰路に着く」が間違いである理由
ではなぜ「帰路に着く」が間違った言葉かというと、正しくない漢字を使用しているからです。「帰路につく」という言葉自体は存在しているのですが、「着く」という漢字を使用しているため、間違った日本語になります。
「着く」が間違った漢字の理由は、目的地に到着することを意味しているからです。正し日本語である「帰路につく」は帰っている途中のことを意味しているため、到着することを意味する「着く」を使用してしまうと、矛盾した日本語になってしまいます。
では正しい漢字表記は何かというと、「帰路に就く」になります。「就く」とはある場所にに身を置くことを意味しているため、帰る道に身を置いてるという意味の正しい日本語になるのです。また、ひらがなの「帰路につく」を使用しても問題ありません。
正しい日本語である「帰路に就く」を使った分かりやすい例としては、「今日は娘の誕生日なので早めに帰路に就く」、「残業を終え私が帰路に就く頃には日付が変わっていました」「グループリーグで敗退しワールドカップ洗礼を浴びて母国への帰路に就くことになりました」などがあります。
「帰途につく」の意味
「帰途につく」とは
「帰途につく」とは、帰っている途中のことを意味しています。
「帰途につく」の漢字表記
「帰途につく」を漢字にすると、「帰途に就く」と表記することができます。ただし、「帰途に着く」や「帰途に付く」は間違った漢字表記なので使わないように気を付けましょう。
「帰途につく」の使い方
「帰途につく」を使った分かりやすい例としては、「観たいテレビ番組があるので帰途につく」「試合終了の笛が鳴ると多くの人が帰途につきました」「県外出張を終え帰途についたことをご報告差し上げます」「コンサート終了後は一斉に帰途につくため会場周辺はとても混雑する」などがあります。
「帰途につく」は帰り道のことを意味する「帰途」に、ある場所にに身を置くことを意味する「つく」が合わさり、帰っている途中のことを意味する言葉です。
「帰途につく」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉ですが、この言葉自体は敬語表現ではありません。したがって、目上の人に使う場合は「帰途につきました」「帰途につきます」などのように、前後の文章を敬語表現にする必要があると覚えておきましょう。
「帰りの帰途につく」「帰途を帰る」は二重表現
また、「帰途につく」を使う際に「帰りの帰途につく」「帰途を帰る」などは、二重表現になるので使わないよう注意が必要です。
「帰途につく」の類語
「帰途につく」の類語・類義語としては、家への帰り道の途中のことを意味する「家路につく」、自分の家に帰ることを意味する「帰宅する」などがあります。
「帰路に着く」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「帰途につく」という言葉を間違えて「帰路に着く」と表現している時などが挙げられます。
「帰路に着く」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「帰途につく」を間違えて使っている可能性が高いです。
「帰路に着く」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「帰路に着く」ではなく、「帰途につく」と表現するのが正しい使い方になります。
「帰途につく」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、帰っている途中のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「帰途につく」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。
「帰路に着く」と「帰途につく」どちらを使うか迷った場合は、「帰路に着く」は間違った日本語なので、正しい日本語である「帰途につく」を使うようにしましょう。