同じ「ぶさほう」という読み方の「無作法」と「不作法」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「無作法」と「不作法」という言葉は、どちらも「礼儀作法にはずれていること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
無作法と不作法の違い
無作法と不作法の意味の違い
無作法と不作法の違いを分かりやすく言うと、無作法と不作法は意味や使い方の違いはなく、どちらを使っても同じです。
無作法と不作法の使い方の違い
一つ目の無作法を使った分かりやすい例としては、「無作法な人に不愉快な思いを抱く」「電車の中で大声で話すことは無作法です」「子どもたちが無作法に振る舞っている」「俳句の心得がない無作法者ですがご勘弁ください」などがあります。
二つ目の不作法を使った分かりやすい例としては、「不作法をどうぞお許しください」「不作法者を叱責する」「父は不作法な接客に苛立っていた」「不作法な振る舞いをする外国人観光客に迷惑しています」などがあります。
無作法と不作法の使い分け方
無作法と不作法という言葉は、どちらも日常生活からビジネスシーンまで使用され、「礼儀をわきまえないこと」「礼儀に欠けること」を意味する同義語です。そのため、上記の例文にある「無作法」と「無調法」は、互いに置き換えて使うことができます。
二つの言葉の相違点である「無」と「不」にニュアンスの違いはありますが、「無作法」と「不作法」という言葉は区別されずに使用されていることを覚えておきましょう。
無作法と不作法の英語表記の違い
無作法も不作法も英語にすると「bad manners」「rudeness」「breach of etiquette」となり、例えば上記の「無作法な人」を英語にすると「a bad-mannered person」となります。
無作法の意味
無作法とは
無作法とは、礼儀作法にはずれていること、ぶしつけを意味しています。
無作法の読み方
無作法の読み方は「ぶさほう」です。誤って「むさほう」「ぶさくほう」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「無作法ですみません」「無作法でお許しください」「無作法な人」
「無作法ですみません」「無作法でお許しください」「無作法な人」などが、無作法を使った一般的な言い回しです。
無作法の使い方
無作法を使った分かりやすい例としては、「私は茶道に関して無作法者でございます」「彼の無作法な振る舞いに呆れています」「無作法な若者が増えています」「評判が悪い英語教師は無作法である」などがあります。
その他にも、「何も知らず無作法ですみません」「愚息の無作法をお許しください」「他人のプライベートに踏み込むのは無作法なことです」「突然お宅に伺うとは無作法というもの」「無作法にならないよう気を付ける」などがあります。
無作法の「作法」は、日常生活における立ち居ふるまいの仕方である行儀作法を表します。打ち消しを表す助字である「無」と結びつき、無作法とは、物事の礼儀や作法を知らないこと、あるべき礼儀からはずれていることを意味します。
例えば、食事に関する無作法なことには、食事中に席を立ってトイレに行ったり、口の中に食べ物を入れたまましゃべったり、箸で器を自分の手元に引き寄せる箸づかいなどが挙げられます。
無作法の対義語
無作法の対義語・反対語としては、言動が礼儀正しく配慮が行き届いていることを意味する「丁寧」などがあります。
無作法の類語
無作法の類語・類義語としては、他人に接する際の心得をわきまえていないことを意味する「失礼」、礼儀にそむくことを意味する「非礼」、尊敬の念を持たず礼儀にはずれることを意味する「不敬」などがあります。
不作法の意味
不作法とは
不作法とは、礼儀作法にはずれていること、ぶしつけを意味しています。
不作法の読み方
不作法の読み方は「ぶさほう」です。誤って「ふさほう」「ふさくほう」などと読まないようにしましょう。
不作法の使い方
不作法を使った分かりやすい例としては、「電車内の不作法者に注意する」「不作法とされる箸の使い方をしてしまった」「不作法な子どもを根気よく躾ける」「勝負で手加減するとは不作法というもの」などがあります。
その他にも、「この度の不作法お許しください」「不作法な振る舞いや迷惑行為はやめてください」「英語の先生は不作法な生徒を厳しく指導する」「不作法者と一緒に食事をしたくありません」などがあります。
不作法とは、礼儀作法にはずれることを意味し、礼儀をわきまえない言動やマナー違反になる行為を指します。不作法の「不」は否定の接頭語で後に続く言葉を打ち消し、「作法」は生活における対人的な言語動作の法式を表す言葉です。
「不作法者」の意味
不作法を用いた日本語には「不作法者」(読み方:ぶさほうもの)があります。不作法者とは、礼儀作法をわきまえていない人を意味し、「無作法者」とも書きます。
不作法の対義語
不作法の対義語・反対語としては、礼儀正しく手厚いことを意味する「丁重」などがあります。
不作法の類語
不作法の類語・類義語としては、礼儀にはずれることを意味する「無礼」、人に対して礼を失した振る舞いをすることを意味する「失敬」、遠慮をせず好きなように振る舞うことを意味する「無遠慮」などがあります。
無作法の例文
この言葉がよく使われる場面としては、礼儀作法をわきまえていないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文の「無作法」は、「不作法」に置き換えることができます。
例文1にある「無作法な人」とは、マナーやしきたりを無視した振る舞いをする人のことで、「無作法者」「不作法者」とも言います。
不作法の例文
この言葉がよく使われる場面としては、作法をわきまえていないこと、礼儀に外れることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文の「不作法」は、「無作法」に置き換えても問題ありません。
例文5にある「不作法お許しください」は、礼儀をわきまえない言動をとったり、またはその可能性があるときに使用されるフレーズです。ビジネスシーンで使用されることもあります。
無作法と不作法という言葉は、どちらも「礼儀作法にはずれていること」を表す同音同義語です。意味や使い方に違いはないので、好みや書きやすさにより選べばよいでしょう。