似た意味を持つ「蛇の道は蛇」(読み方:じゃのみちはへび)と「餅は餅屋」(読み方:もちはもちや)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「蛇の道は蛇」と「餅は餅屋」という言葉は、どちらもその道のことはやはり専門家が一番であることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「蛇の道は蛇」と「餅は餅屋」の違い
「蛇の道は蛇」と「餅は餅屋」の意味の違い
「蛇の道は蛇」と「餅は餅屋」の違いを分かりやすく言うと、「蛇の道は蛇」はマイナスのイメージで使うことが多い、「餅は餅屋」はプラスのイメージでしか使わないという違いです。
「蛇の道は蛇」と「餅は餅屋」の使い方の違い
一つ目の「蛇の道は蛇」を使った分かりやすい例としては、「蛇の道は蛇というので専門業者にお願いして良かったです」「この問題をクリアするなんてやはり蛇の道は蛇だ」「お客さん、蛇の道は蛇なんで分かるんですよ」などがあります。
二つ目の「餅は餅屋」を使った分かりやすい例としては、「自分で修理しようとせず餅は餅屋に頼んだ方がいいだろう」「餅は餅屋だ、こんなに簡単直るとは思ってもいませんでした」「こんなことも知っているなんて餅は餅屋です」などがあります。
「蛇の道は蛇」と「餅は餅屋」の使い分け方
「蛇の道は蛇」と「餅は餅屋」はどちらもその道のことはやはり専門家が一番であることを意味する言葉ですが、少し使い方に違いがあるので注意が必要です。
「蛇の道は蛇」は「テレビが壊れたので業者を呼んだらすぐ修理してくれた。まさに蛇の道は蛇だ」のようにプラスのイメージだけではなく、「蛇の道は蛇と言うしこの手の犯罪は同じ犯罪者に手口を聞くのがいいだろう」のように、マイナスのイメージで使うことができます。
また、どちらかというと後者のようなマイナスのイメージで使うのが一般的です。
一方、「餅は餅屋」は「パソコンが壊れたので業者に依頼をしたところすぐ修理してくれた。餅は餅屋と言えるだろう」のようにプラスのイメージで使うことができます。
したがって、「蛇の道は蛇」はマイナスのイメージで使うことが多いのに対して、「餅は餅屋」はプラスのイメージでしか使わないというのが違いです。
「蛇の道は蛇」と「餅は餅屋」の英語表記の違い
「蛇の道は蛇」も「餅は餅屋」も直訳した英語表現はないのですが、「専門家に任せよう」という意味で、「better leave it to a specialist」「one should go to specialists for the best results」「leave it to the professionals」と表記することができます。
「蛇の道は蛇」の意味
「蛇の道は蛇」とは
「蛇の道は蛇」とは、同類のすることはその方面の者にはすぐ分かることを意味しています。
「蛇の道は蛇」の読み方
「蛇の道は蛇」の読み方は「じゃのみちはへび」です。誤って「へびのみちはへび」「へびのみちはじゃ」「じゃのみちはじゃ」などと読まないようにしましょう。
「蛇の道は蛇」の使い方
「蛇の道は蛇」を使った分かりやすい例としては、「蛇の道は蛇と言うがまさか彼女がこんなこと知っているとは驚きです」「蛇の道は蛇なのでモテない女性が集まって何も解決策になりません」「蛇の道は蛇と言うしこの件は彼に任せた方がいいだろう」などがあります。
「蛇の道は蛇」は同類のすることはその方面の者にはすぐ分かることを意味することわざです。ことわざとは、古くから言い伝えられてきた教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉のことを意味しています。
「蛇の道は蛇」は「法律の抜け穴は弁護士が知っている。まさに蛇の道は蛇だ」と言うように、マイナスのイメージで使うのが一般的な表現が、「蛇の道は蛇だと言うし専門的なことは彼女に任せて問題ないだろう」のようにプラスのイメージで使うことも可能です。
ただし、多くの人がマイナスのイメージを持って使う言葉なので、こちらがプラスのイメージで使ったとしても、相手がマイナスのイメージで受け取ることが多いので使う際には十分に注意しましょう。
「蛇の道は蛇」の由来
「蛇の道は蛇」の由来はその名の通り蛇です。前者の蛇(読み方:じゃ)は大きな蛇を、後者の「蛇」(読み方:へび)は小さな蛇のことを表しています。
つまり、「蛇の道は蛇」は大きな蛇が通る道は小さな蛇でも知っているという意味になり、これが転じて、同類のすることはその方面の者にはすぐ分かることを「蛇の道は蛇」と言うようになりました。
「蛇の道は蛇」の類語
「蛇の道は蛇」の類語・類義語としては、その道の専門家は専門家だけのことがあるとを意味する「馬は馬方」、その道の専門家に相談するのが最善の方法だということを意味する「海の事は漁師に問え」などがあります。
「餅は餅屋」の意味
「餅は餅屋」とは
「餅は餅屋」とは、その道のことはやはり専門家が一番であることを意味しています。
「餅は餅屋」という言い回しを使うのが一般的ですが、「餅屋は餅屋」「餅は餅屋に聞け」という言い回しで使うこともあると覚えておきましょう。
「餅は餅屋」の使い方
「餅は餅屋」を使った分かりやすい例としては、「餅は餅屋なので物が壊れた時は専門家に任せた方がいいだろう」「餅は餅屋と言うし早く上達したければその手のプロから教わった方がいいはずだ」「餅は餅屋と言うし髪を切るなら母親じゃなくて美容院に行った方がいいだろう」などがあります。
「餅は餅屋」はその道のことはやはり専門家が一番であることを意味することわざです。簡単に言うならば、いくら素人が上手くやったとしても所詮は素人がやったことに過ぎないので、専門的なことは専門家に任せた方がいいというニュアンスです。
「餅は餅屋」は、その道に関しては専門家に任せておけば問題ないだろうという褒め言葉として、プラスのイメージでのみ使うというのが特徴です。
「餅は餅屋」の由来
「餅は餅屋」の由来は江戸時代の餅屋です。江戸時代では年末に、各家庭または近所の人が寄り合って新年用の餅をつく習慣がありました。
しかし、年末はやることが多く忙しくて自分たちで餅をついている暇がなかったので、餅屋さんに餅つきをお願いする人たちも多かったそうです。専門家なだけあって、餅屋さんがついた餅は素人が寄り合って作った餅よりもとても美味しかったと言われています。
これが転じて、その道のことはやはり専門家が一番であることを「餅は餅屋」と言うようになりました。
「餅は餅屋」の類語
「餅は餅屋」の類語・類義語としては、何事もその道の専門家がよく知っていることを意味する「芸は道によって賢し」、その道のことは専門家に任せたほうがいいことを意味する「仏の沙汰は僧が知る」などがあります。
「蛇の道は蛇」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同類のすることはその方面の者にはすぐ分かることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「蛇の道は蛇」はマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。
「餅は餅屋」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、その道のことはやはり専門家が一番であることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「餅は餅屋」はプラスのイメージでしか使わない言葉です。
「蛇の道は蛇」と「餅は餅屋」はどちらもその道のことはやはり専門家が一番であることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「蛇の道は蛇」はマイナスのイメージで使うことが多い、「餅は餅屋」はマイナスのイメージで使うことが多いと覚えておきましょう。