似た意味を持つ「大まか」(読み方:おおまか)と「ざっくり」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「大まか」と「ざっくり」という言葉は、どちらも細かい点までは行き渡らないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「大まか」と「ざっくり」の違い
「大まか」と「ざっくり」の意味の違い
「大まか」と「ざっくり」の違いを分かりやすく言うと、「大まか」は一つの意味しか持っていない、「ざっくり」は複数の意味を持っているという違いです。
「大まか」と「ざっくり」の使い方の違い
一つ目の「大まか」を使った分かりやすい例としては、「大まかな見積もりを立てることをにしました」「旅行の大まかな予定が決まりました」「今回の件の大まかな内容を説明する」「来年の景気についての大まかな見通し立つ」「工務店から大まかな見積もりを取りました」などがあります。
二つ目の「ざっくり」を使った分かりやすい例としては、「ざっくりと割れたスイカを食べる」「ざっくりとした話し合いが行われました」「私の貯金はざっくり言うと5000万円くらいあります」「天ぷらの衣はざっくりと混ぜてください」などがあります。
「大まか」と「ざっくり」の使い分け方
「大まか」と「ざっくり」はどちらも細かい点までは行き渡らないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「大まか」は細かいことにこだわらずに物事を済ませることという一つの意味しか持っていない言葉になります。
一方、「ざっくり」は細かい点までは行き渡らないことの意味の他に、力を込めて一気に切ったり割ったりすること、金や米などを無造作にすくうこと、上着などを無造作に着ることなどの複数の意味を持っているというのが違いです。
「大まか」と「ざっくり」の英語表記の違い
「大まか」を英語にすると「rough」「approximate」「general」となり、例えば上記の「工務店から大まかな見積もりを取りました」を英語にすると「I got a rough estimate from the construction company」となります。
一方、「ざっくり」を英語にすると「roughly」「coarsely」「brief explanation」となり、例えば上記の「天ぷらの衣はざっくりと混ぜてください」を英語にすると「When you prepare tempura batter, just mix it lightly」となります。
「大まか」の意味
「大まか」とは
「大まか」とは、細かいことにこだわらずに物事を済ませることを意味しています。
表現方法は「大まかに言うと」「大まかな説明」「大まかな内容」
「大まかに言うと」「大まかな説明」「大まかな内容」などが、「大まか」を使った一般的な言い回しになります。
「大まか」の使い方
「大まか」を使った分かりやすい例としては、「修理の方は大まかに言うと3週間ほどかかります」「ゴールデンウィークの大まかな計画を立てました」「こちらが本日の会議の大まかな内容です」「今回の旅行でロサンゼルスがどんな感じか大まかに分かるでしょう」などがあります。
「大まか」は細かいことにこだわらずに物事を済ませることを意味する形容動詞です。形容動詞とは活用のある自立語で、文中において単独で述語になることができ、言い切りの形が、口語では「だ」、文語では「なり」「たり」で終わるもののことを意味しています。
「大まか」の特徴
「大まか」はプラスとマイナスのイメージどちらでも使うことができるというのが特徴です。
例えば、「彼は大まかな性格だ」という表現がありますが、プラスのイメージの場合は細かいことにこだわらない人となり、マイナスのイメージの場合は細かいとこまで考えない人となります。
したがって、「大まか」を使用する際には前後の文章でどのように使われているのか把握することが大切と覚えておきましょう。
「大まか」の対義語
「大まか」の対義語・反対語としては、物事が細部にわたっていることを意味する「細かい」、感情などが細やかなことを意味する「繊細」などがあります。
「大まか」の類語
「大まか」の類語・類義語としては、細部にわたらず全体を大きく捉えることを意味する「大雑把」、粗っぽくて大まかなことを意味する「粗大」、細かい点までは行き渡らないことを意味する「アバウト」などがあります。
「ざっくり」の意味
「ざっくり」とは
「ざっくり」とは、力を込めて一気に切ったり割ったりすることを意味しています。その他にも、全体を大きく捉えること、金や米などを無造作にすくうこと、上着などを無造作に着ることの意味も持っています。
表現方法は「ざっくり言うと」「ざっくりとした」
「ざっくり言うと」「ざっくりとした」などが、「ざっくり」を使った一般的な言い回しになります。
「ざっくり」の使い方
「料理をするためにキャベツをざっくりと切る」「とりあえずざっくりとしたところだけでも決めておこう」などの文中で使われている「ざっくり」は、「力を込めて一気に切ったり割ったりすることや全体を大きく捉えること」の意味で使われています。
一方、「お米をざっくりとすくう」「彼は冬用の上着をざっくりと着こなす」などの文中で使われている「ざっくり」は、「金や米などを無造作にすくうことや上着などを無造作に着ること」の意味で使われています。
「ざっくり」は力を込めて一気に切ったり割ったりすること、全体を大きく捉えること、金や米などを無造作にすくうこと、上着などを無造作に着ることなどの複数の意味を持つ副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。
「ざっくり」の特徴
「ざっくり」は複数の意味を持つ言葉なので、日常生活とビジネスシーンのどちらでも使うことができます。
日常生活の場合はどの意味でも使われていますが、ビジネスシーンの場合は主に全体を大きく捉えること、金や米などを無造作にすくうことの意味で使われていると覚えておきましょう。
また、ざっくりはややカジュアルな表現であるので、ビジネスシーンのかしこまった場面で使うのはあまり適していません。かしこまった場面においては「おおむね」や「大体」の方を使うのが適しています。
「ざっくり」の類語
「ざっくり」の類語・類義語としては、思い切りよく切ることを意味する「ばっさり」、 細部にこだわらず概略を判断することを意味する「おおよそ」、全体のうちの大部分のことを意味する「大抵」などがあります。
「大まか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、細かいことにこだわらずに物事を済ませることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「大まか」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使うことができる言葉です。
「ざっくり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、力を込めて一気に切ったり割ったりすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、全体を大きく捉えること、金や米などを無造作にすくうこと、上着などを無造作に着ることを表現したい時にも使います。
例文1の「ざっくり」は力を込めて一気に切ったり割ったりすること、例文2と例文3の「ざっくり」は全体を大きく捉えること、例文4の「ざっくり」は金や米などを無造作にすくうこと、例文5の「ざっくり」は上着などを無造作に着ることの意味で使っています。
「大まか」と「ざっくり」はどちらも細かい点までは行き渡らないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一つの意味しか持っていないのが「大まか」、複数の意味を持っているのが「ざっくり」と覚えておきましょう。