似た意味を持つ「ご一報ください」(読み方:ごいっぽうください)と「ご一報いただけますと幸いです」(読み方:ごいっぽういただけるとさいわいです)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ご一報ください」と「ご一報いただけますと幸いです」という言葉は、どちらも連絡して欲しいとお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ご一報ください」と「ご一報いただけますと幸いです」の違い
「ご一報ください」と「ご一報いただけますと幸いです」の意味の違い
「ご一報ください」と「ご一報いただけますと幸いです」の違いを分かりやすく言うと、「ご一報ください」は目上の人に対して使うのは避けた方がいい表現、「ご一報いただけますと幸いです」は目上の人に対して使っても問題ない表現という違いです。
「ご一報ください」と「ご一報いただけますと幸いです」の使い方の違い
一つ目の「ご一報ください」を使った分かりやすい例としては、「詳細が分かりましたらご一報ください」「最寄り駅に到着しましたらご一報ください」「水曜日の午後までにご一報ください」などがあります。
二つ目の「ご一報いただけますと幸いです」を使った分かりやすい例としては、「まずは出席の有無をご一報いただけますと幸いです」「何卒ご一報いただけますと幸いです」「お忙しいところ恐縮ですがご一報いただけますと幸いです」などがあります。
「ご一報ください」と「ご一報いただけますと幸いです」の使い分け方
「ご一報ください」と「ご一報いただけますと幸いです」はどちらも連絡して欲しいとお願いすることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ご一報ください」は、正しい敬語表現ではあるものの、やや命令文口調である「ください」を使っているので、親しい上司、目下の人、立場が同等な人に対して使っても何も問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に使うのは避けた方がいい言葉になります。
一方、「ご一報いただけますと幸いです」はもらうの謙譲語「いただく」に、ありがたいことの丁寧な表現である「幸いです」が合わさったとても柔らかい表現になります。そのため、目上の人に対して使って問題ない言葉です。
つまり、「ご一報ください」は目上の人に対して使うのは避けた方がいい表現なのに対して、「ご一報いただけますと幸いです」は目上の人に対して使っても問題ない表現というのが違いになります。
「ご一報ください」と「ご一報いただけますと幸いです」の英語表記の違い
「ご一報ください」も「ご一報いただけますと幸いです」も英語にすると「Please let me know」「Please respond」「Please inform」となり、例えば上記の「水曜日の午後までにご一報ください」を英語にすると「Please let me know by Wednesday afternoon」となります。
「ご一報ください」の意味
「ご一報ください」とは
「ご一報ください」とは、一度連絡して欲しいとお願いすることを意味しています。
「ご一報ください」の漢字表記
「ご一報ください」の「ください」を漢字にして、「ご一報下さい」とするのはあまり好ましくありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「ご一報ください」を使うようにしましょう。
「ご一報ください」の使い方
「ご一報ください」を使った分かりやすい例としては、「何か異常を感じましたらご一報ください」「何かお気づきの点がありましたらご一報ください」「良い案が思いつきましたらご一報ください」「荷物を受け取られましたらご一報ください」などがあります。
「ご一報ください」は、 一度告げ知らせることを意味する「一報」に、接頭語の「ご」と、相手に物や何かを請求することを意味する「ください」が合わさり、一度連絡して欲しいとお願いすることの意味で使われている言葉です。
「ご一報ください」は目上の人に対しては避けた方がいい表現
「ご一報ください」は丁寧な表現ではあるものの、目上の人に対して使うのは避けた方がいい表現になっています。なぜなら、「ください」という表現が命令形であるため、不快に思う人もいるからです。
もし、目上の人に対して使いたいのであれば「ご一報ください」ではなく、「ご一報いただけますと幸いです」や「ご一報いただければと存じます」などを使うようにしましょう。
「ご一報ください」の類語
「ご一報ください」の類語・類義語としては、知らせて欲しいとお願いすることを意味する「お知らせください」、連絡して欲しいとお願いすることを意味する「ご連絡ください」、返信をして欲しいことを意味する「ご返信ください」などがあります。
「ご一報いただけますと幸いです」の意味
「ご一報いただけますと幸いです」とは
「ご一報いただけますと幸いです」とは、一度連絡していくれると嬉しことを意味しています。
「ご一報頂けますと幸いです」は誤用
「ご一報いただけますと幸いです」を漢字にして、「ご一報頂けますと幸いです」とするのは誤用です。
ではなぜ誤用かと言うと、「ご一報いただけますと幸いです」の「いただけますと」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
「ご一報いただけますと幸いです」の使い方
「ご一報いただけますと幸いです」を使った分かりやすい例としては、「度々恐れ入りますがご一報いただけますと幸いです」「こちらのメールをご覧になりましたらご一報いただけますと幸いです」「ご多忙とは存じておりますがご一報いただけますと幸いです」などがあります。
「ご一報いただけますと幸いです」は、一度告げ知らせることを意味する「一報」に、接頭語の「ご」、もらうの謙譲語である「いただく」、その人にとって望ましくありがたいことを意味する「幸い」、丁寧語の「です」が合わさった言葉です。
したがって、「ご一報いただけますと幸いです」はとても丁寧な表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うこともできます。
「ご一報いただけますと幸いです」はクッション言葉
「お手数をかけしますがご一報いただけますと幸いです」「ご多忙の中大変恐縮ですがご一報いただけますと幸いです」などのように、クッション言葉とセットで使うことで相手により良い印象を与えることも可能です。
クッション言葉とは、伝えたい本題に入る前に一言添えて気遣いを示す言葉のことを意味しています。
「ご一報いただけますと幸いです」の類語
「ご一報いただけますと幸いです」の類語・類義語としては、連絡してくれるととても嬉しく思うことを意味する「ご一報いただけますと幸甚に存じます」があります。
「ご一報ください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一度連絡して欲しいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ご一報ください」は目上の人に対して使うのは避けた方がいい表現になります。
「ご一報いただけますと幸いです」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ご一報いただけますと幸いです」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「ご一報ください」と「ご一報いただけますと幸いです」はどちらも連絡して欲しいとお願いすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に対して使いにくいのが「ご一報ください」、目上の人に使っても問題なのが「ご一報いただけますと幸いです」と覚えておきましょう。