似た意味を持つ「長期的」(読み方:ちょうきてき)と「中長期的」(読み方:ちゅうちょうき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「長期的」と「中長期的」という言葉は、どちらも一定の期間を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
長期的と中長期的の違い
長期的と中長期的の意味の違い
長期的と中長期的の違いを分かりやすく言うと、長期的とは5年から10年程度を示すときに使用され、中長期的とは3年から5年程度を示すときに使用されるという違いです。
長期的と中長期的の使い方の違い
一つ目の長期的を使った分かりやすい例としては、「この投資は長期的には利益が見込めるだろう」「経営理念に基づき長期的な計画を立てる」「取引先と長期的継続的な関係を維持したい」「日本における総人口の長期的推移をみてみましょう」などがあります。
二つ目の中長期的を使った分かりやすい例としては、「経営に関する中長期的な計画を策定する」「中長期的なキャリア形成を支援する」「企業の中長期的な事業方針をチェックする」「中長期的な経済成長を実現していく」などがあります。
長期的と中長期的の使い分け方
長期的と中長期的という言葉は、どちらも主にビジネスシーンで使用され、ある一定の期間におよぶさまを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
長期的とは、長い期間にわたることを意味します。どれぐらいの期間という明確な定義はありませんが、ビジネスの場では「長期的な計画」「長期的戦略」のような使い方で、だいたい5年から10年の間を指し示すことが多い言葉です。
中長期的とは、長期的という言葉よりも短い期間を表したい時に用いられています。「中長期的な計画」「中長期的戦略」のような使い方で、だいたい3年から5年の間を指し示すことが多くなっています。
つまり、ビジネスにおいて、長期的とは5年以上の長い期間にわたることを表し、中長期的とは3年から5年ほどの期間にわたることを表現します。なお、さらに短い期間にわたるさまは「短期的」と言います。
長期的と中長期的の英語表記の違い
長期的を英語にすると「long-term」「longitudinally」「long-run」となり、例えば上記の「長期的には」を英語にすると「in the long term」となります。
一方、中長期的を英語にすると「medium- to long-term」「medium- and long-term」となり、例えば上記の「中長期的な計画」を英語にすると「medium- and long-Term plans」となります。
長期的の意味
長期的とは
長期的とは、物事が長い期間にわたるさまを意味しています。
長期的の読み方
長期的の読み方は「ちょうきてき」です。誤って「じょうきてき」「ちょうきまと」などと読まないようにしましょう。
長期的の使い方
長期的を使った分かりやすい例としては、「まずは長期的な目標を設定しましょう」「長期的に活躍できる会社に就職したいです」「なぜか長期的な人間関係が築けない」「長期的に続けることで英語力は伸びます」などがあります。
その他にも、「何事も長期的視点で考えるようにしています」「長期的な視点を忘れないようにしてください」「長期的なスパンで業務改善を目指す」「長期的な株価上昇を狙えるおすすめの銘柄を教えてください」などがあります。
長期的の「長期」は長い期間を表します。性質や状態を表す「的」と結びつき、長期的とは、長い期間におよぶ様子を意味します。長期的という言葉が、具体的にどれくらいの期間を指すのかという定義はありませんが、ビジネスの場ではおおよそ5年から10年の間を指すことを多くなっています。
「長期的視点」「長期的な視点」の意味
上記例文にある「長期的視点」「長期的な視点」とは、長い目で物事を考えること、長きにわたる見通しなどを意味する表現です。目先の利益や損失などにとらわれず、将来的なメリットを含めて考えるさまを表します。
長期的の対義語
長期的の対義語・反対語としては、短い期間を意味する「短間」、短い時間を意味する「短時」などがあります。
長期的の類語
長期的の類語・類義語としては、物事がながく絶えることなく続くさまを意味する「永続的」、長い年月を意味する「長年」、長期にわたる戦争や勝負事を意味する「長期戦」、時間が長くかかる一連の場面を意味する「長丁場」などがあります。
中長期的の意味
中長期的とは
中長期的とは、物事が数年程度の期間にわたるさまを意味しています。
中長期的の読み方
中長期的の読み方は「ちゅうちょうきてき」です。誤って「じゅうちょうてき」などと読まないようにしましょう。
中長期的の使い方
中長期的を使った分かりやすい例としては、「わが社の中長期的な経営戦略をご説明します」「中長期的で具体的な計画を立てる」「反対意見は中長期的な課題として検討すべきです」「英語の習得には中長期的な目標が不可欠です」などがあります。
その他にも、「中長期的な視点で人材育成に取り組む」「中長期的なキャリアプランを作成する」「中長期的な目標が設定してから転職するべきです」「中長期的に見れば元手を増やすことができるでしょう」などがあります。
中長期的とは、「中期」「長期」「的」の三語が組み合わさった言葉です。「中期」「長期」は、期間の長さを3つに区分した場合に表現される「短期」「中期」「長期」の一つです。
中長期的の期間
それぞれ明確に何ヶ月間や何年間と決まっているわけではありませんが、一般的には短期は1年未満、中期は1-5年、長期は5年以上を指します。そのため、中長期という言葉もどれくらいの期間という定義はありませんが、だいたい3-5年程度を指し示しています。
「中長期的戦略」の意味
ビジネスシーンで使用される「中長期的戦略」とは、今後3年から5年の間に企業が進むべき方向性や求める結果を示すものです。企業理念に基づき、将来的な目標達成のために策定されます。
中長期的の対義語
中長期的の対義語・反対語としては、わずかの間を意味する「短時間」、わずかな時間やしばらくの間を意味する「一時」などがあります。
中長期的の類語
中長期的の類語・類義語としては、三から六年ぐらいの多少の年月を意味する「数年」、多くの年月を意味する「多年」、あらかじめ定まっている任意の期間を意味する「一定期間」、スケジュール上で特に重要な節目を意味する「マイルストーン」などがあります。
長期的の例文
この言葉がよく使われる場面としては、長期に続く様子を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、長期的という言葉は、日常生活からビジネスシーンまで幅広く使用されています。
中長期的の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事が数年以上の期間におよぶ様子を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、中長期的という言葉は、ビジネスシーンで使用されることがほとんどです。
長期的と中長期的という言葉は、どちらも「ある一定の期間におよぶさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、5年から10年におよぶさまを表現したい時は「長期的」を、3年から5年におよぶさまを表現したい時は「中長期的」を使うようにしましょう。