似た意味を持つ「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」という言葉は、どちらもしてもらえるかお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」の違い
「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」の意味の違い
「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」の違いを分かりやすく言うと、「いただけますでしょうか」よりも「いただけないでしょうか」の方が丁寧な表現という違いです。
「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」の使い方の違い
一つ目の「いただけますでしょうか」を使った分かりやすい例としては、「契約内容をご確認いただけますでしょうか」「来週開催のイベントにお越しいただけますでしょうか」「お名前を教えていだけますでしょうか」などがあります。
二つ目の「いただけないでしょうか」を使った分かりやすい例としては、「お手元にある分だけでもお届けいただけないでしょうか」「納期を5日ほど延期させていただけないでしょうか」「明日までにご返信いただけないでしょうか」などがあります。
「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」の使い分け方
「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」はどちらもしてもらえるかお願いすることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「いただけますでしょうか」よりも「いただけないでしょうか」の方が丁寧表現という点です。
ではなぜ、「いただけないでしょうか」の方が丁寧な表現かというと、「いただけますでしょうか」はしてもらえることが前提である肯定の疑問形なのに対して、「いただけないでしょうか」は謙虚な気持ちを表す否定の疑問形なのが理由になります。
「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」の英語表記の違い
「いただけますでしょうか」も「いただけないでしょうか」も英語にすると「I would appreciate if you could」「Could you please」となり、例えば上記の「明日までにご返信いただけないでしょうか」を英語にすると「I would appreciate if you could reply to me by tomorrow」となります。
「いただけますでしょうか」の意味
「いただけますでしょうか」とは、してもらえるかお願いすることを意味しています。
「頂けますでしょうか」は誤用
「いただけますでしょうか」を漢字にして、「頂けますでしょうか」とするのは誤用です。
ではなぜ誤用かと言うと、「いただけますでしょうか」の「いただく」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
表現方法は「書類をいただけますでしょうか」「資料をいただけますでしょうか」
「書類をいただけますでしょうか」「資料をいただけますでしょうか」「ご確認いただけますでしょうか」「預けていただけますでしょうか」「一言いただけますでしょうか」などが、「いただけますでしょうか」を使った一般的な言い回しになります。
「いただけますでしょうか」の使い方
「いただけますでしょうか」を使った分かりやすい例としては、「今回のイベントについて改めてご説明いただけますでしょうか」「お手数をおかけしますがメールをご確認いただけますでしょうか」「そのお菓子を一ついただけますでしょうか」などがあります。
「いただけますでしょうか」はしてもらうの謙譲語の「いただく」に、丁寧語の「ます」、「だろう」の丁寧語「でしょう」、疑問形の「か」が合わさり、してもらえるかお願いすることの意味で使われている敬語表現です。
「いただけますでしょうか」は目上の人に対して、何かしてもらえないかとお願いや依頼をする場合に使う言葉になります。
「いただけますでしょうか」でも十分丁寧な表現ですが、さらに丁寧な表現をしたい場合は、「いただけないでしょうか」「いただけますと幸いです」「賜りたく存じます」などを使うのがいいでしょう。
「いただけますでしょうか」は二重敬語ではなく正しい敬語
「いただけますでしょうか」を二重敬語だと思う人もいると思いますが、結論から言うと二重敬語ではなく、正しい敬語表現です。
二重敬語とは一つの語に同じ種類の敬語を二重に使ったもののことを指しており、「いただけますでしょうか」は丁寧語の「ます」に対して、「でしょうか」を添えた表現なので二重敬語ではないと覚えておきましょう。
「いただけますでしょうか」の類語
「いただけますでしょうか」の類語・類義語としては、してくれるかお願いすることを意味する「くださいますでしょうか」、お願いすることを意味する「願えますでしょうか」などがあります。
「いただけないでしょうか」の意味
「いただけないでしょうか」とは
「いただけないでしょうか」とは、してもらえるかお願いすることを意味しています。
「頂けないでしょうか」は誤用
「いただけないでしょうか」を漢字にして、「頂けないでしょうか」とするのは誤用です。
ではなぜ誤用かと言うと、「いただけないでしょうか」の「いただく」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
表現方法は「見ていただけないでしょうか」「させていただけないでしょうか」
「見ていただけないでしょうか」「させていただけないでしょうか」「教えていただけないでしょうか」などが、「いただけないでしょうか」を使った一般的な言い回しになります。
「いただけないでしょうか」の使い方
「いただけないでしょうか」を使った分かりやすい例としては、「ご都合がよろしい日にバスを手配いただけないでしょうか」「よろしければ直接お話しいただけないでしょうか」「分かり次第お知らせいただけないでしょうか」「面談の日程を変更いただけないでしょうか」などがあります。
「いただけないでしょうか」はしてもらうの謙譲語の「いただく」に、打消しの助動詞「ない」、「だろう」の丁寧語「でしょう」、疑問形の「か」が合わさり、してもらえるかお願いすることの意味で使われている敬語表現です。
「いただけないでしょうか」は目上の人に対して、何かしてもらえないかとお願いや依頼をする場合に使う言葉になります。
「いただけないでしょうか」は二重敬語ではなく正しい敬語
「いただけないでしょうか」を二重敬語だと思う方がいるかと思いますが、二重敬語ではなく正しい敬語表現になります。二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」などのように、一つ語の中に同じ種類の敬語を重複させてしまう間違った敬語の使い方です。
「いただけないないでしょうか」は、してもらうの謙譲語の「いただく」に、打消しの助動詞「ない」、「だろう」の丁寧語「でしょう」、疑問形の「か」で成り立っており、二重敬語の例に当てはまっていないので、正しい敬語表現になります。
「いただけないでしょうか」の類語
「いただけないでしょうか」の類語・類義語としては、教示を求めることを意味する「仰ぎたく存じます」があります。
「いただけますでしょうか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、してもらえるかお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「いただけますでしょうか」はビジネスシーンにおいて使うことができる言葉です。
「いただけないでしょうか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、してもらえるかお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「いただけないでしょうか」はビジネスシーンにおいて使うことができる言葉です。
「いただけますでしょうか」と「いただけないでしょうか」はどちらもしてもらえるかお願いすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「いただけますでしょうか」よりも「いただけないでしょうか」の方が丁寧な表現と覚えておきましょう。