似た意味を持つ「がてら」と「ついでに」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「がてら」と「ついでに」という言葉は、どちらもある事柄をするときにそれを機会に他の事柄をもすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「がてら」と「ついでに」の違い
「がてら」と「ついでに」の意味の違い
「がてら」と「ついでに」の違いを分かりやすく言うと、「がてら」は一つの行動が複数の目的を持つ場合に使う、「ついでに」は一つの事柄をする際に追加で何かを行う場合に使うという違いです。
「がてら」と「ついでに」の使い方の違い
一つ目の「がてら」を使った分かりやすい例としては、「外に行きがてら手紙を出してきてくれませんか」「ちょっと運動がてら川沿いの桜を見に行こうと思います」「見物で商用がてら奈良へ行きました」などがあります。
二つ目の「ついでに」を使った分かりやすい例としては、「コンビニ行くついでにタバコを買ってきてくれないか」「ネット通販で本を買うついでにゲームも買いました」「研修のついでに他部署の同期達と交流を深める」などがあります。
「がてら」と「ついでに」の使い分け方
「がてら」と「ついでに」はどちらもある事柄をするときにそれを機会に他の事柄をもすることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「がてら」は「買い物がてら友人とご飯を食べに行くことにしました」のように、一つの行動が複数の目的を持つ場合に使います。
一方、「ついでに」は「薬局でマスクを買うついでに日用品を買っておこう」のように、一つの事柄をする際に追加で何かを行う場合に使うというのが違いです。
「がてら」と「ついでに」の英語表記の違い
「がてら」も「ついでに」も英語にすると「While you’re at it」「and」「Incidentally」となり、例えば上記の「見物で商用がてら奈良へ行きました」を英語にすると「I went to Nara partly on business and partly for sightseeing」となります。
「がてら」の意味
「がてら」とは
「がてら」とは、ある事柄をするときにそれを機会に他の事柄をもすることを意味しています。
「がてら」の使い方
「がてら」を使った分かりやすい例としては、「ちょっと買い物がてら銀行で貯金を下ろしてこようと思います」「散歩がてら彼女の家に行くことにしました」「息子を駅まで送りがてらスーパーで夕飯の食材を買うことにしました」などがあります。
「がてら」はある事柄をするときにそれを機会に他の事柄をもすることを意味する接続助詞です。
接続助詞とは用言や用言に準ずるものに付いて、下にくる用言や用言に準ずるものに続け、前後の文の意味上の関係を示す助詞のこと意味しています。
「がてら」の特徴
「がてら」は「散歩がてら近くの山の紅葉を見に行くことにしました」のように、一つの行動が複数の目的を持つ場合に使うというのが特徴です。
「がてら」の注意点
「がてら」を使う上で注意しなければならないのは、「買い物に行きがてら」「散歩がてら」「会社に戻りがてら」などのように、移動性を伴う文でしか使えないという点です。
そのため、「インターネット通販で小説を買いがてら漫画も買いました」のような使い方をすることはできないと覚えておきましょう。
「がてら」の類語
「がてら」の類語・類義語としては、ある場所に行きそこからそのまますぐに別の所へ行くことを意味する「その足で」、道を行きながら何かをすることを意味する「道すがらに」、すると同じ時にのことを意味する「同時に」などがあります。
「ついでに」の意味
「ついでに」とは
「ついでに」とは、あることをするその機会を利用して一緒にやることを意味しています。
「ついでに」の漢字表記
「ついでに」を漢字にすると、「序でに」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「ついでに」を使うようにしましょう。
「ついでに」の使い方
「ついでに」を使った分かりやすい例としては、「ついでにあなたに言いたいことがあります」「友人に会うついでにショッピングをすることにしました」「ついでにお耳に入れておきたいことが一つあります」「お昼を買うついでにお使いを頼まれました」などがあります。
「ついでに」はあることをするその機会を利用して一緒にやることを意味する副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。
「ついでに」は、一つの事柄をする際に追加で何かを行い、効率的な行動や時間の節約を意識したニュアンスがあると覚えておきましょう。
「ついでに」の注意点
「ついでに」を使う上で注意しなければならないのは、ビジネスシーンなどで目上の人対しては使えないという点です。なぜなら、物事を追加で行なうというニュアンスなので、相手に対して敬意の欠けている表現が含まれているのが理由になります。
「ついでに」の類語
「ついでに」の類語・類義語としては、ある事に付け加えることを意味する「おまけで」、得られた機会や状況などを無駄にしないようにすることを意味する「折角なので」などがあります。
「がてら」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ある事柄をするときにそれを機会に他の事柄をもすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるよに、「がてら」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「ついでに」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、あることをするその機会を利用して一緒にやることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように「ついでに」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「がてら」と「ついでに」はどちらもある事柄をするときにそれを機会に他の事柄をもすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一つの行動が複数の目的を持つ場合に使うのが「がてら」、一つの事柄をする際に追加で何かを行う場合に使うのが「ついでに」と覚えておきましょう。