同じ「あける」という読み方の「開ける」と「空ける」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「開ける」と「空ける」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「開ける」と「空ける」の違い
「開ける」と「空ける」の意味の違い
「開ける」と「空ける」の違いを分かりやすく言うと、「開ける」とは閉じていたものを開くこと、「空ける」とは今まで占めていたものを空にすることという違いです。
「開ける」と「空ける」の使い方の違い
一つ目の「開ける」を使った分かりやすい例としては、「彼女のためにドアを開ける」「午前6時に店を開ける」「換気をするために窓を開ける」「彼女はゆっくりと目を開ける」「彼は窓を壊して開ける」などがあります。
二つ目の「空ける」を使った分かりやすい例としては、「旅行に行くので家を空ける」「彼は大ジョッキを空ける」「クリスマスは彼女と会うので予定を空ける」「彼は箱を空ける」などがあります。
「開ける」と「空ける」の使い分け方
「開ける」と「空ける」は「あける」という同音の言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。
「開ける」は「開」という字を使用しているので閉じていたものを開く場合に使い、「空ける」は「空」という字を使用しているので今まで占めていたものを空にする場合に使います。
「店を開ける」と「店を空ける」の意味の違い
「開ける」と「空ける」の違いについての分かりやすい例を挙げてみます。「店を開ける」と「店を空ける」の場合、「店を開ける」は閉めていた店を開けること、つまり開店することを意味しています。
一方、「店を空ける」は店を空にすること、つまり店を留守にすることを意味しています。上記の例のように同じ発音の言葉でも意味は全く違っているので使う際は十分に注意しましょう。
「開ける」と「空ける」の英語表記の違い
「開ける」を英語にすると「open」「undo」となり、例えば上記の「彼は窓を壊して開ける」を英語にすると「He broke the window open」となります。
一方、「空ける」を英語にすると「empty」「vacate」となり、例えば上記の「彼は箱を空ける」を英語にすると「He empty a box」となります。
「開ける」の意味
「開ける」とは
「開ける」とは、隔てや仕切りになっているものを取り除くことや閉じていたものを開くことを意味しています。その他にも、営業を行なうことの意味持っています。
表現方法は「ドアを開ける」「窓を開ける」「蓋を開ける」
「ドアを開ける」「窓を開ける」「蓋を開ける」「店を開ける」などが、「開ける」を使った一般的な言い回しになります。
「開ける」の使い方
「手が震えて蓋を開けることができない」「この部屋が暑いので窓を開ける」などの文中で使われている「開ける」は、「隔てや仕切りになっているものを取り除くことや閉じていたものを開くこと」の意味で使われています。
一方、「三が日も店を開けることにしました」「明日はコンサートがあるので夜遅くまで店を開ける」などの文中で使われている「開ける」は、「営業を行なうこと」の意味で使われています。
「開ける」は「開」という字を使っているので、閉じているものを開く場合に使うと覚えておけば覚えやすいでしょう。
また、閉じていたものを開ける場合に使うので、開閉できるものにしか使うことができないのも特徴です。
「開ける」の対義語
「開ける」の対義語・反対語としては、開いていた窓や戸などをぴったり閉じることを意味する「閉める」があります。
「開ける」の類語
「開ける」の類語・類義語としては、閉じ塞がっていたものが開け広げられることを意味する「開く」、郵便物などの封を切ることを意味する「開封」、門や戸などを開け放すことを意味する「開放」などがあります。
「空ける」の意味
「空ける」とは
「空ける」とは、今までそこを占めていたものや塞いでいたのを取り除いたり失くしたりすることを意味しています。
表現方法は「予定を空ける」「仕事を空ける」「距離を空ける」
「予定を空ける」「仕事を空ける」「距離を空ける」「家を空ける」「期間を空ける」「日を空ける」「間隔を空ける」「時間を空ける」などが、「空ける」を使った一般的な言い回しになります。
「空ける」の使い方
「空ける」を使った分かりやすい例としては、「彼女は一人で一升瓶を空けるほどお酒が強いです」「来週末予定を空けておいてと彼女にお願いされました」「数日家を空ける予定なので防犯対策をしっかりとしておく」などがあります。
「空ける」は「空」という字を使っているので、今まで占めていたものを空にする場合に使うと覚えておけば覚えやすいでしょう。
また、「開ける」は物理的なものを開ける場合に使うのが一般的ですが、「空ける」は「スケジュールを空ける」「社長の座を空ける」などのように、物理的なものでなくても使うことができるのが特徴です。
「空ける」の類語
「空ける」の類語・類義語としては、器に入った飲み物を一滴も残さずに飲むことを意味する「飲み干す」、中に何も入っていないことを意味する「空っぽ」などがあります。
「開ける」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、隔てや仕切りになっているものを取り除くことや閉じていたものを開くことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、営業を行なうことを表現したい時にも使います。
例文1から例文3は隔てや仕切りになっているものを取り除くことや閉じていたものを開くことの意味で使っており、例文4と例文5は営業を始めることの意味で使っています。
「空ける」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、今までそこを占めていたものや塞いでいたのを取り除いたり失くしたりすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように様々な場面で使うことができる言葉です。
「開ける」と「空ける」という言葉は、どちらも「あける」と読みますが意味が異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合は、閉じていたものを開くことを表現したい時は「開ける」を、今まで占めていたものを空にすることを表現したい時は「空ける」を使うと覚えておきましょう。