【錚々たる】と【名だたる】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「錚々たる」(読み方:そうそうたる)と「名だたる」(読み方:なだたる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「錚々たる」と「名だたる」という言葉は、どちらも優れていることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「錚々たる」と「名だたる」の違い

「錚々たる」と「名だたる」の意味の違い

「錚々たる」と「名だたる」の違いを分かりやすく言うと、「錚々たる」とは集団にしか使えず、「名だたる」とは個人にも集団にも使えるという違いです。

「錚々たる」と「名だたる」の使い方の違い

一つ目の「錚々たる」を使った分かりやすい例としては、「今日の会議には錚々たる顔ぶれが集まった」「錚々たるメンバーが集まったので優勝を狙えるはずだ」「錚々たる面々が集まっているので緊張している」などがあります。

二つ目の「名だたる」を使った分かりやすい例としては、「彼は世界に名だたるプロサッカー選手です」「この映画は名だたる顔ぶれが登場する」「この会議は名だたるメンバーが名を連ねている」「彼女は世界に名だたる音楽家です」などがあります。

「錚々たる」と「名だたる」の使い分け方

「錚々たる」と「名だたる」は、どちらも優れていることを意味している類語ですが、使い方に少し違いがあります。

「錚々たる」は多くのもの中で特に優れている集団のことを意味しており、集団に対してしか使えないのに対して、「名だたる」は評判が高く有名なことを意味しており、個人に対しても集団に対しても使えるというのが違いです。

例えば、上記の「この会議は名だたるメンバーが名を連ねている」は集団に対して使っているので、「この会議は錚々たるメンバーが名を連ねている」と置き換えることも可能です。

一方、「彼女は世界に名だたる音楽家です」は個人に対して使っているので、「彼女は世界に錚々たる音楽家です」と置き換えることはできません。

「錚々たる」と「名だたる」の英語表記の違い

「錚々たる」を英語にすると「eminent」「prominent」となり、例えば上記の「錚々たる面々」を英語にすると「eminent people」となります。

一方、「名だたる」を英語にすると「Famous」となり、例えば上記の「彼女は世界に名だたる音楽家です」を英語にすると「She is a world famous musician」となります。

「錚々たる」の意味

「錚々たる」とは

「錚々たる」とは、多くのもの中で特に優れている集団のことを意味しています。

「錚々たる」は、個人に対しては使えなく、ある一定の集団を指す場合に使う言葉になります。

「錚々たる」の使い方

「錚々たる」を使った分かりやすい例としては、「新規プロジェクトの中心メンバーは錚々たる顔ぶれだった」「決勝トーナメントには錚々たる面々が揃った」「錚々たるメンバーが集まっている」などがあります。

「錚々たる」の由来

「錚々たる」は中国から来た言葉になります。「錚々たる」の「錚」は、昔の中国では鉄で作られた楽器のことを指していました。そして「錚々たる」は、金や銀でできた楽器よりも音色が劣るものの、中には良い音色も出すものがあるという意味で使われていました。

つまり、「平凡なものでも中にマシなものある」という意味の言葉でした。しかし時代が経つとともに「平凡なものでも中にマシなものある」という意味がだんだん変化していき、「多くのもの中で特に優れている集団のこと」の意味で使われるようになりました。

表現方法は「錚々たるメンバー」「錚々たる顔ぶれ」「錚々たる面々」

「錚々たるメンバー」「錚々たる顔ぶれ」「錚々たる面々」「錚々たる面子」などが、「錚々たる」を使った一般的な表現方法になります。

「錚々たる」の類語

「錚々たる」の類語・類義語としては、映画や演劇で花形スターが大ぜい出演することを意味する「オールスター」、えり抜きのすぐれた人のことを意味する「精鋭」、ある分野で優れている十人の人物のことを意味する「十傑」などがあります。

「錚々たる」の々の字を使った別の言葉としては、得意げで威勢が良いことを意味する「意気揚々」、威厳があって立派であることを意味する「威風堂々」、恐れてびくびくすることを意味する「戦々恐々」などがあります。

「名だたる」の意味

「名だたる」とは

「名だたる」とは、評判が高く有名なことを意味しています。

「名だたる」の使い方

「名だたる」を使った分かりやすい例としては、「彼女は世界に名だたる画家です」「今年の音楽祭は名だたる顔ぶれがそろっている」「審査委員として名だたる面々が参加している」「今回のイベントは名だたるメンバーが参加している」などがあります。

「名だたる」は評判が高く有名なことを意味しており、個人に対しても集団に対しても使える言葉になります。上記の例文の「彼女は世界に名だたる画家です」は個人に対して使っており、「今回のイベントは名だたるメンバーが参加している」は集団に対して使っています。

「名だたる」の漢字表記

「名だたる」は漢字表記で「名立たる」と書くことも可能です。

表現方法は「世界に名だたる」「名だたる顔ぶれ」「名だたる面々」

「世界に名だたる」「名だたる顔ぶれ」「名だたる面々」「名だたる方々」「名だたるメンバー」などが、「名だたる」を使った一般的な表現方法になります。

「名だたる」の類語

「名だたる」の類語・類義語としては、世間に名が知られていることを意味する「有名」、世間に名が広まっていることを意味する「著名」、広く世間に名が知られていることを意味する「名高い」、人気のある芸能人やスポーツ選手のことを意味する「スター」などがあります。

「名だたる」の名の字を使った別の言葉としては、世間に名が知れ渡っていることを意味する「知名」、ある方面で有名なことを意味する「名うて」(読み方:なうて)、名前を知られていることを意味する「名代」、悪い評判のことを意味する「悪名」などがあります。

「錚々たる」の例文

1.今日行われるパーティーは錚々たる面々が参加するらしいのでとても緊張する。
2.U-18の日本代表の合宿に参加したが、錚々たる顔ぶれだったので、この中で生き残れるか不安です。
3.今年の紅白歌合戦は錚々たるメンバーが参加するので、とても楽しみです。
4.明日行われる会議は錚々たる方々が参加するので、失礼がないようにしよう。
5.今年の日本代表は錚々たる面子なので、上位入賞を期待して応援する。
6.彼女はアイドル歌手としてデビューしたが、楽曲を提供するのは毎回錚々たる作家陣で音楽ファンからも評価が高かった。
7.研究所には錚々たる科学者陣が集まり、新たな発見をするために研究を進めているが、何一つ成果はない。
8.その映画には錚々たる俳優陣が出演しており、映画ファンから高い評価を受けている。
9.国際マラソン大会では錚々たる選手が集まる中で、彼は先頭集団でレースを進めて注目を集める。
10.パーティーで錚々たる人物たちが一堂に会すると、何を話しているのか聞き耳をたてなくもなります。

この言葉がよく使われる場面としては、多くのもの中で特に優れている集団のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「錚々たるメンバー」「錚々たる顔ぶれ」「錚々たる面々」などと表現することが多く、集団に対してしか使わない言葉になります。

「名だたる」の例文

1.新型コロナウイルスの流行により、名だたる音楽フェスが中止になった。
2.このお店は世界に名だたる和菓子屋さんなので、一度足を運んでみて欲しい。
3.名だたる面々が揃う中で、結果を残すことができて良かったです。
4.彼は名だたる作品をいくつも手掛けている、映画監督です。
5.本大会は名だたる顔ぶればかりなので、優勝するにはとても苦労しそうだ。
6.名だたる作家たちが参加する文学賞の授賞式に出席して、感慨深い思いをした。
7.彼女は名だたるフィギュアスケーターで、世界大会で金メダルを獲得したこともある。
8.オリンピックでは世界の名だたる選手がいる中、優勝できたことは大変光栄なことでした。
9.将来は名だたるスポーツ選手たちが所属するチームに入り、自分もその一員になりたいと思っている。
10.オーディション番組では、審査委員として名だたる面々が参加しているので注目を集めています。

この言葉がよく使われる場面としては、評判が高く有名なことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「世界に名だたる」「名だたる面々」「名だたる顔ぶれ」などと表現することが多く、個人にも集団にも使える言葉になります。

「錚々たる」と「名だたる」どちらを使うか迷った場合は、「錚々たる」は集団に対してしか使えず、「名だたる」は個人にも集団にも使えると覚えておきましょう。

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