似た意味を持つ「美しい」(読み方:うつくしい)と「綺麗」(読み方:きれい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「美しい」と「綺麗」という言葉は、どちらも姿や形などが整っていて鮮やかで快く感じられるようなことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「美しい」と「綺麗」の違い
「美しい」と「綺麗」の意味の違い
「美しい」と「綺麗」の違いを分かりやすく言うと、「美しい」は内面的な好ましさについて使われることが多い、「綺麗」は外面的な清潔さや鮮やかさに使われることが多いという違いです。
「美しい」と「綺麗」の意味の違い
一つ目の「美しい」を使った分かりやすい例としては、「彼女は美しく着飾っていました」「彼は男性だが美しい顔をしています」「とても美しい話を聞けて良かったです」「彼は美しい心の持ち主です」「ここからの眺めはとても美しい」などがあります。
二つ目の「綺麗」を使った分かりやすい例としては、「友人の彼女がとても綺麗です」「花が綺麗に咲いています」「彼女の書く字はとても綺麗です」「泳ぐなら綺麗な海がいいです」「クリスマスライトが綺麗ですね」などがあります。
「美しい」と「綺麗」の使い分け方
「美しい」と「綺麗」はどちらも姿や形などが整っていて鮮やかで快く感じられるようなことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「美しい」は「これは美しい友情です」「美しいプレーで観客を魅了する」などのように内面的な好ましさについて使われることが多い言葉になります。これを「これは綺麗な友情です」「綺麗なプレーで観客を魅了する」などのように「綺麗」に置き換えることはできません。
一方、「綺麗」は「部屋を綺麗に掃除する」「この川はとても綺麗です」などのように外面的な清潔さや鮮やかさに使われることが多いです。これを「部屋を美しく掃除する」「この川はとても美しいです」などのように「美しい」で置き換えることはできません。
したがって、内面的な好ましさについて使われることが多いのが「美しい」、外面的な清潔さや鮮やかさに使われることが多いのが「綺麗」と覚えておきましょう。
また、「美しい人」「綺麗な人」や「彼女は歯並びが美しい」「彼女は歯並びが綺麗だ」などのように、どちらの言葉でも使える場合もあります。
「美しい」と「綺麗」の英語表記の違い
「美しい」を英語にすると「beautiful」「pretty」「lovely」となり、例えば上記の「ここからの眺めはとても美しい」を英語にすると「The view from here is truly beautiful」となります。
一方、「綺麗」を英語にすると「pretty」「beautiful」「gorgeous」「amazing」となり、例えば上記の「クリスマスライトが綺麗ですね」を英語にすると「The Christmas lights look amazing」となります。
「美しい」の意味
「美しい」とは
「美しい」とは、色や形などの調和がとれていて快く感じられることを意味しています。その他にも、きちんとして感じが良いこと、清らかで混じり気がないことの意味も持っています
表現方法は「美しい女性」「美しい漢字」
「美しい女性」「美しい漢字」などが、「美しい」を使った一般的な言い回しになります。
「美しい」の使い方
「彼の歌声はとても美しいです」「若く美しい女性に目を奪われました」などの文中で使われている「美しい」は、「色や形などの調和がとれていて快く感じられること」の意味で使われています。
一方、「町並みが美しいので住んでみたいです」「美しい友情に憧れています」などの文中で使われている「美しい」は、「きちんとして感じが良いことや清らかで混じり気がないこと」の意味で使われています。
「美しい」は複数の意味を持つ形容詞です。形容詞とは、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使う言葉になります。
「美しい」の特徴
「美しい」は「美しい女性」「美しい音色」などのように物理的なものだけではなく、「美しい友情」「美しい生き様」などのように、人の行為や態度などの内面的な好ましさについて使うことができるというのが特徴です。
また、「美しい」は基本的にプラスのイメージを伴っています。
「美しい」は広く一般的に使われている言葉ですが、日常的な話し言葉においては「綺麗」や「麗しい」などに置き換えて使われることが多いと覚えておきましょう。
「美しい」の対義語
「美しい」の対義語・反対語としては、顔や姿形が良くないことを意味する「醜い」があります。
「美しい」の類語
「美しい」の類語・類義語としては、形や容姿などが目に快く映ることを意味する「麗しい」、心身に不快に感じられるところがなく気持ちがいいことを意味する「快適」、さっぱりとしていて気持ちが良いことを意味する「爽やか」などがあります。
「綺麗」の意味
「綺麗」とは
「綺麗」とは、色や形などが華やかな美しさを持っていることを意味しています。
その他にも、姿や顔かたちが整っていて美しいこと、声などが快く聞こえること、汚れがなく清潔なこと、肉体的な交渉がないこと、乱れたところがないこと、残りなく物事が行われることの意味も持っています。
表現方法は「綺麗な女性」「綺麗な人」
「綺麗な女性」「綺麗な人」などが、「綺麗」を使った一般的な言い回しになります。
「綺麗」の使い方
「綺麗な花には棘があるらしい」「綺麗な肌の人が羨ましいです」などの文中で使われている「綺麗」は、「色や形などが華やかな美しさを持っていることや姿や顔かたちが整っていて美しいこと」の意味で使われています。
一方、「彼女の歌声はとても綺麗だ」「トイレは綺麗に使うように心掛けたいです」などの文中で使われている「綺麗」は、「声などが快く聞こえることや汚れがなく清潔なこと」の意味で使われています。
「綺麗」は複数の意味を持つ言葉ですが、どの意味でも使われています。
「綺麗」の特徴
「綺麗」は「この川は綺麗な水だ」「綺麗な空気が嬉しいです」などのように、外面的な清潔さや鮮やかさに使われることが多いというのが特徴です。また、「綺麗さっぱり忘れる」のような、残りなく物事が行われるという特殊な使い方もすることができます。
「綺麗」は広く一般的に使われている言葉ですが、特に日常的な話し言葉においてはよく使われていると覚えておきましょう。
「綺麗」の対義語
「綺麗」の対義語・反対語としては、汚れていてそれに触れたくない気持ちを起こさせることを意味する「汚い」があります。
「綺麗」の類語
「綺麗」の類語・類義語としては、汚れやくもりがなく美しいことを意味する「清い」、汚れがなく澄みきって美しいことを意味する「清らか」、汚れがないことを意味する「清潔」などがあります。
「美しい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、色や形などの調和がとれていて快く感じられることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、きちんとして感じが良いこと、清らかで混じり気がないことを表現したい時にも使います。
例文1から例文3は色や形などの調和がとれていて快く感じられること、例文4はきちんとして感じが良いこと、例文5は清らかで混じり気がないことの意味で使っています。
「綺麗」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、色や形などが華やかな美しさを持っていることを表現したい時などが挙げられます。
その他にも、姿や顔かたちが整っていて美しいこと、声などが快く聞こえること、汚れがなく清潔なこと、肉体的な交渉がないこと、乱れたところがないこと、残りなく物事が行われることを表現したい時にも使います。
例文1は色や形などが華やかな美しさを持っていること、例文2は姿や顔かたちが整っていて美しいこと、例文3は汚れがなく清潔なこと、例文4は乱れたところがないこと、例文5は残りなく物事が行われることの意味で使っています。
「美しい」と「綺麗」はどちらも姿や形などが整っていて鮮やかで快く感じられるようなことを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、内面的な好ましさについて使われることが多いのが「美しい」、外面的な清潔さや鮮やかさに使われることが多いのが「綺麗」と覚えておきましょう。