【ズボラ】と【ガサツ】と【面倒くさがり】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ズボラ」と「ガサツ」と「面倒くさがり」(読み方:めんどうくさがり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ズボラ」と「ガサツ」と「面倒くさがり」という言葉は、怠惰な姿勢という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




ズボラとガサツと面倒くさがりの違い

ズボラとガサツと面倒くさがりの意味の違い

ズボラとガサツと面倒くさがりの違いを分かりやすく言うと、ズボラはだらしない様子を表現する時に使い、ガサツは荒っぽい様子を表現する時に使い、面倒くさがりは怠ける様子を表現する時に使うという違いです。

ズボラとガサツと面倒くさがりの使い方の違い

ズボラという言葉は、「ズボラな自分に彼は何度も叱ってくれる」「仕事から帰ってきたらズボラ飯くらいしか作る気がなくなる」などの使い方で、行動や性格がだらしのない人を意味します。

ガサツという言葉は、「ガサツな女は嫌われると何度も言われてきた」「多少ガサツに扱っても丈夫なので壊れない」などの使い方で、細かいところまで気が回らずに言葉や動作が荒っぽく落ち着きがない様子を意味します。

面倒くさがりという言葉は、「彼の面倒くさがりは今に始まったことではない」「面倒くさがりはなかなか直らない」などの使い方で、何事も怠けてやるべきことをやらない人を意味します。

ズボラとガサツと面倒くさがりの使い分け方

ズボラと面倒くさがりはどちらも怠惰な性格を意味する言葉ですが、前者は求められる行動をしないことを表すのに対し、後者は求められる行動を簡素化したり、取り組むまでに時間が掛かっている様子を表します。

一方のガサツは、物の扱いが丁寧ではないなど言動が荒っぽい様子を表すため、ズボラや面倒くさがりとは若干ニュアンスが異なります。

これが、ズボラ、ガサツ、面倒くさがりの明確な違いです。

ズボラの意味

ズボラとは

ズボラとは、行動や性格がだらしのない人を意味しています。

表現方法は「ズボラ女子」「ズボラな人」「ズボラな性格」

「ズボラ女子」「ズボラな人」「ズボラな性格」などが、ズボラを使った一般的な言い回しです。

ズボラの語源

ズボラは「ずべらぼう」「ずんべらぼん」「ずんぼらぼん」といった関西地方で使われていた方言がもとになった言葉で、つるつるな様子やのっぺりとした様子を表した言葉です。

ズボラを使った言葉として、「ズボラ飯」「ズボラストレッチ」があります。

「ズボラ飯」の意味

一つ目の「ズボラ飯」とは、時間や工程がかさむような料理ではなく、手を抜いたような料理を指す言葉で、簡単に作れる時短料理などのように使われることも多々あります。『花のズボラ飯』というコミックのタイトルが由来となっています。

「ズボラストレッチ」の意味

二つ目の「ズボラストレッチ」とは、ゆったりとしたストレッチ運動を指す言葉で、筋トレやダイエットに効果的な運動などのように激しく動いて脂肪燃焼を行うものではありません。

外出を控えて自宅で過ごす「巣ごもり」を行う人たちが増えたのもあり、運動習慣がなくとも続けられるよう考案されたものです。基礎代謝がアップしたり、疲労回復にもつながることからズボラストレッチは多くの人が取り組むようになりました。

ズボラの対義語

ズボラの対義語・反対語としては、実直なことを意味する「律儀」、細かいところまで物事をきちんと行う様子を意味する「几帳面」、言動が礼儀正しく配慮が行き届いていることを意味する「丁寧」があります。

ズボラの類語

ズボラの類語・類義語としては、めんどうがる性質や人を意味する「ものぐさ」、気力に欠けており、すぐに怠けようとすることを意味する「ぐうたら」、いい加減で無責任なことを意味する「ちゃらんぽらん」などがあります。

ガサツの意味

ガサツとは

ガサツとは、細かいところまで気が回らずに言葉や動作が荒っぽく落ち着きがない様子を意味しています。

ガサツの語源

動作や態度が落ち着かないことを意味する「がさつく」という動詞が、形容動詞に形を変えた形が「がさつ」です。

もとは、がさがさと音を立てることを表す時に使う言葉で、転じて動作や態度が落ち着かないことを意味するようになり、「がさつ」という形に変化しても荒っぽいことを意味するようになりました。

表現方法は「ガサツ女子」「動きがガサツ」「ガサツな人」

ガサツを使った表現として、「ガサツ女子」「動きがガサツ」「ガサツな人」などがあります。形容詞と同じように使うため、基本的に名詞や動詞と一緒に使います。

ガサツの対義語

ガサツの対義語・反対語としては、細かいことまでいちいち気に病む様子を意味する「神経質」、感情などが細やかなことを意味する「繊細」、品位があり心惹かれるような心遣いが感じられる様子「奥ゆかしい」があります。

ガサツの類語

ガサツの類語・類義語としては、やり方や扱い方が荒っぽく雑であることを意味する「乱暴」、言動が下品であらあらしく洗練されていないことを意味する「粗野」、教養がなく粗野なことを意味する「野蛮」などがあります。

面倒くさがりの意味

面倒くさがりとは

面倒くさがりとは、何事も怠けてやるべきことをやらない人を意味しています。

面倒くさがりの語源

面倒くさがりは「面倒くさい」という言葉に、そのように感じる、そのように振舞うという意味を他の言葉に持たせることができる接尾語の「がる」がついた形です。

また、「面倒くさい」の「くさい」も接尾語で、前に付く語のような様子であることを意味したり、程度を表す単語です。他にも、「邪魔くさい」「胡散くさい」「ケチくさい」などの言い方をすることができます。

表現方法は「面倒くさがり屋」「面倒くさがりな人」「面倒くさがりな性格」

「面倒くさがり屋」「面倒くさがりな人」「面倒くさがりな性格」などが、面倒くさがりを使った一般的な言い回しです。

面倒くさがりの対義語

面倒くさがりの対義語・反対語としては、仕事や学業などに真面目に励むことを意味する「精勤」、仕事や勉強などに一生懸命に励むことを意味する「勤勉」があります。

面倒くさがりの類語

面倒くさがりの類語・類義語としては、人の行いなどにしまりがなくだらしないことを意味する「自堕落」、軽薄で向こう見ずであることを意味する「能天気」、からだを動かし物事をするのを面倒くさがることを意味する「不精」などがあります。

ズボラの例文

1.時短料理やズボラ飯と呼ばれるような、時間があまり掛からない調理方法を教えてくれる動画は需要が高いように感じる。
2.ズボラ女子という言葉をたまに聞くが、楽をできるところは積極的に楽をするべきだと思う。
3.いくらズボラという言葉が前向きに捉えられているとは言えど、やるべきことはしっかりとやらなければならない。

この言葉がよく使われる場面としては、行動や性格がだらしのない人を意味する時などが挙げられます。

例文2の「ズボラ女子」のように「ズボラ男子」という言い方をすることもできます。

ガサツの例文

1.この作業はガサツな人ではなく手先が器用で繊細な作業が得意な人に任せなければならない。
2.確かにガサツな人間よりも心配りを忘れない人間の方が好かれるのは間違いないだろう。
3.時にガサツさは、扉の開閉などで大きな音を立ててしまうことなどから他人を驚かせてしまう。

この言葉がよく使われる場面としては、細かいところまで気が回らずに言葉や動作が荒っぽく落ち着きがない様子を意味する時などが挙げられます。

例文3の「ガサツさ」のように性質を表す時にも使うことができるため、他の名詞や動詞を伴わずとも使うことができます。

面倒くさがりの例文

1.父はいつも面倒くさがって夕食の準備を手伝わないが、ついに今晩、母は父の食事の配膳をしなかったため父も反省したらしい。
2.面倒くさがりの弟をやる気にさせるために、夕飯は好きな料理にすると話をしたらすぐに宿題に取り掛かってくれた。
3.お菓子作りの工程を面倒くさがった結果、できあがったものの質がいつもより悪かったため次からはちゃんとやろうと思った。

この言葉がよく使われる場面としては、何事も怠けてやるべきことをやらない人を意味する時などが挙げられます。

例文1や例文3のように「面倒くさがる」という動詞に変化させて使うこともできます。

ズボラとガサツと面倒くさがりどれを使うか迷った場合は、だらしない様子を表す場合は「ズボラ」を、荒っぽい様子を表す場合は「ガサツ」を、怠ける様子を表す場合は「面倒くさがり」を使うと覚えておけば間違いありません。

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