似た意味を持つ「結果」(読み方:けっか)と「成果」(読み方:せいか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「結果」と「成果」という言葉は、どちらも「物事の結末」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
結果と成果の違い
結果と成果の意味の違い
結果と成果の違いを分かりやすく言うと、結果とは結末の評価が良い場合にも悪い場合にも使われ、成果とは結末の評価が良い場合にのみ使われるという違いです。
結果と成果の使い方の違い
一つ目の結果を使った分かりやすい例としては、「甲子園で行われた試合の結果はどうなりましたか」「何としても結果を出すつもりです」「本当に結果にコミットできますか」「結果的加重犯の成立要件を確認する」などがあります。
二つ目の成果を使った分かりやすい例としては、「この努力が成果につながると信じています」「納期までに成果物を出さなくてはいけない」「スキルを習得して効果的に成果物を出す」「こちらは完全成果報酬型のお仕事です」などがあります。
結果と成果の使い分け方
結果と成果という言葉は、どちらも何かを行った後に生じた事柄や結末を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
結果とは、ある行為や原因から生じた結末や状態を意味します。上記例文にある「試合の結果はどうなりましたか」とは、試合が勝ったのか負けたのか結末を問うものです。このように、結果という言葉は、完了した行為に対する評価が良い場合にも悪い場合にも使用することができます。
成果とは、 物事の終わった結果を表しますが、特にあることをして得られたよい結果を意味します。成果という言葉は、期待されたような良い結果に対して用いられ、悪い結果に対して使用することはできません。
つまり、結果とは結末が良い場合にも悪い場合にも使用できますが、成果は結末が良い場合にのみ用いることができます。二つの言葉を比べると、成果よりも結果の方が広い意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えるでしょう。
結果と成果の英語表記の違い
結果も成果も英語にすると「result」「outcome」「fruit」となり、例えば上記の「試合の結果」を英語にすると「game results」となります。
結果の意味
結果とは
結果とは、ある原因や行為から生じた、結末や状態。また、そのような状態が生じることを意味しています。
その他にも、「優れた成果、優れた業績や記録」「副詞的に用いて、ある事態の生じるもととなる結末状態」「植物が実を結ぶこと、結実」の意味も持っています。
表現方法は「結果が出る」「結果を出す」「結果発表」
「結果が出る」「結果を出す」「結果発表」「結果論」などが、結果を使った一般的な言い回しです。
結果の使い方
「コンテストの結果発表は明日です」「あの人は結果論でモノを言う」「努力の結果として成功を収める」の文中で使われている結果は「生じた結末」の意味で、「プロとして結果を出す」「部長は結果オーライのご都合主義だ」の文中で使われている結果は「優れた成果」の意味で使われています。
一方、「コツコツ勉強をした結果、英語が得意になりました」の文中で使われている結果は「副詞的用法で結末状態」の意味で、「単為結果には受粉を必要としません」の文中で使われている結果は「植物が実を結ぶこと」の意味で使われています。
結果の「結」は締めくくることや実をむすぶことを表し、「果」は草木の実を表します。結果とは、「果実が実を結ぶこと」を原義とし、ある物事を行った後に生じた現象や状況、優れた成果や業績を意味する言葉です。また、副詞的に用いて、あとに続く文章で結末が生じることを示します。
「結果オーライ」の意味
結果を用いた日本語には「結果オーライ」があります。結果オーライとは、よい結果が出たのだから、それで十分だということを意味します。物事が紆余曲折を経て、最終的には問題の無い結果に終わることを表す口語的表現です。
結果の対義語
結果の対義語・反対語としては、ある状態や変化を引き起こすもとになることを意味する「原因」、物事の起こる原因となるものを意味する「たね」などがあります。
結果の類語
結果の類語・類義語としては、最後に到達した結果を意味する「結末」、最終的にある結論や結果に落ち着くことを意味する「帰結」、物事ができあがることを意味する「出来」、あることが背景となってうみ出されたものを意味する「産物」などがあります。
成果の意味
成果とは
成果とは、あることをして得られたよい結果を意味しています。
表現方法は「成果が出る」「成果を出す」「成果につながる」
「成果が出る」「成果を出す」「成果につながる」「成果を得る」などが、成果を使った一般的な言い回しです。
成果の使い方
成果を使った分かりやすい例としては、「この案件の成果報酬はいかほどでしょうか」「成果品目録の提出は不要です」「日々の英語学習の成果を確認する」「契約における成果物を明確に定義する」などがあります。
その他にも、「劇的な成果をあげることができました」「成果物として英語のレポートを提出しました」「人事評価に成果主義を導入します」「成果主義にはメリットだけでなくデメリットもある」などがあります。
成果の「成」は訓読みで「なす」と読み、なし遂げることや出来上がることを表します。原因があって生じるものを表す「果」と組み合わさり、成果とは、何かをして得られた良い結果を意味します。よい結果に対して使用されるプラスイメージの言葉です。
「成果報酬」の意味
成果を用いた日本語には「成果報酬」があります。成果報酬とは、仕事が成功したことに対して支払われる報酬の中でも、一定の成果に対してのみ報酬が支払われる仕組みを意味します。成果として認められる範囲は契約によって異なります。
成果の対義語
成果の対義語・反対語としては、方法や目的を誤って良い結果が得られないことを意味する「失敗」、自分が原因となって自分自身に悪い結果をもたらすことを意味する「自滅」などがあります。
成果の類語
成果の類語・類義語としては、何かをすることで得られた成果を意味する「収穫」、事業や学術研究の上で獲得した成果を意味する「業績」、努力してよい結果を得ることを意味する「実り」などがあります。
結果の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある物事や行為から生じた状態、優れた業績や帰結、副詞的用法で結末が生じること、植物が実を結ぶことを表現したい時などが挙げられます。
例文5にある結果は、植物が実を結ぶことを意味しています。「単為結果」とは、「単為結実」ともいい、受精を伴わず種子を形成しないまま子房だけが発達し、無種子の果実を生じる現象のことです。
成果の例文
この言葉がよく使われる場面としては、成しえた結果、出来栄えを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「成果物」とは、特定の作業やプロジェクトを遂行した結果、成果として出来上がったもののことです。例文4の「成果主義」とは、達成した結果によって待遇を決定していく制度を意味します。
結果と成果という言葉は、どちらも「物事の結末」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、評価に関係なく結末を表現したい時は「結果」を、評価が良い結末を表現したい時は「成果」を使うようにしましょう。