似た意味を持つ「円安」(読み方:えんやす)と「円高」(読み方:えんだか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「円安」と「円高」という言葉は、どちらも「円の価値」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
円安と円高の違い
円安と円高の意味の違い
円安と円高の違いを分かりやすく言うと、円安とは日本円の価値が下がること、円高とは日本円の価値が上がることという違いです。
円安と円高の使い方の違い
一つ目の円安を使った分かりやすい例としては、「この円安ドル高いつまで続くと思いますか」「円安の影響は物価にも出ています」「円安は輸出企業にとって有利になります」「ドル円レートが激しく円安に振れた」などがあります。
二つ目の円高を使った分かりやすい例としては、「ここ数日の急激な円高ドル安の要因は何ですか」「円高か円安か今後の動向が気になります」「なぜ円高になると輸出品は外国で不利になるのですか」などがあります。
円安と円高の使い分け方
円安と円高という言葉は、どちらも米ドルやユーロなど外国の通貨に対する日本円の相対的な価値を表しますが、意味や使い方には大きな違いがあります。
円安とは日本円の価値が外国の通貨に対して下落することを意味し、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に少ない状態のことです。一方、円高とは日本円の価値が外国の通貨に対して上昇することであり、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態です。
たとえば1ドル100円の相場が1ドル110円となれば、円の価値が下落したことになるので「円安」と呼ばれます。反対に、1ドル100円の相場が1ドル90円となれば、円の価値が上昇したことになるので「円高」と呼ばれます。
つまり、円安と円高は、日本円の価値が下がるのか上がるのか方向性が真逆であり、相反する意味を持つ言葉なのです。
円安と円高の英語表記の違い
円安を英語にすると「cheap yen」「weaker yen」「devaluation of the yen」となり、例えば上記の「円安ドル高」を英語にすると「cheaper yen and strong dollar」となります。
一方、円高を英語にすると「appreciating yen」「stronger yen」「high value of the yen」となり、例えば上記の「急激な円高ドル安」を英語にすると「sharp appreciation of the yen against the dollar」となります。
円安の意味
円安とは
円安とは、外国為替相場で、円貨が外国通貨に対して相対的に価値が低いことを意味しています。
円安の使い方
円安を使った分かりやすい例としては、「円安円高の今後の見通しを教えてください」「ユーロ高円安はいつまで続くのか」「カナダドルに対しても円安になっています」「2022年に始まった円安進行はいつまで続くだろう」などがあります。
その他にも、「ドル円相場が円安に向けて動き出した」「日本政府や日銀は円安を止められるだろうか」「八年ぶりのウォン高円安に市場が反応した」「円安でいつまでも海外旅行に行けません」「円安傾向は2024年も続くでしょう」などがあります。
円安とは、わかりやすく言うと「円の価値が安いこと」であり、外貨に対して円の価値が下がっている状態を指します。例えば、1ドル100円が1ドル110円に変化することは、1ドルに対して日本円の価値が10円下がったことを示しており、これを「円安」と言います。
「円安倒産の意味
円安を用いた日本語には「円安倒産」(読み方:えんやすとうさん)があります。円安倒産とは、外国為替の円安に起因する原材料や燃料費の高騰が原因で起こる企業倒産のことです。一般的に、円安が長期化すると輸入企業に悪い影響を及ぼします。
円安の対義語
円安の対義語・反対語としては、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に多い状態を意味する「円高」などがあります。
円安の類語
円安の類語・類義語としては、アメリカのドルに対して円の価値が下がることを意味する「円安ドル高」、為替市場と株式市場と債券市場の全てが同時に値下がりする状況を意味する「トリプル安」、外国為替市場における円と他通貨との交換比率を意味する「円相場」などがあります。
円高の意味
円高とは
円高とは、外国為替相場で、円貨が外国通貨に対して相対的に価値が高いことを意味しています。
円高の使い方
円高を使った分かりやすい例としては、「半年ぶりの円高ドル安水準を付けた」「円高ユーロ安はいつまで続くだろうか」「今は円高傾向が強まっています」「いつになったら円高になるのだろう」「円高になる可能性は低いでしょう」などがあります。
その他にも、「輸出企業の売上は円高になると減ります」「円高メリット銘柄の株を買いました」「円高円安をサルでもわかるように説明してください」「円高の仕組みを英語で説明する」「海外旅行に行くので円安から円高になって欲しい」などがあります。
円高とは、わかりやすく言うと「円の価値が高いこと」であり、外貨に対して円の価値が上がっている状態を指します。例えば、1ドル100円が1ドル90円に変化することは、1ドルに対して日本円の価値が10円上がったことを示しており、これを「円高」と言います。
「円高差益」の意味
円高を用いた日本語には「円高差益」(読み方:えんだかさえき)があります。円高差益とは、外国通貨に対する円の価値が高まったことによって生じる利益を意味します。主として、輸入原材料を使用する産業に発生するっものです。
円高の対義語
円高の対義語・反対語としては、円1単位で交換できる他通貨の単位数が相対的に少ない状態を意味する「円安」などがあります。
円高の類語
円高の類語・類義語としては、アメリカのドルに対して円の価値が上がることを意味する「円高ドル安」、為替市場と株式市場と債券市場の全てが同時に値上がりする状況を意味する「トリプル高」、資金移動を現金の輸送によらずに行う仕組みを意味する「為替」などがあります。
円安の例文
この言葉がよく使われる場面としては、日本以外の国の通貨に対して円の価値が下がることを表現したい時などが挙げられます。
例文4や例文5に関して、円安のメリットには、輸出産業の売上げアップや外貨資産の価値が上がることなどがあります。円安のデメリットには、輸入品が高くなってしまうことや海外旅行が割高になるなどが挙げられます。
円高の例文
この言葉がよく使われる場面としては、日本以外の国の通貨に対して円の価値が上がることを表現したい時などが挙げられます。
例文4や例文5に関して、円高のメリットには、個人は輸入品が安く買え、企業は外国からの仕入れが安くなることなどがあります。円高のデメリットには、保有している外国資産が目減りすることや輸出企業は競争力が低下することなどがあります。
円安と円高という言葉は、どちらも「日本円の価値」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、円の価値が下がることを表現したい時は「円安」を、円の価値が上がることを表現したい時は「円高」を使うようにしましょう。