似た意味を持つ「バラエティ」と「バリエーション」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「バラエティ」と「バリエーション」という言葉は、「物の種類」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
バラエティとバリエーションの違い
バラエティとバリエーションの意味の違い
バラエティとバリエーションの違いを分かりやすく言うと、バラエティはある範囲内での種類を表現する時に使い、バリエーションは一つのものの変化や変動を表現する時に使うという違いです。
バラエティとバリエーションの使い方の違い
一つ目のバラエティを使った分かりやすい例としては、「年末はバラエティ番組を家族と見る」「バラエティに富んだレストランのため好みが違う人たちと行っても問題ない」「バラエティ豊かなラインナップのためすぐに選べない」などがあります。
二つ目のバリエーションを使った分かりやすい例としては、「カラーバリエーションが多いと複数ほしくなってしまう」「バリエーションが少ないということは選択肢も少ない」「バリエーション豊富であるほどコストも多く掛かってしまう」などがあります。
バラエティとバリエーションの使い分け方
バラエティとバリエーションはどちらも物の種類に対して使われる言葉ですが、使い方が若干異なります。
バラエティは、多様性を表す言葉であり、料理で言えば、野菜など様々な材料で作られた色々な料理に対して使われています。また、今日では様々な種類の娯楽で構成されているテレビ番組やラジオ番組を表す言葉としても使われています。
一方のバリエーションは、変形や変種を表す言葉です。こちらは料理で例えた場合、材料は同じでも味付けや調理方法が異なる料理に対して使われています。料理だけではなく、色やファッションなど様々な場面で使われ、登山用語としても使われています。
つまり、バラエティは一つの範囲に属する物の種類を指し、バリエーションは一つの物が変化することや変化したものを指すという違いがあります。
どちらの言葉も「富む」「豊か」といった語を伴って使うことができますが、「バラエティに富む」は種類が多いことを表し、「バリエーションに富む」は同じ商品の色違いなど様々な姿形に変化したものが多いことを表します。
バラエティとバリエーションの英語表記の違い
バラエティを英語にすると「variety」となり、例えば上記の「バラエティ番組」を英語にすると「variety programs」となります。
一方、バリエーションを英語にすると「variation」となり、例えば上記の「カラーバリエーション」を英語にすると「color variation」となります。
バラエティの意味
バラエティとは
バラエティとは、多様性を意味しています。
その他にも、視聴者に娯楽を提供する番組を表す言葉として使われています。
バラエティの使い方
「バラエティシーキング型の商品は競争率が高いとも言える」「バラエティに富んだ料理のおかげで満足度が高い」「バラエティパックは色んなチョコレートやお菓子を楽しめた」などの文中で使われているバラエティは、「多様性」の意味で使われています。
一方、「バラエティと聞けば今ではお笑い芸人らが出る番組を想像する」「クイズ系バラエティ番組を家族で見るのが好きだった」「バラエティに出演していた芸能人を偶然見た」などの文中で使われているバラエティは、「娯楽提供番組」の意味で使われています。
バラエティは英語で「variety」と表記され、「変化」「多様性」「色々な」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われており、「バラエティー」と表記されることもあります。
「バラエティシーキング」の意味
上記例文の「バラエティシーキング」とは、商品選択を行う際に様々なブランドを購入の候補とする消費者の行動特性を指す言葉です。具体的には、より安価な商品や目新しさを備えた商品であるなどの理由でブランドを固定せずに商品を購入する消費者が該当します。
また、バラエティは「歌や踊り、寸劇など様々な演芸を織り交ぜたショー」である「バラエティショー」の略語でもあるため、上記例文の「バラエティ番組」などのように、トークやコメディなどいくつかの娯楽を組み合わせた番組を表す言葉としても使われています。
バラエティの対義語
バラエティの対義語・反対語としては、事情や個性を考慮せずに全てを同じように揃えることを意味する「画一性」があります。
バラエティの類語
バラエティの類語・類義語としては、差異や種別が非常に多いことを意味する「千差万別」、様々な商品の詰め合わせを意味する「アソートメント」、人々が楽しむための様々な活動やコンテンツを意味する「エンタメ」などがあります。
バリエーションの意味
バリエーションとは
バリエーションとは、物事の変化、変形や変種を意味しています。
バリエーションの使い方
バリエーションを使った分かりやすい例としては、「バリエーションの富んだ語彙の持ち主にしか小説は書けないと思っている」「商品バリエーション豊かなショップだったため小一時間滞在していた」などがあります。
その他にも、「バリエーションが増えるとメリットだけでなくデメリットも発生する」「料理にもバリエーションがほしいため料理教室に通うか迷っている」「カラーバリエーションはカラバリと略して使われるそうだ」などがあります。
バリエーションは英語で「variety」と表記され、「変化」「変動」「差異」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われており、「ヴァリエーション」と表記されたり、「バリエ」「バリ」と省略してされることもあります。
表現方法は「バリエーションに富んだ」「バリエーション豊か」「バリエーションが増える」
上記例文のように「バリエーションに富んだ」「バリエーション豊か」「バリエーションが増える」などの使い方がされ、日常生活からビジネスシーンまで様々な場面で使われています。
「バリエーションルート」の意味
バリエーションを使った言葉に「バリエーションルート」があります。これは標識が設置されていたりなどの整備済みの一般ルートとは異なり、さらに困難な道を意味する登山用語です。
バリエーションの対義語
バリエーションの対義語・反対語としては、変化に乏しい様子であることを意味する「単調」、ただ一つであることを意味する「単一」があります。
バリエーションの類語
バリエーションの類語・類義語としては、普通の物とは違った種類のものを意味する「変わり種」、色彩に富んでいる様子を意味する「カラフル」などがあります。
バラエティの例文
この言葉がよく使われる場面としては、多様性を意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、コメディ、トーク、ドキュメント、クイズなどの要素が組み合わさってできた、視聴者に娯楽を提供する番組を表す言葉として使われています。
バリエーションの例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の変化、変形や変種を意味する時などが挙げられます。
上記例文の「バリエーションの多さ」「バリエーションが少ない」「バリエーションの幅を広げる」などのように使われています。
バラエティとバリエーションは、どちらも「物の種類」を表します。どちらを使うか迷った場合は、ある範囲内での種類を表す場合は「バラエティ」を、一つのものの変化や変動を表す場合は「バリエーション」を使うと覚えておけば間違いありません。