似た意味を持つ「案じております」(読み方:あんじております)と「心配しております」(読み方:しんぱいしております)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「案じております」と「心配しております」という言葉は、どちらも相手のことを心配していることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「案じております」と「心配しております」の違い
「案じております」と「心配しております」の意味の違い
「案じております」と「心配しております」の違いを分かりやすく言うと、「案じております」は目上の人に使える、「心配しております」は目上の人に使えないという違いです。
「案じております」と「心配しております」の使い方の違い
一つ目の「案じております」を使った分かりやすい例としては、「進歩状況はいかがかと案じております」「メールの返事がないので何かあったかと案じております」「体調はいかがかと案じております」などがあります。
二つ目の「心配しております」を使った分かりやすい例としては、「先生のことをみんな心配しております」「何か事件に巻き込まれたのではないかと心配しております」「声に元気がないので何かあったのではないかと心配しております」などがあります。
「案じております」と「心配しております」の使い分け方
「案じております」と「心配しております」はどちらも相手のことを心配していることを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「案じております」は「心配しております」よりも丁寧な表現で、相手を気にかけるニュアンスが強いため、目上の人に対して使うことができます。
一方、「心配しております」の「心配」は 物事の先行きなどを気にして心を悩ますことを意味する言葉ですが、目下の人が目上の人に対して使うにはあまり適していない表現になります。
したがって、「案じております」は目上の人に使えるのに対して、「心配しております」は目上の人に使えないというのが違いです。
「案じております」と「心配しております」の英語表記の違い
「案じております」も「心配しております」も英語にすると「I’m worried」「I am concerned」となります。
「案じております」の意味
「案じております」とは
「案じております」とは、相手のことを心配していることを意味しています。
表現方法は「大変案じております」「御身を案じております」「お体を案じております」
「大変案じております」「御身を案じております」「お体を案じております」などが、「案じております」を使った一般的な言い回しになります。
「案じております」の使い方
「案じております」を使った分かりやすい例としては、「何か事故に巻き込まれたのではないかと案じております」「天皇陛下は国民のことを案じております」「あまりにもお戻りが遅いので身を案じております」「進捗はいかがかと案じております」などがあります。
「案じております」は、心配することを意味する「案じる」に、「いる」の丁重語「おる」に丁寧語の「ます」が合わさり、相手のことを心配していることの意味で使われている言葉です。
「案じております」は目上の人に使える
「案じております」は敬語表現であり相手への敬意を表しているので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの、目上の人に対して使うことができます。
また、本当に心配している場合だけはなく社交辞令としても使うことがあると覚えておきましょう。
「案じております」の特徴
「案じております」は相手の身を案じる場合だけではなく、「進歩はいかがかと案じております」のように、納期に間に合うか心配する場合にも使うことができるというのが特徴です。
「案じております」の類語
「案じております」の類語・類義語としては、心にとめて考えることを意味する「気に掛けております」、心配することを意味する「憂慮しております」などがあります。
「心配しております」の意味
「心配しております」とは
「心配しております」とは、相手のことを心配していることを意味しています。
表現方法は「体調を心配しております」「大変心配しております」「とても心配しております」
「体調を心配しております」「大変心配しております」「とても心配しております」などが、「心配しております」を使った一般的な言い回しになります。
「心配しております」の使い方
「心配しております」を使った分かりやすい例としては、「体調の方は大丈夫かと心配しております」「メールの返事が中々こないので心配しております」「上京した娘を心配しております」「寒い日が続いてるので体調の方を心配しております」などがあります。
「心配しております」は物事の先行きなどを気にして心を悩ますことを意味する「心配」に、「いる」の丁重語「おる」に丁寧語の「ます」が合わさり、相手のことを心配していることの意味で使われている言葉です。
「心配しております」は目上の人に対して適していない
「心配しております」は丁寧な表現であるものの、目上の人に対して使うのはあまり適していないと覚えておきましょう。
なぜなら、心配は基本的に目上の人から目下の人に対して使う言葉であり、目下の人から目上の人対して使うのは失礼と感じる人が多いからです。
もし、目上の人に対して心配していることを伝えたいのであれば、より丁寧な表現である「案じております」の方を使うようにしましょう。
「心配しております」の類語
「心配しております」の類語・類義語としては、気がかりで落ち着かないことを意味する「不安に思っております」があります。
「案じております」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手のことを心配していることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「案じております」は目上の人に対して使うことができる言葉です。
「心配しております」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手のことを心配していることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「心配しております」は目上の人に対してはあまり適していない言葉です。
「案じております」と「心配しております」はどちらも相手のことを心配していることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に対して使えるのが「案じております」、目上の人に対して使えないのが「心配しております」と覚えておきましょう。