似た意味を持つ「ステマ」と「ダイマ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ステマ」と「ダイマ」という言葉は、「商品やサービスの宣伝方法」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ステマとダイマの違い
ステマとダイマの意味の違い
ステマとダイマの違いを分かりやすく言うと、ステマは金銭をもらい受けたことを隠して行う宣伝を表現する時に使い、ダイマは金銭をもらい受けていない宣伝を表現する時に使うという違いです。
ステマとダイマの使い方の違い
一つ目のステマを使った分かりやすい例としては、「ステマの規制を気にせずSNSでは行われているらしい」「ステマに関する取り決めが行われたらしい」「芸能人によるステマは効果がありすぎて詐欺被害などに繋がりやすい」などがあります。
二つ目のダイマを使った分かりやすい例としては、「効率的なダイマはその道に精通している人に広告として感想を述べてもらうことではないだろうか」「旦那に新しいテレビのダイマをされた」「ダイマ」などがあります。
ステマとダイマの使い分け方
ステマとダイマはどちらも、商品やサービスの宣伝方法を意味する言葉として使われていますが、その方法が異なります。
ステマは、相手に気付かれないように商品やサービスの宣伝を行うことを表す言葉で、例えば、SNSや口コミサイトにおける商品紹介やレビューを企業側の人間がやることなどを指します。
一方のダイマは、企業から金銭などや便宜を提供されていないまま、商品やサービスの宣伝を行うことを表す言葉で、感想を伝えるなどの遠回しな宣伝ではなく直接的な宣伝を指す言葉としても使われています。
つまり、ステマは企業から金銭を受け取ったことを気付かせないように商品やサービスの宣伝を行う方法を指し、ダイマは企業から金銭などを提供されることなく商品やサービスの宣伝を行う方法を指すという違いがあり、これらの言葉は対義語の関係にあります。
ステマとダイマの英語表記の違い
ステマを英語にすると「stealth marketing」となり、例えば上記の「ステマの規制」を英語にすると「regulation of stealth marketing」となります。
一方、ダイマを英語にすると「direct marketing」となり、例えば上記の「効率的なダイマ」を英語にすると「an efficient direct marketing」となります。
ステマの意味
ステマとは
ステマとは、相手に広告と気付かれないように商品やサービスの宣伝を行うことを意味しています。
ステマの使い方
ステマを使った分かりやすい例としては、「ステマの何が悪いのか分からないという友人に説明した」「ステマで炎上すれば信用が落ちて今後の収入に影響が出る」「ステマのリスクを理解しながら行為にうつしている人が理解できない」などがあります。
その他にも、「レビューを見て本当に効果があるのか疑う間はステマに引っかかることもないだろう」「親は他者を信じやすいためステマをステマと気付くことなく買い物をしてしまいそうで不安だ」などがあります。
ステマの由来
ステマは「ステルスマーケティング」を省略した言葉で、英語では「stealth marketing」と表記されるため、ステマという言葉は英語圏で使うことが出来ません。また、英語圏では「アンダーカバー・マーケティング」とも呼ばれています。
日本では2011年に景品表示法のガイドラインの公表を行い、社員がネット上に口コミを掲載したり、第三者に金銭を渡して口コミを掲載させるなどの行為が問題であるとしています。さらに、商品やサービスに関する偽りの評価は軽犯罪法と見なされることもあります。
「ペニーオークション詐欺事件」とは
2012年には、入札しても落札できない仕組みのサイトで、実際に落札していないにも関わらず落札報告を複数の芸能人が自身のブログで投稿してオークションサイト側から金銭を受け取っていた事件「ペニーオークション詐欺事件」が有名です。
この他にも、グルメや美容に関する口コミサイトにおける評価操作や、企業案件であることを隠した上でのSNSにおけるインフルエンサーたちによる商品紹介なども多くあり、場合によっては批判が殺到する「炎上」状態になりかねない行為とされています。
ステマの類語
ステマの類語・類義語としては、過度な演出や演技などで虚偽の事実を表現するものの事実のように見せることを意味する「やらせ」、主催者や販売店に雇われて客などの中に紛れ込みイベントなどを盛り上げる人を意味する「サクラ」などがあります。
ダイマの意味
ダイマとは
ダイマとは、企業から金銭などを受け取ることなく商品やサービスの宣伝を行うことを意味しています。
その他にも、企業が消費者と直接コミュニケーションをとることで購入を促す手法を意味する言葉として使われています。
ダイマの使い方
「好きな絵描きが企業案件として使っているタブレットのダイマ動画を作っていた」「彼のダイマはまるで仕事のプレゼンのように思えた」などの文中で使われているダイマは、「宣伝と隠すことなく宣伝すること」の意味で使われています。
一方、「ダイマに使われていた手紙を使えば割引が適用されるそうだ」「押し売りのようなダイマではなく相談した上でのダイマを受けたい」などの文中で使われているダイマは、「直接顧客に購入を促す手法」の意味で使われています。
「ダイレクトマーケティング」の意味
ダイマは「ダイレクトマーケティング」を省略した言葉で、英語では「direct marketing」と表記されるため、ダイマという言葉は英語圏で使うことが出来ません。
本来は、企業が顧客と直接的にコミュニケーションをとり、商品やサービスの購入を促す方法を指す言葉で、ダイレクトメッセージが代表例として挙げられます。
ダイマの対義語
今日ではステマの対義語として、企業による広告であることを隠さずに商品などの宣伝を行うことを表す言葉として使われることが多くあり、自身の好きなものを他者におすすめする時に使われています。
ダイマの類語
ダイマの類語・類義語としては、顧客一人一人からニーズを読み取って個々にあったコミュニケーションを行うマーケティングを意味する「ワンツーワンマーケティング」などがあります。
ステマの例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手に広告と気付かれないように商品やサービスの宣伝を行うことを意味する時などが挙げられます。
例文5のように、遠回しに商品やサービスを勧めることを意味する言葉として使われる場合もあります。
ダイマの例文
この言葉がよく使われる場面としては、企業から金銭などを受け取ることなく商品やサービスの宣伝を行うことを意味する時などが挙げられます。
本来は、例文4や例文5のように、企業が消費者と直接コミュニケーションをとることで購入を促す手法を意味する言葉として使われていましたが、今日では例文1から例文3のように他者にオススメすることを意味する言葉としても使われています。
ステマとダイマは、どちらも「商品やサービスの宣伝方法」を表します。どちらを使うか迷った場合は、金銭をもらい受けたことを隠して行う宣伝は「ステマ」を、金銭をもらい受けていない宣伝は「ダイマ」を使うと覚えておけば間違いありません。