【立て込む】と【建て込む】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「たてこむ」という読み方の「立て込む」と「建て込む」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「立て込む」と「建て込む」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「立て込む」と「建て込む」の違い

「立て込む」と「建て込む」の意味の違い

「立て込む」と「建て込む」の違いを分かりやすく言うと、「立て込む」とは一か所に人が多く集まって混雑すること、「建て込む」とは家などが隙間なく立ち並ぶことという違いです。

「立て込む」と「建て込む」の使い方の違い

一つ目の「立て込む」を使った分かりやすい例としては、「バーゲンで店が立て込む」「仕事が立て込んでいたので返信が遅れてしまいました」「人気カレー店は開店から立て込んでいる」「今のところ急な仕事が立て込んでいて手一杯です」などがあります。

二つ目の「建て込む」を使った分かりやすい例としては、「ここは民家の建て込む旧市街地です」「この街は住宅がびっしりと建て込んでいる」「私たちの遊びだった原っぱも今ではすっかり建て込んでいる」などがあります。

「立て込む」と「建て込む」の使い分け方

「立て込む」と「建て込む」は同音の言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。

「立て込む」は「安売りセールで店が立て込む」「仕事が立て込んでいるので同窓会には参加できません」などのように、一か所に人が多く集まって混雑することや仕事や用件が一時に多く重なることの意味で使います。

一方、「建て込む」は「私の住んでいる地域は民家が建て込んでいる」のように、家などが隙間なく立ち並ぶことの意味で使うというのが違いです。

したがって、「立て込む」と「建て込む」の意味は異なっているで、間違って使わないように気をつけましょう。

「立て込む」と「建て込む」の英語表記の違い

「立て込む」を英語にすると「be busy」「rush」「be crowded」となり、例えば上記の「今のところ急な仕事が立て込んでいて手一杯です」を英語にすると「Right now I am very busy with rush work」となります。

一方、「建て込む」を英語にすると「built up」「be crowded」となり、例えば上記の「私たちの遊びだった原っぱも今ではすっかり建て込んでいる」を英語にすると「The field where we used to play is quite built up now」となります。

「立て込む」の意味

「立て込む」とは

「立て込む」とは、一か所に人が多く集まって混雑することを意味しています。その他にも、仕事や用件が一時に多く重なることの意味も持っています。

表現方法は「私用が立て込む」「業務が立て込む」「用事が立て込む」

「私用が立て込む」「業務が立て込む」「用事が立て込む」「予定が立て込む」「スケジュールが立て込む」などが、「立て込む」を使った一般的な言い回しになります。

「立て込む」の使い方

「特産品売り場に客が立て込む」「閉店セールで店内に客が立て込む」などの文中で使われている「立て込む」は、「一か所に人が多く集まって混雑すること」の意味で使われています。

一方、「仕事が立て込んで休みが取れません」「年末年始は帰省や忘年会などイベントが立て込むことが多い」などの文中で使われている「立て込む」は、「仕事や用件が一時に多く重なること」の意味で使われています。

「立て込む」は一か所に人が多く集まって混雑することと、仕事や用件が一時に多く重なることの二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。

一つ目の「立て込む」は一か所に人が多く集まって混雑することの意味は、動作性があるものにはあまり使わないのが特徴です。お店やイベント会場などの一か所に集まる場合に使います。したがって、人や車がたえず動いているような場所、例えば道路、駅などには使うことはできません。

また、二つ目の仕事や用件が一時に多く重なることの意味は、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うこともできます。なぜなら、「立て込む」は「忙しい」を丁寧にした表現だからです。

「立て込む」の敬語表現

「立て込む」は敬語表現ではないので、「立て込んでおります」のように前後の文章に敬語を使うようにしましょう。

「立て込む」の類語

「立て込む」の類語・類義語としては、大勢の人が一か所すきまなく集まることを意味する「ひしめく」、混雑した状態になることを意味する「ごたつく」、余地がないほど人がいっぱいになっていることを意味する「満員」などがあります。

「建て込む」の意味

「建て込む」とは

「建て込む」とは、家などが隙間なく立ち並ぶことを意味しています。

表現方法は「民家が建て込む」「マンションが建て込む」

「民家が建て込む」「マンションが建て込む」などが、「建て込む」を使った一般的な言い回しになります。

「建て込む」の使い方

「建て込む」を使った分かりやすい例としては、「この辺りはマンションが建て込んでおりベットタウントなっている」「ここはとても狭い地域だが家が建て込んでいる」「私は民家が建て込む地域に住んでいます」などがあります。

「建て込む」は、家などが隙間なく立ち並ぶことを意味しているため、とても限定的な場面で使う言葉です。そのため、ビジネスシーンなどでもほとんど使用されることはありません。

「建て込む」は住宅街のように、民家、アパート、マンションなどが隙間なく立ち並んでいる場合に使います。

また、同音の言葉である「立て込む」とは意味が異なっているので、置き換えることはできないと覚えておきましょう。

「建て込む」の類語

「建て込む」の類語・類義語としては、隙間もないほどぎっしりと集まることを意味する「密集する」、種々のものが1か所に入りまじって存在することを意味する「雑居する」などがあります。

「立て込む」の例文

1.このラーメン店は美味しいと有名なので、昼夜問わず立て込んでいます。
2.年に一度の安売りセールが行われているので、店内が立て込んでいる。
3.オーダーが立て込むとお待ち頂くことがありますので、お決まりの際はお早めにご注文ください。
4.スキー旅行に参加したいのは山々なのですが、その日は予定が立て込んでおり行くことができません。
5.撮影が立て込む時は家に帰らず、都内のホテルで寝泊まりしていました。
6.主任は朝から仕事が立て込んでいるようで相談したいことがあるのだが話しかけるタイミングがつかめない。
7.デパートではバーゲンセールで人々が婦人服売り場に立て込み、商品を求めるために長蛇の列ができました。
8.繁忙期になり業務が立て込むと、まるで水の中で息を止めているような息苦しさを感じます。
9.夏休み期間中は観光地が立て込み、交通渋滞が頻発しますので、移動には時間に余裕を持ってください。
10.年末になると海産品売り場には多くの客が立て込んでおり、なかなか前へ進むことが出来ませんでした。

この言葉がよく使われる場面としては、一か所に人が多く集まって混雑することを表現したい時などが挙げられます。その他にも、仕事や用件が一時に多く重なることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「立て込む」は一か所に人が多く集まって混雑すること、例文3から例文4の「立て込む」は仕事や用件が一時に多く重なることの意味で使っています。

「建て込む」の例文

1.この町はアパートが建て込んでいるので、面積に対して人口が多いです。
2.この辺りはビルが建て込んでおり、多くの会社が存在しています。
3.私の最寄り駅はタワーマンションが建て込んでおり、続々と人口が増えています。
4.隣り町は民家やマンションが建て込んでおり、ベットタウンとして有名です。
5.この辺りは老朽化した木造家屋が細街路を挟んで建て込んでいるので、火事が起きたら大惨事になるだろう。
6.私は家の周囲が畑や山という田舎で育ったので、東京に出てきて隙間なく家やアパートが建て込んでいるさまに驚いた。
7.この新しい住宅地は、高層マンションが建て込んでいて、都心の景観を一変させました。
8.この辺は駅へのアクセスが良いからと言って、ギチギチに家が建て込んで風が通らなくなり、夜まで舗装に熱が溜まってしまっています。
9.駅前は再開発の話もあったが、すでに建物が建て込んでいるため、拡張は不可能であった。
10.市街地は2つのエリアに分かれており、比較的新しい新市街と、古い民家が建て込んだ旧市街が形成されている。

この言葉がよく使われる場面としては、家などが隙間なく立ち並ぶことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「建て込む」は家や建物が隙間なく立ち並ぶ場合にのみ使うので、とても限定的な言葉になります。

「立て込む」と「建て込む」は同音の言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、一か所に人が多く集まって混雑することを表現したい時は「立て込む」を、家などが隙間なく立ち並ぶことを表現したい時は「建て込む」を使うと覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
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