【不問とする】と【不問に付す】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「不問とする」(読み方:ふもんとする)と「不問に付す」(読み方:ふもんにふす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「不問とする」と「不問に付す」という言葉は、どちらも取り上げて問題にしないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「不問とする」と「不問に付す」の違い

「不問とする」と「不問に付す」の意味の違い

「不問とする」と「不問に付す」の違いを分かりやすく言うと、「不問とする」の方が「不問に付す」よりも一般的に使われているという違いです。

「不問とする」と「不問に付す」の使い方の違い

一つ目の「不問とする」を使った分かりやすい例としては、「今回のミスに限り不問とする」「子供がやったことなので口頭注意だけで不問とすることにしました」「悪意が見られなかったので今回は不問とすることにしました」などがあります。

二つ目の「不問に付す」を使った分かりやすい例としては、「仕方ないので今回は不問に付すつもりです」「この件だけは不問に付すわけにはいきません」「新人だったので今回の失敗は不問に付すことになりました」などがあります。

「不問とする」と「不問に付す」の使い分け方

「不問とする」「不問に付す」はどちらも取り上げて問題にしないことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「不問とする」の方が「不問に付す」よりも一般的に使われているという点です。

ただし、どちらも正しい日本語なので基本的に好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。

「不問とする」と「不問に付す」の英語表記の違い

「不問とする」も「不問に付す」も英語にすると「overlook」「amnesty」「forget」となります。

「不問とする」の意味

「不問とする」とは

「不問とする」とは、取り上げて問題にしないことを意味しています。

「不問とする」の使い方

「不問とする」を使った分かりやすい例としては、「彼のミスは不問とすることにしました」「弊社は採用時の学歴は不問とする」「本大会はプロかアマかは不問とする」「やむを得ない事情があったので今回の失態は不問とする」などがあります。

「不問とする」は取り上げて問題にしないことを意味する「不問」に、と判断することを意味する「とする」が合わさった言葉です。

「不問とする」は何か問題が起きたことに使うことが多く「今回の件は不問とする」のように、何も咎めることはないという寛大な処置を表現する場合に使うのが一般的になります。

また、「不問とするわけにはいかない」のように否定形にすることによって、咎める必要があるというニュアンスで使うことが可能です。

「不問とする」の特徴

「不問とする」はビジネスシーンだけではなく、日常生活においても使うことができると覚えておきましょう。

「不問とする」の類語

「不問とする」の類語・類義語としては、咎め立てや罰則の適用が行われないことを意味する「お咎めなし」、過失などを見て見ぬふりをすることを意味する「目をつぶる」、過失などをそのまま見逃すことを意味する「黙認する」などがあります。

「不問に付す」の意味

「不問に付す」とは

「不問に付す」とは、過去などを咎めないでおくことを意味しています。

「不問に付す」の使い方

「不問に付す」を使った分かりやすい例としては、「彼女の失敗は不問と付すことになりました」「今回の彼の失態は不問に付すわけにはいきません」「本件は全員不問に付すことにしました」「この件に関しては彼女を不問に付すべきだと思います」などがあります。

「不問に付す」は過去などを咎めないでおくことを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「不問に付す」は慣用句なので、取り上げて問題にしないことを意味する「不問」と、そのような扱いにすることを意味する「付す」で成り立っている言葉です。

「不問に付す」は何か問題が起きたことに使うことが多く「今回の件は不問に付す」のように、何も咎めることはないという寛大な処置を表現する場合に使うのが一般的になります。

また、「不問に付すわけにはいかない」のように否定形にすることによって、咎める必要があるというニュアンスで使うことが可能です。

「不問に付す」の特徴

「不問に付す」はビジネスシーンだけではなく、日常生活においても使うことができると覚えておきましょう。

「不問に付す」の類語

「不問に付す」の類語・類義語としては、過去のいざこざなどを全てなかったことにすることを意味する「水に流す」、人の過失や悪いところなどを厳しく咎めず寛大に扱うことを意味する「大目に見る」などがあります。

「不問とする」の例文

1.この一件でのあなたの責任は、不問とすることになりました。
2.今回の件について、派閥を取り仕切ってきた有力政治家の責任を不問とすることはできないだろう。
3.この一件に関してはは誰も咎めることはなく、不問とする決断をしました。
4.まだ配属されて三ヶ月の新人なので、本件に関しては不問とすることにしました。
5.会社の役員だからといって、今回の不正を不問とするわけにはいかないだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、取り上げて問題にしないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「不問とする」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「不問に付す」の例文

1.お子さんの将来を考えて今回は不問に付すことにしますが、二度とやらないように注意してください。
2.今回は不問に付すと言われたが、部署異動が決まっているので結局は刑罰を受けているようなものだ。
3.裏金は約10億円もあったのに、それを不問に付すのは国民も納得がいかないだろう。
4.まだ配属されて一ヶ月の新人なので、今回のミスは不問に付すことにしました。
5.今回の彼ら失敗は不問に付すわけにはいきません。徹底的に追及すべきだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、過去などを咎めないでおくことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「不問に付す」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「不問とする」と「不問に付す」はどちらも取り上げて問題にしないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、大きな違いはないので、基本的に好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。

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