【損傷】と【破損】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「損傷」(読み方:そんしょう)と「破損」(読み方:はそん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「損傷」と「破損」という言葉は、どちらも「壊すこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




損傷と破損の違い

損傷と破損の意味の違い

損傷と破損の違いを分かりやすく言うと、損傷とは物を壊すことだけでなく人を体を傷つけることも表し、破損とは物を壊すことのみを表すという違いです。

損傷と破損の使い方の違い

一つ目の損傷を使った分かりやすい例としては、「衝撃によって筋線維や血管が損傷する」「車の損傷個所を詳しく調べる」「退去時に部屋の損傷を回復する」「国土交通省は道路施設の損傷マップを公開しています」などがあります。

二つ目の破損を使った分かりやすい例としては、「大雨で水道管が破損した影響で断水しています」「破損の修理代は損害賠償として請求できますか」「破損したファイルを修復する」「破損したレジストリは削除しました」などがあります。

損傷と破損の使い分け方

損傷と破損という言葉は、どちらも物体を傷つけたり壊したりすることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

損傷とは、そこなわれたり、傷つけられたりすることを意味します。「血管が損傷する」のように人の身体に用いることも、「車の損傷個所」のように物体に対して用いることもできる言葉です。損傷は、内部まで届いた深い傷よりも表面の傷を指すことがほとんどです。

破損とは、傷ついたり、壊れたりすることを意味します。「水道管が破損した」のような使い方で、物に使用する言葉であり、人に対して用いることはできません。破損は物体が部分的に壊れるこということが多く、物体のほぼ全体が壊れることは「損壊」と表現する傾向があります。

つまり、損傷とは物だけでなく人に対しても使用できる言葉であり、破損とは物だけに使用する言葉です。また、損傷よりも破損の方が、傷としてのダメージが大きいことも二つの言葉の明確な違いになります。

損傷と破損の英語表記の違い

「damage」となり、例えば上記の「脳に損傷を受ける」を英語にすると「suffer brain damage」となります。

損傷の意味

損傷とは

損傷とは、人や物などが損なわれ傷つくこと、損ない傷つけることを意味しています。

損傷の読み方

損傷の読み方は「そんしょう」です。誤って「そんきず」「そんけが」などと読まないようにしましょう。

損傷の使い方

損傷を使った分かりやすい例としては、「自然災害により建物に損傷が生じる」「炎症による組織損傷を軽減する」「損傷が激しい遺体は本人確認に時間がかかります」「英語教師はパワハラを受けて精神的損傷を訴えています」などがあります。

その他にも、「ヘリコプターの翼が木に接触して損傷しました」「安全確保のため損傷した建物を解体する」「道路橋などの損傷マップを確認してください」「損傷ミトコンドリアのメカニズムを解明する」などがあります。

損傷の「損」は訓読みで「そこなう」と読み、 減らしたり傷つけたりすることを表し、「傷」は訓読みで「いたむ」「いためる」と読み、物をこわしてだめにすることを表します。損傷とは、傷がつくことや傷をつけることを意味します。

「損傷マップ」の意味

損傷を用いた日本語には「損傷マップ」があります。損傷マップとは、国土交通省が公開する「全国道路構造物情報マップ」のサブタイトルであり、主要道路の橋梁などの点検結果や措置状況などが地図上に表示されたものです。

損傷の対義語

損傷の対義語・反対語としては、壊れたり傷んだりしたものを元の状態にすることを意味する「復旧」、病気が治ることや失ったものを取り戻すことなどを意味する「回復」などがあります。

損傷の類語

損傷の類語・類義語としては、損ないこわすことを意味する「損壊」、物をこわすことや物がこわれることを意味する「毀損」、使って減らすことを意味する「損耗」、過失によって負傷することを意味する「怪我」、損害や損傷を意味する「ダメージ」などがあります。

破損の意味

破損とは

破損とは、壊れたり傷ついたりすること、壊したり傷つけたりすることを意味しています。

破損の使い方

破損を使った分かりやすい例としては、「破損紙幣を銀行の窓口で交換してもらう」「破損したレジストリを修復する」「破損ファイルの修復方法を教えてください」「器物破損と器物損壊の違いをご存知でしょうか」などがあります。

その他にも、「英語の教材を破損してしまいました」「物品破損報告書をエクセルで作成する」「火災保険で破損や汚損は補償されますか」「凍結による給湯器の破損や故障に注意してください」などがあります。

破損の「破」は訓読みで「やぶる」「やぶれる」と読み、 引き裂いたり傷をつけたりして、もとの形をこわすことを表す漢字です。だめにすることや傷つけることを表す「傷」と結びつき、破損とは、なんらかの害を受けて物体が部分的に壊れることを意味します。

表現方法は「器物破損罪」

破損を用いた日本語には「器物破損罪」があります。器物破損罪とは、故意に他人の所有物を壊したり、もしくは使えない状態にした場合に成立する犯罪を意味します。法律上の正式名称は「器物損壊罪」であり、法定刑は3年以下の懲役または30万円以下の罰金または科料です。

破損の対義語

破損の対義語・反対語としては、破損した箇所をつくり直すことを意味する「修復」、こわれた所をつくろい直すことを意味する「修理」などがあります。

破損の類語

破損の類語・類義語としては、建造物や器物あるいは組織などをこわすことを意味する「破壊」、粉々に砕けることや粉々に砕くことを意味する「破砕」、砕いてこわすことを意味する「砕破」、傷ついたり損なわれたりすることを意味する「傷む」などがあります。

損傷の例文

1.大地震で損傷した下水道の復旧工事は、最大1年程度かかるとの見込みです。
2.英語の先生は階段から転んで靱帯を損傷し、しばらく学校をお休みするそうです。
3.車の人身事故とは、被害者が身体的な損傷を受けた場合に分類されます。
4.頭の痛みもなければ記憶障害でもないのに、私が脳損傷とはどういう意味ですか。
5.スポーツが原因で肩や膝関節などが損傷したら、すぐに医療機関に相談しましょう。

この言葉がよく使われる場面としては、そこなわれたり傷つけられたりすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、損傷という言葉は、建物などの物体や人の体について用いることができます。

破損の例文

1.万が一の破損や故障に備えて、スマートフォンのデータをバックアップしています。
2.図書館で借りた本が破れていたので、カウンターの方に破損部分を伝えました。
3.未使用であっても、汚損または破損している収入印紙は交換することができません。
4.宅配便で届いた荷物が破損している場合は、早急に配送業者に連絡してください。
5.スーツケースにしまっておいた英語の翻訳機を取り出したら、画面が破損していました。

この言葉がよく使われる場面としては、建物や道具などが傷ついたり部分的にこわれたりすることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある破損と故障の違いは、破損は物理的な損傷を受けた状態である一方、故障は物の機能が失われた状態を指す点にあります。

損傷と破損という言葉は、どちらも「物体が壊れること」を表します。さらに損傷という言葉は、人の身体が傷つくことも表現することを覚えておきましょう

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター