【ほのかに】と【かすかに】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ほのかに」と「かすかに」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ほのかに」と「かすかに」という言葉は、どちらもわずかに感じられる様子のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ほのかに」と「かすかに」の違い

「ほのかに」と「かすかに」の違いを分かりやすく言うと、「ほのかに」はやわらかく上品に感じ取れるものに対して使う、「かすかに」は非常に弱くほとんど消えそうなものに対して使うという違いです。

一つ目の「ほのかに」を使った分かりやすい例としては、「その詩にはほのかに希望が込められている気がした」「ほのかに漂う香水の匂いが記憶を呼び起こしました」「ほのかに光る海面がとても幻想的です」「彼女の言葉にはほのかに優しさがあった」などがあります。

二つ目の「かすかに」を使った分かりやすい例としては、「かすかに聞こえるピアノの音が心を落ち着かせる」「古い香水の香りがかすかに漂っていた」「窓の外からかすかに潮の香りがしました」「その建物からかすかに明かりが見えた」などがあります。

「ほのかに」と「かすかに」はどちらもわずかに感じられる様子のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ほのかに」は「彼女の笑顔にはほのかに寂しさがにじんでいた」のように、感情や雰囲気、色、香りなどがやわらかく、上品に漂っている様子に対して使う言葉になります。

一方、「かすかに」は「遠くからかすかに波の音が聞こえてくる」のように、音、気配、動き、光などが非常に弱く、はっきりとは捉えきれないほど微細な状態に対して使う言葉です。

つまり、やわらかく上品に感じ取れるものに対して使うのが「ほのかに」、非常に弱くほとんど消えそうなものに対して使うのが「かすかに」と覚えておきましょう。

「ほのかに」を英語にすると「faintly」「subtly」「gently」となり、例えば上記の「彼女の言葉にはほのかに優しさがあった」を英語にすると「There was a subtle kindness in her words」となります。

一方、「かすかに」を英語にすると「barely」「slightly」「dimly」となり、例えば上記の「その建物からかすかに明かりが見えた」を英語にすると「A faint light could be seen from the building」となります。

「ほのかに」の意味

「ほのかに」とは、わずかにそれと認められることを意味しています。

「ほのかに」を漢字にすると「仄かに」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限りひらがなの「ほのかに」を使うようにしましょう。

「ほのかに」を使った分かりやすい例としては、「彼の声にはほのかに優しさが含まれていた」「ほのかに色づいた紅葉が秋の訪れを告げている」「窓から差し込む光が部屋をほのかに照らしていた」「ほのかに甘い香りが風に乗って届いた」などがあります。

「ほのかに」は五感や心の動きに対して使われる、繊細でやわらかな印象を与える言葉です。簡単に言うならば、音や香り、光、感情などが強くはないものの、わずかに感じ取れる状態を表します。

「ほのかに」は「朝焼けに染まる空がほのかに赤く見えた」「遠くから漂ってきた花の香りがほのかに鼻先をかすめた」のような物理的なニュアンスだけではなく、「ほのかに期待している」「ほのかに寂しさが残っている」などの抽象的なニュアンスで使うこともできます。

「ほのかに」は、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚といった五感のほか、感情の動きに対しても使われるのが特徴です。また、物事が明確に感じられるわけではないが、確かにそこに存在しているというニュアンスを持っています。

「ほのかに」の類語・類義語としては、濃さや厚さなどの程度がわずかであることを意味する「うっすらと」などがあります。

「かすかに」の意味

「かすかに」とは、やっと感じ取れる程度であることを意味しています。

「かすかに」を漢字にすると「微かに」や「幽かに」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限りひらがなの「かすかに」を使うようにしましょう。

「かすかに」を使った分かりやすい例としては、「胸の奥にかすかに不安が残っています」「かすかに笑う彼女の表情が印象的だった」「雨の音がかすかに窓の外から聞こえてくる」「彼の言葉にかすかに怒りが混じっていました」などがあります。

「かすかに」は五感でとらえられるものごとが、非常に弱く、やっと感じ取れる程度であることを表す言葉です。簡単に言うならば、意識を集中しないと気づかないような、微細な変化や気配などがわずかに存在している状態を指します。

「かすかに」は多くの場合、意識を集中してようやく気づくようなものに対して使われます。主なきっかけとしては、時間の経過によって薄れていった記憶や感情、小さな音、遠くの気配、微量なにおいなどがあります。

「かすかに」は「遠くで鳴っている雷の音がかすかに聞こえる」「古いアルバムの中の写真を見てかすかに昔の記憶がよみがえった」などのように、音や匂いだけでなく、記憶や感情、視覚的な印象にも使うことができるというのが特徴です。

「かすかに」の類語・類義語としては、数量や程度などがほんのすこしであることを意味する「わずかに」などがあります。

「ほのかに」の例文

1.花束の中から、ほのかにラベンダーの香りが漂ってきました。
2.夕暮れの空が、ほのかにピンク色に染まっていてとても綺麗でした。
3.彼女の微笑みには、ほのかに寂しさのようなものを感じました。
4.古い手紙には、ほのかに懐かしいインクの香りが残っていました。
5.雨上がりの道を歩いていると、土のにおいがほのかに感じられました。

この言葉がよく使われる場面としては、わずかにそれと認められることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ほのかに」はやわらかく上品に感じ取れるものに対して使う言葉です。

「かすかに」の例文

1.深夜の街を歩いていると、かすかに猫の鳴き声が聞こえました。
2.風に揺れる木の葉がかすかにこすれる音が耳に届きました。
3.電話の向こうから、かすかに彼のため息が聞こえた気がしました。
4.古いアルバムをめくると、かすかに紙のにおいが感じられました。
5.遠くの山の方から、かすかに雷の音が響いていました。

この言葉がよく使われる場面としては、やっと感じ取れる程度であることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「かすかに」は非常に弱くほとんど消えそうなものに対して使う言葉です。

「ほのかに」と「かすかに」はどちらもわずかに感じられる様子のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、やわらかく上品に感じ取れるものに対して使うのが「ほのかに」、非常に弱くほとんど消えそうなものに対して使うのが「かすかに」と覚えておきましょう。

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