似た日本語の「鬼の首を取ったよう」(読み方:おにのくびをとったよう)と「親のかたきのよう」(読み方:おやのかたきのよう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「鬼の首を取ったよう」と「親のかたきのよう」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「鬼の首を取ったよう」と「親のかたきのよう」の違い
「鬼の首を取ったよう」と「親のかたきのよう」の意味の違い
「鬼の首を取ったよう」と「親のかたきのよう」の違いを分かりやすく言うと、「鬼の首を取ったよう」とは小さな功名や手柄なのに大変な功名や手柄を立てたかのように得意になること、「親のかたきのよう」とはひどく憎んだり嫌ったりすることという違いです。
「鬼の首を取ったよう」と「親のかたきのよう」の使い方の違い
一つ目の「鬼の首を取ったよう」を使った分かりやすい例としては、「彼は鬼の首を取ったように喜んでいる」「鬼の首を取ったように騒ぐ必要はないだろう」「姉は入試に合格して鬼の首を取ったように鼻高々です」などがあります。
二つ目の「親のかたきのよう」を使った分かりやすい例としては、「彼はなぜ親のかたきのように私を敵視するのだろうか」「些細なミスだったのに親のかたきのように怒られてしまった」「ちょっと遅刻しただけで親のかたきのように怒鳴るのはひどいと思う」などがあります。
「鬼の首を取ったよう」と「親のかたきのよう」の使い分け方
「鬼の首を取ったよう」と「親のかたきのよう」は似た発音の日本語ですが、意味は全く異なっているので混同しないように注意しましょう。
「鬼の首を取ったよう」は小さな功名や手柄なのに大変な功名や手柄を立てたかのように得意になることを意味しており、基本的にマイナスのイメージで使う言葉になります。
一方、「親のかたいのよう」はひどく憎んだり嫌ったりすることや程度が甚だしいことを意味することわざです。
「鬼の首を取ったよう」と「親のかたきのよう」の英語表記の違い
「鬼の首を取ったよう」を直訳した英語はありませんが、近い表現は「triumphantly」となり、例えば上記の「姉は入試に合格して鬼の首を取ったように鼻高々です」を英語にすると「My sister is triumphantly boasting of his success in the entrance examination」となります。
一方、「親のかたきのよう」は日本語特有のことわざなので、直訳した英語はありません。
「鬼の首を取ったよう」の意味
「鬼の首を取ったよう」とは
「鬼の首を取ったよう」とは、小さな功名や手柄なのに大変な功名や手柄を立てたかのように得意になることを意味しています。
表現方法は「鬼の首を取ったように喜ぶ」「鬼の首を取ったように騒ぐ」
「鬼の首を取ったように喜ぶ」「鬼の首を取ったように騒ぐ」などが、「鬼の首を取ったよう」を使った一般的な言い回しになります。
「鬼の首を取ったよう」の使い方
「鬼の首を取ったよう」を使った分かりやすい例としては、「些細なことなのだから鬼の首を取ったように騒ぐ必要はないだろう」「彼は簡単な試験に合格しただけで鬼の首を取ったように喜んでいる」「このくらいで鬼の首を取ったように浮かれてはいけません」などがあります。
「鬼の首を取ったよう」は、小さな功名や手柄なのに大変な功名や手柄を立てたかのように得意になることを意味することわざです。
「鬼の首を取ったよう」は相手を非難したり冷やかす場合に使うため、マイナスのイメージを伴っているのが特徴になります。つまり、素晴らしい手柄を立てて得意気になっているのは当の本人だけで、周りの人たちはあまり認めていない批判的な言葉です。
そのため、「鬼の首を取ったような素晴らしい成果ですね」のように、大きな手柄を取った相手を誉める言葉として使うのは誤用なので、使わないように注意しましょう。
「鬼の首を取ったよう」の由来
「鬼の首を取ったよう」の語源は鬼の首を取ることです。鬼は想像上の怪物ですが、非常に強く中々倒すことができないというイメージがあります。
この非常に強い鬼を退治して得意気になっている様子が転じて、小さな功名や手柄なのに大変な功名や手柄を立てたかのように得意になることを「鬼の首を取ったよう」と言うようになりました。
「鬼の首を取ったよう」の類語
「鬼の首を取ったよう」の類語・類義語としては、自慢することや得意がることを意味する「鼻にかける」、自分のした行為を自分で褒めることを意味する「自画自賛」、得意気な様子のことを意味する「顎を撫でる」などがあります。
「親のかたきのよう」の意味
「親のかたきのよう」とは
「親のかたきのよう」とは、ひどく憎んだり嫌ったりすることを意味しています。その他にも、程度が甚だしいことの意味も持っています。
「親のかたきのよう」の漢字表記
「親のかたきのよう」を漢字にすると、「親の敵のよう」と表記することができます。
「親のかたきのよう」の使い方
「親のかたきのように犬に吠えられてしまった」「親のかたきのような対応をされるのはなぜだろうか」などの文中で使われている「親のかたきのよう」は、「ひどく憎んだり嫌ったりすること」の意味で使われています。
一方、「親のかたきのように飯を盛る」「在庫が親のかたきのようにあるので困っている」などの文中で使われている「親のかたきのよう」は、「程度が甚だしいこと」の意味で使われています。
「親のかたきのよう」とは、猛烈な憎悪や嫌悪を抱いている対象を比喩的に表現した言い方で尋常でないほど毛嫌いしていることを意味する「親のかたき」に、有り様のことを意味する「よう」が合わさり、ひどく憎んだり嫌ったりすることの意味で使われていることわざです。
また、上記の「在庫が親のかたきのようにあるので困っている」のように、程度が甚だしいことの意味でも使うこともできます。甚だしいとは、普通の度合いをはるかに超えていることを意味しています。
「親のかたきのよう」はひどく憎んだり嫌ったりすることの意味で使う場合は、基本的にマイナスなイメージを伴っていると覚えておきましょう。そのため、プラスのイメージで使うことはほとんどありません。
「親のかたきのよう」の類語
「親のかたきのよう」の類語・類義語としては、恨みのある敵のことを意味する「怨敵」、恨みや憎しみをいだいている相手のことを意味する「仇敵」などがあります。
「鬼の首を取ったよう」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、小さな功名や手柄なのに大変な功名や手柄を立てたかのように得意になることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「鬼の首を取ったよう」はマイナスのイメージで使われている言葉です。
「親のかたきのよう」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ひどく憎んだり嫌ったりすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、程度が甚だしいことを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「親のかたきのよう」はひどく憎んだり嫌ったりすること、例文4と例文5の「親のかたきのよう」は程度が甚だしいことの意味で使っています。
「鬼の首を取ったよう」と「親のかたきのよう」は似ていても意味は異なっています。
どちらの言葉を使うか迷った場合、小さな功名や手柄なのに大変な功名や手柄を立てたかのように得意になることを表現したい時は「鬼の首を取ったよう」、ひどく憎んだり嫌ったりすることを表現したい時は「親のかたきのよう」を使うと覚えておきましょう。