似た意味を持つ「クロージング」と「テストクロージング」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「クロージング」と「テストクロージング」という言葉は、「契約を成立させること」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
クロージングとテストクロージングの違い
クロージングとテストクロージングの意味の違い
クロージングとテストクロージングの違いを分かりやすく言うと、クロージングは契約締結を表現する時に使い、テストクロージングは契約の意思確認を表現する時に使うという違いです。
クロージングとテストクロージングの使い方の違い
一つ目のクロージングを使った分かりやすい例としては、「追加クロージングはいわゆる追加投資だ」「クロージング率を向上させるために必要なことを考える」「クロージングイベントには有名アーティストが参加するらしい」などがあります。
二つ目のテストクロージングを使った分かりやすい例としては、「テストクロージングがなかなか上手くいかない」「実際は恋愛など日常生活においてもテストクロージングが行われている」などがあります。
クロージングとテストクロージングの使い分け方
クロージングとテストクロージングはどちらも商談や契約を成立させることを意味する言葉ですが、表す段階が若干異なります。
クロージングは、最終的な契約を結ぶことや取引を決定することを意味する言葉で、上記例文の「追加クロージング」「クロージング率」などのように使われています。また、イベントなどの終わりを意味する言葉としても使われています。
一方のテストクロージングは、契約に至る前に顧客に対して契約する意思があるか確認することを意味する言葉です。
つまり、契約の意思を確認するテストクロージングを経て、契約を成立させることを意味するクロージングに至るという明確な違いがあります。そのため、段取りとしてクロージングは必ず存在しますが、テストクロージングは必ず存在するわけではありません。
クロージングとテストクロージングの英語表記の違い
クロージングを英語にすると「closing」となり、例えば上記の「追加クロージング」を英語にすると「the subsequent closing」となります。一方、テストクロージングを英語にすると「test closing」となりますが、英語圏で使われることはほとんどありません。
クロージングの意味
クロージングとは
クロージングとは、最終的な契約を結ぶことを意味しています。
その他にも、催事を終えることを意味する言葉としても使われています。
表現方法は「クロージングがうまい人」「クロージング能力」「クロージングを行なう」
「クロージングがうまい人」「クロージング能力」「クロージングを行なう」などが、クロージングを使った一般的な言い回しです。
クロージングの使い方
「クロージングの流れは文字で見ても覚えられない」「クロージングのコツを後輩のために箇条書きした」「クロージングをかけるタイミングを見誤らないようにする」などの文中で使われているクロージングは、「契約締結」の意味で使われています。
一方、「クロージングセレモニーでは花火が上がった」「クロージングイベントが開催されると聞いて参加したいと思った」「クロージングまでの間で休憩を挟むべきだ」などの文中で使われているクロージングは、「閉幕」の意味で使われています。
クロージングは英語で「closing」と表記され、「閉鎖」「締切」といった意味を持つ言葉です。これらの「終了すること」を表すことから転じて、「取引の完了」「契約の締結」の意味で日本では使われていますが、英語圏ではあまり使われていません。
特にビジネスシーンで使われる言葉で、上記例文のように「クロージングの流れ」「クロージングのコツ」などのように使われています。「クロージングをかける」という表現で「契約が成立する」を表すことができます。
また、洋服を意味する「clothing」という言葉も同じクロージングという発音であるため、日本でも「クロージングブランド」「クロージングレーベル」などのように使われていますが、契約や商談に関するクロージングとは大きく異なります。
クロージングの対義語
クロージングの対義語・反対語としては、催事や興行を開始することを意味する「オープニング」があります。
クロージングの類語
クロージングの類語・類義語としては、利害の食い違う相手と駆け引きをすることを意味する「折衝」、利害が対立している二者が同意して話がまとまることを意味する「妥結」契約が成り立つことを意味する「成立」などがあります。
テストクロージングの意味
テストクロージングとは
テストクロージングとは、相手に契約締結の意思があるか確認することを意味しています。
テストクロージングの使い方
テストクロージングを使った分かりやすい例としては、「テストクロージングのコツを実際に隣で見て学ぶことになった」「テストクロージングをしなければ一方的に押し売りをすることになる」「テストクロージングによって成約率を向上させる」などがあります。
その他にも、「テストクロージングのかけ方で顧客からの印象も変わるだろう」「テレアポにおいてテストクロージングを行うのは難しい」「テストクロージングを行うことで2割ほど成約率が変わるという」などがあります。
テストクロージングのテストは英語で「test」と表記され、「試験」「実験」といった意味を持つ言葉です。そのため、クロージングという言葉と組み合わさると「契約締結を試す」となり、これが転じて、契約締結前の意思確認を指すようになります。
基本的にはビジネスシーンにて使われることが多く、上記例文の「テストクロージングのコツ」「テストクロージングのかけ方」などのように使われ、「テスクロ」と省略されることもある言葉です。
また、恋愛においても使われることもあり、相手がどの程度自分に脈があるかを確かめるための、段階的な話しの深掘りや、スキンシップの増加など言動を指す言葉として使われています。
テストクロージングの類語
テストクロージングの類語・類義語としては、契約締結や商談成立に至るまでの一連の会話を意味する「クロージングトーク」があります。
クロージングの例文
この言葉がよく使われる場面としては、最終的な契約を結ぶことを意味する時などが挙げられます。
その他にも、例文4や例文5のように、終了に向けての行動を表すこともあります。
例文4の「クロージングラインナップ」とは、バスケットボールの試合において、終了時にコートにいる五人の選手を指す言葉です。
テストクロージングの例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手に契約締結の意思があるか確認することを意味する時などが挙げられます。
どの例文の「テストクロージング」も、「クロージングトーク」という言葉に置き換えて使うことができます。
クロージングとテストクロージングは、どちらも「契約を成立させること」を表します。どちらを使うか迷った場合は、契約締結を表す場合は「クロージング」を、契約の意思確認を表す場合は「テストクロージング」を使うと覚えておけば間違いありません。