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【浮揚】と【浮遊】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「浮揚」(読み方:ふよう)と「浮遊」(読み方:ふゆう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「浮揚」と「浮遊」という言葉は、どちらも空中や水面に浮かぶことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




浮揚と浮遊の違い

浮揚と浮遊の意味の違い

浮揚と浮遊の違いを分かりやすく言うと、浮揚とは浮かんで静止することを表し、浮遊とは浮かんで動くことを表すという違いです。

浮揚と浮遊の使い方の違い

一つ目の浮揚を使った分かりやすい例としては、「水難事故を防ぐ浮揚装置を取り付ける」「低迷する経済に対する浮揚策はないのか」「オリンピックで景気浮揚を狙う」「浮揚性と断熱性に富む素材です」などがあります。

二つ目の浮遊を使った分かりやすい例としては、「海に謎の浮遊体が漂っている」「ジェットコースターを降りても浮遊感が続く」「塩分濃度の高い湖で浮遊体験ができる」「まだ見ぬ土地を浮遊したい」などがあります。

「空中浮揚」と「空中浮遊」の違い

浮揚と浮遊という言葉は、どちらも水面や空中に浮かぶことを表し、「空中浮揚」「空中浮遊」などと似た表現をする言葉ですが、厳密には意味が異なります。

浮揚とは、浮かびあがることや浮かびあがらせることを意味し、「空中浮揚」とは空間に浮かび上がっている様子を表します。

浮遊とは、水面や空中に浮かび漂うことを意味し、「空中浮遊」とは空中に浮かんで揺れ動き、一つ所にとどまらずゆらゆら動いているさまを表します。

つまり、浮揚は浮き上がり静止している場合に使われる表現ですが、浮遊は浮いて揺れ動く場合に使われる言葉なのです。

また、浮遊という言葉には、行先を定めないで旅をすることの意味もあり、人のうわついた気分や行動を表すこともあります。これらが浮揚と浮遊という言葉の明確な違いになります。

浮揚と浮遊の英語表記の違い

浮揚を英語にすると「levitation」「ascension」「rising」となり、例えば上記の「浮揚装置」を英語にすると「levitation device」となります。一方、浮遊を英語にすると「floating」「suspension」となり、例えば上記の「浮遊体」を英語にすると「floating body」となります。

浮揚の意味

浮揚とは

浮揚とは、浮かびあがること、浮かびあがらせることを意味しています。

浮揚の使い方

浮揚を使った分かりやすい例としては、「ソーダ水の気泡が水面に浮揚する」「飛行船内部の浮揚ガスを制御する」「不思議な非接触型の超音波浮揚装置です」「音波を利用した音響浮揚」「増税後の浮揚策を考える」「景気を浮揚させるための政策です」などがあります。

その他にも、「国民から景気浮揚策が求められている」「浮揚性に優れた素材です」「超音波を用いた浮揚力の測定実験を行う」「軽量の物質を空中浮揚させる装置です」「浮力と浮揚体の安定性に関する論文だ」などがあります。

浮揚という言葉の「浮」とは水面または空中に浮くことを表し、「揚」とは高く上がることを表します。

浮揚とは、浮かびあがることや浮かびあがらせることを意味する言葉であり、「気泡が浮揚する」のように物理的に用いられるだけでなく、「景気浮揚策」のように概念的に用いられることがあります。

「景気浮揚策」の意味

浮揚という言葉を用いた日本語には「景気浮揚策」があります。経済状況や景気を好転させるために政府が打ち出す政策のことであり、「景気対策」や「景気刺激策」とも言います。

「浮揚性めまい」「浮揚植物」は誤り

浮揚という言葉を用いた誤った言い回しには「浮揚性めまい」「浮揚植物」があります。正しくは、それぞれ「浮動性めまい」「浮揚植物」ですので注意しましょう。

浮揚の対義語

浮揚の対義語・反対語としては、溶液中にまじっている微小固体が底に沈んでたまることを意味する「沈殿」、沈んで下にたまることを意味する「沈降」などがあります。

浮揚の類語

浮揚の類語・類義語としては、水中から水面に浮かび上がることを意味する「浮上」、一定の場所に定まらないでただよい動くことを意味する「浮動」、水中や水底にあるものが水面に現れ出ることを意味する「浮び上る」などがあります。

浮遊の意味

浮遊とは

浮遊とは、空中や水面に浮かび漂うことを意味しています。

その他にも、行先を定めないで旅をすることの意味も持っています。

浮遊の使い方

「浮遊感が強い目眩がある」「浮遊容量が大きい電子回路だ」「ブランコを押しすぎて浮遊感与えちゃったかな」「大気中の浮遊粒子物質を調べる」「浮遊植物を育てています」などの文中で使われている浮遊は、「空中や水面に浮かび漂うこと」の意味で使われています。

一方、「アフリカ大陸を浮遊したい」「退職後は海外を浮遊する予定です」「お金を稼ぎながら浮遊する」などの文中で使われている浮遊は、「行先を定めないで旅をすること」の意味で使われています。

浮遊は「浮游」とも書き表します。ただし「游」は常用外漢字のため、一般には浮遊と表記されています。

浮遊感という言葉は、上記の例文のように二つの意味があり、それぞれの意味で使われているので文脈により意味を捉える必要があります。浮遊の「浮」とは水面または空中に漂うことや浮くこと、「遊」とは位置を定めず自由に動き回ることや、よその土地に出かけることを表します。

浮遊という言葉を用いた日本語には「浮遊植物」「浮遊生物」があります。

「浮遊植物」の意味

「浮遊植物」は水生植物の一形態であり、根を水底に張らずに必要な栄養分を水中から吸収するため富栄養な水域で繁茂する植物です。

「浮遊生物」の意味

「浮遊生物」はプランクトンのことであり、水流に逆えるに足る遊泳能力を持たない生物です。

「浮遊性めまい」は誤り

浮遊という言葉を用いた誤った言い回しには「浮遊性めまい」があります。正しくは「浮動性めまい」であり、フワフワと浮いているような感覚のめまいのことです。

浮遊の対義語

浮遊の対義語・反対語としては、沈んで位置が下がることを意味する「沈下」、その土地に住みつくことを意味する「土着」、一定の所に落ち着くことを意味する「定着」などがあります。

浮遊の類語

浮遊の類語・類義語としては、水に浮かんで流れることを意味する「浮流」、流れただようことや所を定めずさまよい歩くことを意味する「漂白」、あてもなくさまよい歩くことを意味する「放浪」、住むところを定めずさまよい歩くことを意味する「流浪」などがあります。

浮揚の例文

1.モノレールの模型で、磁気レールの上を車両が浮揚する様子を実演しました。
2.このような付け焼き刃の経済対策では、景気浮揚とはならないだろう。
3.世界恐慌の時代、政府は様々な浮揚策を打ち出したが、なかなか効果が得られなかった。
4.経済浮揚を狙い、公共投資の拡大に大きく舵を切る国もあった。
5.今回の総辞職には、内閣刷新で政権浮揚を目指す狙いがあるとみられます。

この言葉がよく使われる場面としては、浮かびあがること、浮かびあがらせることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある浮揚は物理的に浮かびあがることの意味で、例文2から例文5の浮揚は概念的に浮かびあがらせることの意味で使われています。例文3の「浮揚策」は「経済浮揚策」「景気浮揚策」を表します。例文5にある「政権浮揚」とは、政権をより力強いものにすることを表現する言葉です。

浮遊の例文

1.子どもがお風呂に入ったあとは、得体の知れない小さな浮遊物や糸状の繊維が浮かんでいたりして気持ちよく入れない。
2.カルト宗教の教祖が空中浮遊能力を発揮する映像をみたことがあるが、何かトリックがあると思う。
3.ときどき地面がふわふわとするような浮遊感を覚えるので、かかりつけ医に相談することにした。
4.ハンモックに横たわると、とても気持ちの良い浮遊感が味わえます。
5.父は、定年退職したらあてもなく世界中を浮遊してみたいと常々言っている。

この言葉がよく使われる場面としては、空中や水面に浮かび漂うこと、行先を定めないで旅をすることを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4にある浮遊は空中や水面に浮かび漂うことの意味で、例文5の浮遊は行先を定めないで旅をすることの意味で使われています。例文3や例文4にある「浮遊感」とは、空中に浮いて漂っているような感覚を意味します。

浮揚と浮遊という言葉は、どちらも空中や水面に浮かぶことを表す言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、浮かび上がることや浮かび上がらせることを表現したい時は「浮揚」を、浮かび上がって漂うことを表現したい時は「浮遊」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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