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【腐心】と【苦心】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「腐心」(読み方:ふしん)と「苦心」(読み方:くしん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「腐心」と「苦心」という言葉は、どちらも成し遂げるために心を悩ますことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




腐心と苦心の違い

腐心と苦心の意味の違い

腐心と苦心の違いを分かりやすく言うと、腐心とは解決が難しい問題に対して使われ、苦心とは解決できそうな問題に対して使われるという違いです。

腐心と苦心の使い方の違い

一つ目の腐心を使った分かりやすい例としては、「二代目は経営状況の改善に腐心した」「感染症対策と経済再生の両立に腐心する」「旧政権は雇用改善に腐心した」「社長はコスト削減に腐心した」などがあります。

二つ目の苦心を使った分かりやすい例としては、「社員の育成に苦心する」「イベントの集客に苦心惨憺する」「苦心に苦心を重ねた研究だ」「苦心の甲斐もなく交渉は決裂した」「この風景画は苦心の作です」などがあります。

腐心と苦心の使い分け方

腐心と苦心という言葉は、どちらも事を成し遂げるために心を悩ますことを意味し、使い分けが曖昧な言葉です。あえて違いを言うならば、腐心は、時間的にも規模的にも大きくて解決が難しい問題について悩むさまを表現するときに使います。苦心は、解決できそうな問題に対して使われる表現です。

腐心は、話し言葉ではあまり使われない文語的表現です。苦心は、話し言葉でも書き言葉でも使われ、苦心の方が馴染みのある言葉と言えるでしょう。

腐心と苦心の英語表記の違い

腐心も苦心も英語にすると「pains」「hard work」「effort」となり、例えば上記の「状況の改善に腐心した」を英語にすると「make effort to improve the situation」となります。

腐心の意味

腐心とは

腐心とは、ある事を成し遂げようと心をくだくことを意味しています。

表現方法は「腐心する」「腐心した」「腐心の末に」

「腐心する」「腐心した」「腐心している」「腐心の末に」などが、腐心を使った一般的な言い回しです。

腐心の使い方

腐心を使った分かりやすい例としては、「生徒との信頼関係構築に腐心する」「安全対策に腐心した」「親を納得させるのに腐心している」「当局は輸送物資の確保に腐心している」「腐心の末に遺族との和解が成立した」などがあります。

その他にも、「感染拡大の抑止に腐心されていると存じます」「お客様の満足度向上のために日々腐心しています」「愛される店づくりを創業より腐心し続けて参りました」「環境保護に長年腐心している」「会社の発展に日夜腐心する」などがあります。

腐心の語源

腐心という言葉は、ある事を成し遂げるために心を悩ますこと、苦心することを意味します。ここでの「腐」は、食べ物などが腐る意ではなく、心をいためることを表しています。大きな課題に直面したり、解決が難しい問題について悩む時に使われる言葉です。

四字熟語「切歯腐心」の意味

腐心を用いた四字熟語には「切歯腐心」があり、激しく怒って思い悩むことを意味します。「切歯」は歯ぎしりしたり歯を食いしばることを表す、怒った顔のたとえです。「腐心」は心を悩ますことです。「子供のテスト結果に切歯腐心した」などと使います。

腐心の類語

腐心の類語・類義語としては、苦しみ悩むことを意味する「難儀」、非常に苦労また苦悩することを意味する「四苦八苦」、困難な状況の中で苦しみながら努力することを意味する「悪戦苦闘」などがあります。

腐心の腐の字を使った別の言葉としては、精神が堕落し悪徳がはびこることを意味する「腐敗」、腐って形がくずれることを意味する「腐敗」、全くの役に立たない儒者を意味する「腐儒」などがあります。

苦心の意味

苦心とは

苦心とは、物事を成し遂げようといろいろ試みたり考えたりして苦労することを意味しています。

表現方法は「苦心する」「苦心される」「苦心の作」

「苦心する」「苦心される」「苦心の作」などが、苦心を使った一般的な言い回しです。

苦心の使い方

苦心を使った分かりやすい例としては、「この作品で苦心したことは情景描写です」「サークルのメンバー集めに苦心した」「有望な人材確保に苦心しております」「資金面で苦心しながらも会社を興した」などがあります。

その他にも、「苦心惨憺して中国語を身に付けた」「結果として苦心が実る形となった」「コロナ禍の熱中症対策に苦心する」「面接では自分をいかにアピールするか苦心しました」「監督が選手育成の苦心談を語った」などがあります。

苦心の語源

苦心という言葉は、文字通り、心を苦しくするほどに苦労することを表し、ある物事をうまくなしとげようとしてあれこれと考えて苦労することを意味します。「苦」は、精神的・肉体的につらい思いをすることを意味する漢字です。

四字熟語「苦心惨憺」の意味

苦心を用いた四字熟語には「苦心惨憺」があり、非常に苦心していろいろやってみることを意味します。「苦心」も「惨憺」も心をくだき思い悩むさまを表す言葉です。「苦心惨憺して会社を立て直した」などと使います。

苦心の類語

苦心の類語・類義語としては、苦心していろいろと考えることや思い悩むことを意味する「苦慮」、詩歌や俳句などを苦心して作ることを意味する「苦吟」、骨を刻むような苦労・苦心をすることを意味する「鏤骨」などがあります。

苦心の苦の字を使った別の言葉としては、困り苦しむことを意味する「困苦」、つらさに耐えて仕事をすることを意味する「苦行」、本人のためを思い言いにくいところまであえて言う言葉を意味する「苦言」などがあります。

腐心の例文

1.熱中症対策と感染症対策の両立に腐心する夏だった。
2.インスタ映えして味も良いデザートの開発に腐心している。
3.雇用者への安全対策や各種補償について日夜ご腐心されている経営者の皆様も多いと思います。
4.健康に腐心した家康から、養生の秘訣について学ぶべきことが多い。
5.セキュリティ管理担当者はサイバー攻撃対策に腐心している。
6.叔父は起業家として大成した後、環境問題に関心を抱き、晩年は環境問題の解決に腐心する毎日だったそうだ。
7.彼が直木賞を獲った作品について、一字一句にまで腐心して執筆していたとインタビューで答えていた。
8.我が社は従業員の働きやすさを常に考え、最高の労働条件を提供することに腐心しています。
9.なんとか総裁に上り詰めようとありとあらゆる策を講じたが、その腐心も虚しく今回も選ばれることはなかった。
10.自分の子ども大きくなってから困るから今のうちに様々なことを勉強をしておいたほうがいいとわかってもらうことは親として腐心なテーマだと思う。

この言葉がよく使われる場面としては、ある事を成し遂げようといろいろと気を遣うことを表現したい時などが挙げられます。

例文3にあるように、敬語として腐心を使う場合は「ご腐心」「腐心される」などと使います。ただし「腐」という言葉の印象があまり良くないので、「ご心労」「ご心痛」などと言い換える方が無難でしょう。

苦心の例文

1.英語が苦手な彼は、苦心惨憺しながらも英語で博士論文を書き上げた。
2.学校は授業数の確保に苦心しており、学校行事の削減はやむを得ない。
3.お裁縫が苦手な私にとって、この不格好なマスクはなかなかの苦心作です。
4.彫心鏤骨は心に彫りつけて骨に刻むように、苦心して詩文を作り上げることを意味する四字熟語です。
5.父はお酒を飲むと、事業を興した当時の苦心談を話したがる。
6.この方法は私たちチームが苦心の末に編み出した物で、チームのメンバー以外に口外することは禁止している。
7.彼は有名になるべくユーチューブチャンネルを立ち上げ、最初の半年は苦心しながらも着実に登録者数を延ばしていった。
8.この名作はいかなる芸術的苦心をもって描き上げたのであろうと思いを馳せるのが鑑賞の醍醐味だ。
9.苦心して育てた畑のスイカをアライグマに食い荒らされ、意気消沈している。
10.この五年間苦心に苦心を重ね、今年やっとブドウの安定した収穫量を確保できるようになった。

この言葉がよく使われる場面としては、ある事を成し遂げるために、心をくだき苦労することを表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「苦心作」とは、苦労して作った作品を意味します。例文4にある「苦心談」とは、いかに苦心したかという話や苦心したことを語る話を意味します。このように、苦心はうまく解決したときにも用いられる言葉です。

腐心と苦心という言葉は、どちらも成し遂げるために心を悩ますことを表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、解決が難しい問題に心を悩ますことを表現したい時は「腐心」を、解決できそうな問題に心を悩ますことを表現したい時は「苦心」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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