似た意味を持つ「ごもっとも」と「もっとも」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ごもっとも」と「もっとも」という言葉は、どちらも道理に適っていることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ごもっとも」と「もっとも」の違い
「ごもっとも」と「もっとも」の意味の違い
「ごもっとも」と「もっとも」の違いを分かりやすく言うと、「ごもっとも」の方が「もっとも」よりも丁寧な表現という違いです。
「ごもっとも」と「もっとも」の使い方の違い
一つ目の「ごもっとも」を使った分かりやすい例としては、「それはごもっともな質問です」「あなたの意見はごもっともだと思いました」「お腹立ちはごもっともですが、何卒ご容赦願います」「あなたの言うことはごもっともだと思います」などがあります。
二つ目の「もっとも」を使った分かりやすい例としては、「彼の発言はもっともな言い分だ」「もっとも彼女の意見が正しいとは言えない」「彼のことをみんな避けるのはもっともだ」「この激辛カレーは美味しい、もっとも苦手な人もいるようです」などがあります。
「ごもっとも」と「もっとも」の使い分け方
「ごもっとも」と「もっとも」はどちらも道理に適っていることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ごもっとも」は相手が「もっとも」と思うのを敬った表現、つまり「もっとも」よりも丁寧な表現というのが違いです。
また、「もっとも」は道理に適っていることだけではなく、「忘年会はみんな参加する、もっとも行かない人も数名いるが」のように、前の事柄を肯定しつつ、一部相反する内容を補足する表現としても使えるというのも違いの一つになります。
「ごもっとも」と「もっとも」の英語表記の違い
「ごもっとも」も「もっとも」も英語にすると、「well」「right」「correct」となり、例えば上記の「あなたの言うことはごもっともだと思います」を英語にすると「We think what you say is right」となります。
「ごもっとも」の意味
「ごもっとも」とは
「ごもっとも」とは、相手が「もっとも」と思うのを敬うことを意味しています。
「ごもっとも」の漢字表記
「ごもっとも」を漢字にすると、「御尤も」と表記することができますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「ごもっとも」を使うようにしましょう。
表現方法は「ごもっともな意見」「ごもっともです」「ごもっともなご指摘」
「ごもっともな意見」「ごもっともです」「ごもっともなご指摘」などが、「ごもっとも」を使った一般的な言い回しになります。
「ごもっとも」の使い方
「ごもっとも」を使った分かりやすい例としては、「お客様のおっしゃられていることはごもっともです」「この条例に反対意見が出るのはごもっともです」「ごもっともなご意見をありがとうございます」「貴殿の考えはごもっともで返す言葉もございません」などがあります。
「ごもっとも」は道理に適っていること意味する「もっとも」に、接頭語の「ご」が合わさり、相手が「もっとも」と思うのを敬うことの意味で使われている言葉です。
「ごもっとも」は目上の人にも使える
つまり、「もっとも」を丁寧にした表現なので、目上の人に対しても使うことができると覚えておきましょう。また、さらに丁寧に表現したいのであれば、「ごもっとでございます」「ごもっともです」などとすることができます。
「ごもっとも」の類語
「ごもっとも」の類語・類義語としては、特定の人が言っている通りであることを意味する「おっしゃる通り」、相手が感じていることと完全に同じなことを意味する「全く同感です」などがあります。
「もっとも」の意味
「もっとも」とは
「もっとも」とは、道理に適っていることを意味しています。その他にも、前の事柄を肯定しつつ、一部相反する内容を補足することの意味も持っています。
「もっとも」の漢字表記
「もっとも」を漢字にすると、「尤も」と表記することができますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「もっとも」を使うようにしましょう。
表現方法は「もっともらしい」「もっともな意見」「もっともな理由」
「もっともらしい」「もっともな意見」「もっともな理由」などが、「もっとも」を使った一般的な言い回しになります。
「もっとも」の使い方
「彼女が激怒するのはもっともだと思うよ」「あなたの選択はもっともだと思います」などの文中で使われている「もっとも」は、「道理に適っていること」の意味で使われています。
一方、「彼は叙々苑が大好きだが、もっとも食べることはあまりありません」「こってりラーメンは美味しい、もっとも苦手な人もいるようです」などの文中で使われている「もっとも」は、「前の事柄を肯定しつつ、一部相反する内容を補足する」の意味で使われています。
「もっとも」は道理に適っていることと、前の事柄を肯定しつつ、一部相反する内容を補足することの二つの意味の持つ言葉で、どちらの意味でも使われています。
前者の道理に適っていることの意味で使う場合は、主に名詞や形容動詞になります。一方、後者の前の事柄を肯定しつつ、一部相反する内容を補足することの意味で使う場合は、接続詞として使うと覚えておきましょう。
「もっとも」は目上の人に適していない
「もっとも」は様々な場面で使える言葉ですが、相手を敬っている表現ではないので目上の人に対して使うのはあまり適していません。もし、目上の人に使いたいのであれば、敬っている表現のある「ごもっとも」を使うのが適切です。
「もっとも」の類語
「もっとも」の類語・類義語としては、そうるすあるべきであることを意味する「当たり前」、そうなるのが当たり前であることを意味する「当然」などがあります。
「ごもっとも」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手が「もっとも」と思うのを敬うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ごもっとも」は目上の人に対しても使うことができる言葉です。
「もっとも」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、道理に適っていることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、前の事柄を肯定しつつ、一部相反する内容を補足することを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「もっとも」は道理に適っていること、例文3から例文5の「もっとも」は前の事柄を肯定しつつ、一部相反する内容を補足することの意味で使っています。
「ごもっとも」と「もっとも」はどちらも道理に適っていることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「ごもっとも」の方が「もっとも」よりも丁寧な表現と覚えておきましょう。