似た意味を持つ「養生なさってください」(読み方:ようじょうなさってください)と「養生してください」(読み方:ようじょうしてください)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「養生なさってください」と「養生してください」という言葉は、どちらも病気の回復に専念してほしいとお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「養生なさってください」と「養生してください」の違い
「養生なさってください」と「養生してください」の意味の違い
「養生なさってください」と「養生してください」の違いを分かりやすく言うと、「養生なさってください」は目上の人に使える、「養生してください」は目上の人に使えないという違いです。
「養生なさってください」と「養生してください」の使い方の違い
一つ目の「養生なさってください」を使った分かりやすい例としては、「完治するために養生なさってください」「しばらくは無理なさらずに養生なさってください」「何も考えずに養生なさってください」などがあります。
二つ目の「養生してください」を使った分かりやすい例としては、「暑い日が続いておりますのでくれぐれも養生してください」「無理はなさらず養生してください」「十分に回復するまでは養生してください」などがあります。
「養生なさってください」と「養生してください」の使い分け方
「養生なさってください」と「養生してください」はどちらも病気の回復に専念してほしいとお願いすることを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「養生なさってください」は「する」の尊敬語である「なさる」を使用しておりとても丁寧な表現であるため、目上の人に対して使うことができます。
一方、「養生してください」は「してください」という命令形の形をしているため、目上の人に対して使うのはあまり適していません。
つまり、目上の人に対して使えるのが「養生なさってください」、目上の人に対して使えないのが「養生してください」と覚えておきましょう。
「養生なさってください」と「養生してください」の英語表記の違い
「養生なさってください」も「養生してください」直訳した英語表現はありませんが、近い表現として「Take care of yourself」「Please take good care of yourself」などがあります。
「養生なさってください」の意味
「養生なさってください」とは
「養生なさってください」とは、病気の回復に専念してほしいとお願いすることを意味しています。
表現方法は「ご養生なさってください」「ゆっくり養生なさってください」
「ご養生なさってください」「ゆっくり養生なさってください」などが、「養生なさってください」を使った一般的な言い回しになります。
「養生なさってください」の使い方
「養生なさってください」を使った分かりやすい例としては、「皆心配しておりますので養生なさってください」「引継ぎは問題ありませんので養生なさってください」「この件はこちらで解決しますので養生なさってください」などがあります。
「養生なさってください」は病気の回復に務めることを意味する「養生」に、「する」の尊敬語「なさる」と、「くれ」の丁寧語の「ください」が合わさり、病気の回復に専念してほしいとお願いすることの意味で使われている言葉です。
「養生なさってください」は目上の人に使える
「養生なさってください」は敬語表現を用いたとても丁寧な表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うこともできます。
「養生なさってください」の特徴
また「養生なさってください」は病気や怪我をした人へのお見舞いの気持ちと、病気や怪我をした人へ回復に専念してほしいと願う二通りのニュアンスで使うことができるというのが特徴です。
「養生なさってください」の類語
「養生なさってください」の類語・類義語としては、体を大事にして早く元気になってほしいことを意味する「お大事になさってください」、ゆっくり休んでほしいことを意味する「ご静養なさってください」などがあります。
「養生してください」の意味
「養生してください」とは
「養生してください」とは、病気の回復に専念してほしいとお願いすることを意味しています。
表現方法は「ゆっくり養生してください」「しっかり養生してください」
「ゆっくり養生してください」「しっかり養生してください」などが、「養生してください」を使った一般的な言い回しになります。
「養生してください」の使い方
「養生してください」を使った分かりやすい例としては、「寒い日が続いておりますのでくれぐれも養生してください」「仕事のことは忘れて養生してください」「こちらは何も問題なのでゆっくりと養生してください」などがあります。
「養生してください」は病気の回復に務めることを意味する「養生」に、相手に依頼をすることや何かの行為を促することを意味する「してください」が合わさり、病気の回復に専念してほしいとお願いすることの意味で使われている言葉です。
「養生してください」は目上の人に対して使えない
「養生してください」は丁寧な表現ではあるものの、ビジネスシーンにおいては目上の人に対して使うことはできないと覚えておきましょう。
なぜなら「してください」という表現が命令形のニュアンスであるので、目上の人に対して使うのが相応しくないからです。
もし、目上の人に対して使いたいのであれば、正しい敬語表現である「養生なさってください」や「ご養生ください」を使うようにしましょう。
したがって、「養生してください」は立場が同等や目下の人に対して使う言葉です。
「養生してください」の類語
「養生してください」の類語・類義語としては、自分の健康状態を大切にしてほしいことを意味する「ご自愛ください」、相手の健康を願うことを意味する「お労りください」などがあります。
「養生なさってください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、病気の回復に専念してほしいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「養生なさってください」は目上の人に対して使える表現です。
「養生してください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、病気の回復に専念してほしいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「養生してください」は目上の人に対して使えない表現です。
「養生なさってください」と「養生してください」はどちらも病気の回復に専念してほしいとお願いすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に使えるのが「養生なさってください」、目上の人に使えないのが「養生してください」と覚えておきましょう。