似た意味を持つ「セレンディピティ」と「シンクロニシティ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「セレンディピティ」と「シンクロニシティ」という言葉は、「偶然の一致」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
セレンディピティとシンクロニシティの違い
セレンディピティとシンクロニシティの意味の違い
セレンディピティとシンクロニシティの違いを分かりやすく言うと、セレンディピティは偶然の幸運にのみに使い、シンクロニシティは偶然の幸運にも不運にも使うという違いです。
セレンディピティとシンクロニシティの使い方の違い
一つ目のセレンディピティを使った分かりやすい例としては、「セレンディピティを求めるよりも己の技術に自信を持つべきだ」「セレンディピティは成功した学者には付き物だ」「失敗から成功を得るためにセレンディピティを欲する」などがあります。
二つ目のシンクロニシティを使った分かりやすい例としては、「シンクロニシティの概念を説明するのは子どもには難しい」「シンクロニシティは願い事が叶うサインなのだろうか」「シンクロニシティがなぜ起こるのか考えても分からなかった」などがあります。
セレンディピティとシンクロニシティの使い分け方
セレンディピティとシンクロニシティはどちらも、偶然の一致を表す言葉ですが、意味合いが若干異なります。
セレンディピティは、偶然素敵なものに出会うことや予想外の価値のあるものを見つけることを表す言葉で、偶然の産物を幸運にも引き寄せる能力を指す言葉としても使われています。
一方のシンクロニシティは、二つ以上の関係がない物事が意味のある偶然の一致を見せることを意味する言葉で、それは良い出来事だけでなく悪い出来事に対しても使われます。
つまり、セレンディピティは良い出来事が起きた場合に使われ、シンクロニシティは良い出来事だけでなく悪い出来事が起きた場合にも使われるという違いがあります。
セレンディピティとシンクロニシティの英語表記の違い
セレンディピティを英語にすると「serendipity」となり、例えば上記の「セレンディピティを求める」を英語にすると「look for serendipity」となります。
一方、シンクロニシティを英語にすると「synchronicity」となり、例えば上記の「シンクロニシティの概念」を英語にすると「the concept of synchronicity」となります。
セレンディピティの意味
セレンディピティとは
セレンディピティとは、偶然にも思いがけない発見する能力を意味しています。
セレンディピティの使い方
セレンディピティを使った分かりやすい例としては、「セレンディピティがビジネスで生かされた時新しい商品が生まれる」「彼女はセレンディピティを引き寄せる女神とさえ呼ばれる」「様々なところでセレンディピティが意識されている」などがあります。
その他にも、「セレンディピティを体験できるかは普段の思考力に関係するだろう」「セレンディピティに恵まれてこの企画は前に進むことができた」「人に話をすることで物事の整理がつきセレンディピティを呼び寄せることにつながる気がする」などがあります。
セレンディピティは英語で「serendipity」と表記され、「思わぬものを偶然発見する才能」といった意味で使われていますが、1754年にイギリスで生まれた造語です。日本語でも同じ意味で使われ、「セレンディーピティー」と表記されることもあります。
セレンディピティの由来
『セレンディップの3人の王子』というペルシャの童話に出てくる王子たちが、意外な出来事に出くわしては思いがけない発見をすることに由来しており、「セレンディップ」という語に、状態や性質を表す接尾辞である「ity」を組み合わせて用いられた語です。
ただし、偶然物事が上手く進むことではなく、失敗などから見落としをせずに新しい発見をすることで成功を掴み取ることができる能力を指すため、科学的な発見などが語られる際に使われることが多い言葉です。
セレンディピティの対義語
セレンディピティの対義語・反対語としては、予想外の出会いがないことを意味する「ゼンブラニティ」、他者の行いを自分もして必然のところで発見をする能力を意味する「ジャパニティ」があります。
セレンディピティの類語
セレンディピティの類語・類義語としては、すばらしい考えなどが瞬間的に思い浮かぶことを意味する「ひらめき」、物事を見抜く能力を意味する「洞察力」、思いがけない幸運を得ることを意味する「棚から牡丹餅」などがあります。
シンクロニシティの意味
シンクロニシティとは
シンクロニシティとは、意味のある偶然の一致を意味しています。
シンクロニシティの使い方
シンクロニシティを使った分かりやすい例としては、「シンクロニシティは波動が合わなければ起きない」「シンクロニシティが続けば幸運が訪れると言われている」「シンクロニシティはスピリチュアルなものだと思っていた」などがあります。
その他にも、「元恋人と復縁したいとお互いが思っていたなんてシンクロニシティが本当にあるとは思わなかった」「シンクロニシティは恋愛で意識されやすい」「先日のシンクロニシティが前兆だったのかもしれない」などがあります。
シンクロニシティは英語で「synchronicity」と表記され、「共時性」「同時発生」といった意味を持つ言葉です。心理学者のユングによって提唱された、因果関係のない事象が類似しているような偶然の一致を指すという概念です。
人間は、個人的ではなく、周囲の同じ種族の共通する経験や意識が無意識的に優先され、普遍的と考える集合的無意識を持って交流しているとユングは考え、これによって偶然ではなく共に出来事を起こしているとして、シンクロニシティを提唱しました。
しかし今日では、カップを割ってしまった同時期に全く関係のない場所で友人や身内に不幸があったり、自分がくしゃみをした時には誰かが自分のうわさをどこかでしているなどといった、関係のない二つの出来事が偶然同時に起こることを指す場合に使われます。
また、占いなどのスピリチュアルな事例に関する用語として、この事象が起きる関係性は、友人であれば「ソウルメイト」を、同性であれば「ライトワーカー」を、異性であれば「ツインレイ」を用いて表されることがあります。
シンクロニシティの類語
シンクロニシティの類語・類義語としては、同時に存在できない異なる二つ以上のものを一つの画面に表すことを意味する「同時性」、他と同じ意見や態度になることを意味する「同調」、二つ以上の事が同時に起こることを意味する「併発」などがあります。
セレンディピティの例文
この言葉がよく使われる場面としては、偶然にも思いがけない発見する能力を意味する時などが挙げられます。
例文2や例文3のように、失敗や経験則から新たなひらめきを引き寄せて成功へとつなげる洞察力を必要とする幸運であるため、その点は「棚から牡丹餅」とは異なります。
シンクロニシティの例文
この言葉がよく使われる場面としては、意味のある偶然の一致を意味する時などが挙げられます。
例文1の「シンクロニシティ現象」とは、偶然起きたはずの出来事が特別な意味を持つこととして起こる現象を指す言葉です。
セレンディピティとシンクロニシティは、どちらも「偶然の一致」を表します。どちらを使うか迷った場合は、偶然の幸運のみを表す場合は「セレンディピティ」を、偶然の幸運にも不運を表す場合は「シンクロニシティ」を使うと覚えておけば間違いありません。