似た意味を持つ「口八丁手八丁」(読み方:くちはっちょうてはっちょう)と「手八丁口八丁」(読み方:てはっちょうくちはっちょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「口八丁手八丁」と「手八丁口八丁」という言葉は、どちらも「口先も手先も達者であること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
口八丁手八丁と手八丁口八丁の違い
口八丁手八丁と手八丁口八丁の意味の違い
口八丁手八丁と手八丁口八丁の違いを分かりやすく言うと、手八丁口八丁よりも口八丁手八丁の方が一般的な表現という違いです。
口八丁手八丁と手八丁口八丁の使い方の違い
一つ目の口八丁手八丁を使った分かりやすい例としては、「彼女は口八丁手八丁のやり手だ」「口八丁手八丁で巧みにセールスする」「口八丁手八丁で英語の教材を全て売りました」「口八丁手八丁で人を丸め込む」などがあります。
二つ目の手八丁口八丁を使った分かりやすい例としては、「手八丁口八丁で売上ナンバーワンの営業マンです」「あの人は手八丁口八丁で少しも隙がない」「実演販売士は手八丁口八丁で商品を売りまくっている」などがあります。
口八丁手八丁と手八丁口八丁の使い分け方
口八丁手八丁と手八丁口八丁という言葉は、「口八丁」と「手八丁」を入れ替えたことわざです。二つの言葉はそれぞれ辞書に載っている正しい日本語であり、どちらも「話すこともやることも達者なこと」を意味します。そのため、口八丁手八丁と手八丁口八丁は互いに置き換えて使うことができます。
あえて違いを挙げるならば、一般的には口八丁手八丁の方が多く使われていることでしょう。口八丁手八丁と手八丁口八丁の意味や使い方に違いはありませんが、世間一般で多用されている口八丁手八丁の方が違和感がない表現になります。
口八丁手八丁と手八丁口八丁の英語表記の違い
口八丁手八丁も手八丁口八丁も英語にすると「both eloquent and skilled」「a good talker and efficient worker」「have long arms and a long tongue」となり、例えば上記の「彼女は口八丁手八丁のやり手だ」を英語にすると「She is a good talker and efficient worker」となります。
口八丁手八丁の意味
口八丁手八丁とは
口八丁手八丁とは、しゃべることもやることも達者なことを意味しています。
口八丁手八丁の使い方
口八丁手八丁を使った分かりやすい例としては、「彼は口八丁手八丁で抜け目がない人です」「口八丁手八丁で世間を渡ってきた」「連れの口八丁手八丁にのせられて居酒屋代を被ることになった」などがあります。
その他にも、「セールスマンが口八丁手八丁で商品を売るまくる」「口八丁手八丁で会社を大きくしてきた」「同僚は口八丁手八丁で売上成績を上げている」「娘は英語リトミックのおかげで口八丁手八丁になったのだろうか」などがあります。
口八丁手八丁とは、 話すことも行動することも人一倍達者なことを意味します。しゃべりが上手で、物事を器用にこなす人のことをさすことわざです。「口も八丁手も八丁」とも言います。
口八丁手八丁の由来
口八丁手八丁の由来は、多くの道具を使うことができる職人にあります。「八丁」は「八挺」とも書き、八つの道具を使いこなすことを意味する言葉であり、八つの道具を使いこなす職人は腕が良いとされていました。口八丁手八丁は、腕の良い職人のように話すことも行動も達者なことを意味します。
この語源からも分かるように、口八丁手八丁はもともと弁が立ち、手先も器用な人に対する褒め言葉として使われていました。しかし、現代では皮肉や悪口などネガティブな言葉として使われるようになっています。
口八丁手八丁の対義語
口八丁手八丁の対義語・反対語としては、話すことが不得意で思うことをうまく人に言えないことを意味する「口下手」、口だけは達者だが仕事がさっぱりできないことを意味する「口自慢の仕事下手」などがあります。
口八丁手八丁の類語
口八丁手八丁の類語・類義語としては、うまく立ちまわって抜け目のないさまを意味する「達者」、思うままに人を操りだます方法や技術のことを意味する「手練手管」、口先のうまいことを意味する「口巧者」、正確にすばやく処理する手腕のあることを意味する「敏腕」などがあります。
手八丁口八丁の意味
手八丁口八丁とは
手八丁口八丁とは、やることもしゃべることも達者なことを意味しています。
手八丁口八丁の使い方
手八丁口八丁を使った分かりやすい例としては、「手八丁口八丁の彼に任せておけば安心だ」「手八丁口八丁な人は信用できません」「受付のお姉さんの手八丁口八丁にのせられて英語教室を契約してしまった」などがあります。
その他にも、「彼は手八丁口八丁な世渡り上手です」「手八丁口八丁のセールスマンには気を付けなさい」「手八丁口八丁な妹には敵わないと思う」「手八丁口八丁は褒め言葉ではなく皮肉だろう」などがあります。
手八丁口八丁とは、やることもしゃべることも非常に達者であることを意味し、前述した「口八丁手八丁」と同義の言葉です。手八丁口八丁の「手八丁」は手先を使うのが巧みであること、「口八丁」は口が達者なことを表します。
手八丁口八丁は、話が上手で器用であることを意味する誉め言葉でしたが、近年では相手を丸め込んだり世渡りが上手いことを揶揄して使われることが多くなっています。良い意味で使われているのか、悪い意味で使用されているのか、文脈により判断しましょう。
手八丁口八丁の対義語
手八丁口八丁の対義語・反対語としては、口は達者だが仕事のほうは全くできないことを意味する「口叩きの手足らず」、言葉数が足りず十分に言い尽くせていないことを意味する「舌足らず」などがあります。
手八丁口八丁の類語
手八丁口八丁の類語・類義語としては、手慣れていてたくみなことを意味する「巧者」、物言いが巧みでよくしゃべることを意味する「口達者」、腕力や技能のすぐれていることを意味する「腕達者」などがあります。
口八丁手八丁の例文
この言葉がよく使われる場面としては、しゃべることもすることも非常に達者であることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「口八丁手八丁」は「手八丁口八丁」に置き換えることができます。
例文1にある口八丁手八丁はポジティブな意味で用いられ、例文2の口八丁手八丁は皮肉を交えたネガティブな意味で用いられています。
手八丁口八丁の例文
この言葉がよく使われる場面としては、手先も口先も達者であることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にある「手八丁口八丁」は「口八丁手八丁」に置き換えても問題ありません。
例文1にある手八丁口八丁はポジティブな意味で用いられ、例文2の手八丁口八丁は悪口のようなネガティブな意味で用いられています。
口八丁手八丁と手八丁口八丁という言葉は、どちらも「口先も手先も達者であること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に用いられている「口八丁手八丁」を使えば間違いなく通じるでしょう。