似た意味を持つ「入金」(読み方:にゅうきん)と「出金」(読み方:しゅっきん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「入金」と「出金」という言葉は、どちらも「金銭の出し入れ」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
入金と出金の違い
入金と出金の意味の違い
入金と出金の違いを分かりやすく言うと、入金とは金銭を受け取ることやお金を入れることを表し、出金とは金銭を出すことを表すという違いです。
入金と出金の使い方の違い
一つ目の入金を使った分かりやすい例としては、「証券口座に資金を入金する」「入金の確認がとれておりません」「現金を受け取ったので入金伝票を起票しました」「入金消込作業をシステムで自動化する」「英語サークルの入会金をネットバンキングで入金する」などがあります。
二つ目の出金を使った分かりやすい例としては、「振り込む前に出金額をよく確認してください」「交通費の支払いに出金伝票を使用する」「システム障害のためにATMから出金できない事象が発生しています」などがあります。
入金と出金の使い分け方
入金と出金という言葉は、どちらも金銭を動かしたり移したりすることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
入金とは、「現金を受け取ったので入金伝票を起票する」のような使い方で、金銭を受け取ることを意味します。また、「ネットバンキングで入金する」のような使い方で、お金を納め入れることや払い込むことの意味も持つ言葉です。
出金とは、「ATMから出金できない」のような使い方で、お金を引き出すことや金銭を出すことを意味します。「出金伝票」とは現金で支払った取引や費用を記録する伝票のことであり、現金を受け取った際に記録する「入金伝票」と相反する役割があります。
つまり、入金とは金銭を受け取ることや払い込むことを表現し、出金とは金銭を出すことやお金を引き出すことを指す言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
入金と出金の英語表記の違い
入金を英語にすると「depositing」「receipt of money」となり、例えば上記の「入金する」を英語にすると「make a deposit」となります。
一方、出金を英語にすると「payment」「contribution」となり、例えば上記の「出金額」を英語にすると「the amount of contribution」となります。
入金の意味
入金とは
入金とは、金銭を受け取ること、収入金があることを意味しています。
その他にも、「金銭を払い込むこと、また、その金銭」の意味も持っています。
入金の使い方
「毎月25日に取引先から入金があります」「入金伝票の仕訳方法を確認する」「入金伝票のテンプレートをダウンロードする」「入金伝票を作成して送付しました」などの文中で使われている入金は、「金銭を受け取ること、収入金があること」の意味で使われています。
一方、「入金手数料は金融機関によって異なります」「入金するのに手数料がかかることに納得できない」「入金不要ボーナスでオンラインカジノにハマってしまった」などの文中で使われている入金は、「金銭を払い込むこと、その金銭」の意味で使われています。
入金とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。入金の「入」は訓読みで「はいる」「いれる」と読み、外から中に移動すること、支払うべきものを納めるを表す漢字です。
表現方法は「入金伝票」
入金を用いた日本語には「入金伝票」があります。入金伝票とは、現金の受け入れに関する取引を記入する伝票を意味します。「収納伝票」「収入伝票」とも言い、商品やサービスの代金を現金で受け取った際や、取引先から売掛金が現金で支払われた際などに作成します。
入金の対義語
入金の対義語・反対語としては、金銭を出すことや出した金銭を意味する「出金」などがあります。
入金の類語
入金の類語・類義語としては、収入金があることを意味する「入銀」、金銭や物品を他から収め入れて自分の所有とすることを意味する「収入」、品物や金銭を納めることを意味する「納入」、官公庁などの公的機関に金品を納めることを意味する「納付」などがあります。
出金の意味
出金とは
出金とは、金銭を出すこと、また、その金銭を意味しています。
出金の読み方
出金の読み方は「しゅっきん」です。同じ読み方をする熟語に「出勤」がありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。
出金の使い方
出金を使った分かりやすい例としては、「1回の出金可能額はいくらですか」「ATMでの出金の仕方を英語で説明する」「出金伝票の書き方を教えてください」「個人事業主用の出金伝票をエクセルで作成しました」などがあります。
その他にも、「登録できる出金先口座は一つだけです」「出金時の二要素認証サービスを利用しています」「出金伝票の必要項目を確認する」「出金伝票はインボイスとして発行できません」「不正な出金にご注意ください」などがあります。
出金の「出」は訓読みで「でる」「だす」と読み、内から外へでること、ある所の中から外部へ移すことを表します。銭や通貨を表す「金」と組み合わさり、出金とは、金銭を出すことや出した金銭を意味します。
表現方法は「出金先口座」
上記例文にある「出金先口座」とは、「出金先指定口座」とも言い、証券会社に預けているお金を引き出す際に利用する金融機関口座のことです。株取引の売却代金を引き出す場合や、証券総合口座の現金を引き出す場合などに用います。
出金の対義語
出金の対義語・反対語としては、金銭を支払うことや払い込みを意味する「入金」などがあります。
出金の類語
出金の類語・類義語としては、金銭を出すことやその金銭を意味する「出銀」、ある目的のために自分の所有する金銭や物品を支払うことを意味する「支出」、必要に応じて費用を出すことを意味する「出費」などがあります。
入金の例文
この言葉がよく使われる場面としては、金銭を受け取ること、金銭を納め入れること、金銭を払い込むことを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「誤入金」とは、誤って振り込まれた入金を意味し、金額を間違えて振り込んだり、相手を間違えて振り込みしたお金を指す言葉です。
出金の例文
この言葉がよく使われる場面としては、金銭を出すこと、また、その金銭を表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「出金可能額」とは、その時点で証券会社の口座から引き出せる金額のことです。証拠金残高から必要証拠金、注文中証拠金、想定約定手数料などを差し引いた金額になります。
入金と出金という言葉は、どちらも「お金を動かすこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、お金を受け取ることやお金を入れることを表現したい時は「入金」を、お金を出すことを表現したい時は「出金」を使うようにしましょう。