似た意味を持つ「それ」と「あれ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「それ」と「あれ」という言葉は、どちらも特定のものを指すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「それ」と「あれ」の違い
「それ」と「あれ」の意味の違い
「それ」と「あれ」の違いを分かりやすく言うと、「それ」は聞き手側の領域のものを指すこと、「あれ」は両方から遠い領域のものを指すことという違いです。
「それ」と「あれ」の使い方の違い
一つ目の「それ」を使った分かりやすい例としては、「それは扇風機です」「それを私は言いたかったです」「ちょっとそれを見せてください」「それはいつのお話ですか」「それが済んだら早く寝なさい」などがあります。
二つ目の「あれ」を使った分かりやすい例としては、「あれが東京スカイツリーです」「あれはどうなったのだろうか」「あれを手に入れて欲しいです」「あれはもう昔のことだ」「あれほど簡単ではありません」「あれは10年前のことだった」などがあります。
「それ」と「あれ」の使い分け方
「それ」と「あれ」は、具体的に説明したり直接に名前を言ったりすることなしにある物事を指し示すことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
話し手と聞き手が異なる位置に立っている状況において、「それ」は聞き手側の領域のものを指しています。一方、「あれ」は両方から遠い領域のものを指しているというのが違いです。また、話し手の周囲の領域のものを指す場合は「これ」を使います。
その他にも、話し手と聞き手が同じ位置でものを見る状況に場合、中間の領域のものを指す時は「それ」を、遠い領域のものを指す時は「あれ」を使うと覚えておきましょう。また、近い領域のものを指す場合には「これ」を使います。
「それ」と「あれ」の英語表記の違い
「それ」を英語にすると「that」「it」となり、例えば上記の「それを見せてください」を英語にすると「Please show it to me」となります。
一方、「あれ」を英語にすると「that」となり、例えば上記の「あれは10年前のことだった」を英語にすると「That was ten years ago」となります。
「それ」の意味
「それ」とは
「それ」とは、具体的に説明したり直接に名前を言ったりすることなしにある物事を指し示すことを意味しています。
「それ」の漢字表記
「それ」を漢字にすると、「其れ」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「それ」を使うようにしましょう。
「それ」の使い方
「それ」を使った分かりやすい例としては、「それは初耳でした」「それは本物の作品ですよ」「それを私に渡してください」「それは電子レンジです」「それは約束することはえきません」「それは承認できません」などがあります。
「それ」は、具体的に説明したり直接に名前を言ったりすることなしにある物事を指し示すことを意味する代名詞です。
代名詞とは、特定または一般の名称を用いず、人、事物、場所、方向などを直接に指示することを意味しています。
「それ」は近くも遠くもない対象に対して、または話し手か聞き手のどちらかが知覚できない対象に対して、あるいは話し手が聞き手の意識の範囲にあると感じる対象に対して用いるというのが特徴です。
「それ」は、はっきりと物事を示しているわけではないので、ビジネスシーンにおいてはあまり適切な言葉ではありません。ビジネスシーンにおいては、はっきりと述べることが大切と覚えておきましょう。
「それ」の類語
「それ」の類語・類義語としては、話し手の周囲の領域のものを指すことを意味する「これ」、限定されたものの中から選び出すもののことを意味する「どれ」、空間的や心理的に聞き手に近い人や物を指すことを意味する「その」などがあります。
「あれ」の意味
「あれ」とは
「あれ」とは、具体的に説明したり直接に名前を言ったりすることなしにある物事を指し示すことを意味しています。
「あれ」の漢字表記
「あれ」を漢字にすると、「彼」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「あれ」を使うようにしましょう。
「あれ」の使い方
「あれ」を使った分かりやすい例としては、「あれを取って欲しいです」「あれが東京タワーです」「あれは誰ですか」「あれの何が面白いのだろうか」「あれをいいとは思いません」「あれが国会議事堂ですよ」などがあります。
「あれ」は具体的に説明したり直接に名前を言ったりすることなしにある物事を指し示すことを意味する代名詞です。
「あれ」は話し手や聞き手にとって関心が強く、遠くに存在する対象に対して、あるいは話し手、聞き手双方の意識の範囲に属さない対象に対して用いるといのが特徴です。つまり、遠称の指示代名詞になります。
「あれ」は、はっきりと物事を示しているわけではないので、ビジネスシーンにおいてはあまり適切な言葉ではありません。ビジネスシーンにおいては、はっきりと述べることが大切と覚えておきましょう。
「あれ」の類語
「あれ」の類語・類義語としては、空間的や心理的に話し手に近い人や物を指すことを意味する「この」、はっきりと限定できないものを指すことを意味する「どの」、話し手や聞き手の双方から離れた人や物を指すことを意味する「あの」などがあります。
「それ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、具体的に説明したり直接に名前を言ったりすることなしにある物事を指し示すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「それ」は近くも遠くもない対象に対して使うのが一般的です。
「あれ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、具体的に説明したり直接に名前を言ったりすることなしにある物事を指し示すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように「あれ」は話し手や聞き手にとって関心が強い遠くに存在する対象に対して使うことが多いです。
「それ」と「あれ」はどちらも特定のものを指すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、聞き手側の領域のものを指す時は「それ」を、両方から遠い領域のものを指す時には「あれ」を使うと覚えておきましょう。