【先延ばし】と【先送り】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「先延ばし」(読み方:さきのばし)と「先送り」(読み方:さきおくり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「先延ばし」と「先送り」という言葉は、どちらも何かを予定よりも後に回す行動のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「先延ばし」と「先送り」の違い

「先延ばし」と「先送り」の意味の違い

「先延ばし」と「先送り」の違いを分かりやすく言うと、「先延ばし」は優先順位を後にするのに対して使う、「先送り」は日時を後にするのに対して使うという違いです。

「先延ばし」と「先送り」の使い方の違い

一つ目の「先延ばし」を使った分かりやすい例としては、「書類の提出をつい先延ばしにして締切が迫っています」「先延ばしの癖が直らなくて自分でも困っている」「宿題を先延ばしにしたせいで夜遅くまでかかってしまった」などがあります。

二つ目の「先送り」を使った分かりやすい例としては、「合意に至らず結論は先送りされた」「対応を先送りにするのはリスクがあります」「決断を避けるために先送りを選びました」「その案件は次回の会議まで先送りされました」などがあります。

「先延ばし」と「先送り」の使い分け方

「先延ばし」と「先送り」はどちらも何かを予定よりも後に回す行動のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「先延ばし」は「やるべきことをつい先延ばしにしてしまった」のように、自分の意志や心理的な理由によって、実行を後回しにする場合に使う言葉になります。

一方、「先送り」は「会議でその議題は次回に先送りされた」のように、個人というよりも組織や状況判断の結果として、物事の決定や実行が延期される場合に使われる言葉です。

つまり、優先順位を後にするのに対して使うのが「先延ばし」、日時を後にするのに対して使うのが「先送り」と覚えておきましょう。

「先延ばし」と「先送り」の英語表記の違い

「先延ばし」を英語にすると「procrastination」「putting off」となり、例えば上記の「宿題を先延ばしにしたせいで夜遅くまでかかってしまった」を英語にすると「Because I procrastinated on my homework, I ended up working late into the night」となります。

一方、「先送り」を英語にすると「postponement」「deferral」「putting off until later」となり、例えば上記の「その案件は次回の会議まで先送りされました」を英語にすると「The matter was postponed until the next meeting」となります。

「先延ばし」の意味

「先延ばし」とは

「先延ばし」とは、物事の処理や期限などを先に延ばすことを意味しています。

「先延ばし」の使い方

「先延ばし」を使った分かりやすい例としては、「宿題をまた先延ばしにしてギリギリになって焦った」「引っ越しの準備をつい先延ばしにしてしまいます」「メールの返信を先延ばしにしてタイミングを逃しました」「苦手な人への連絡を先延ばしにしがちです」などがあります。

「先延ばし」は、本来やるべきことや取りかかるべきことを、意図的に後の時間や日程に回す行動を指す言葉です。簡単に言うならば、今はやらないで、あとでやろうと決めて物事を後回しにする状態を意味します。

「先延ばし」の特徴

「先延ばし」には時間的な余裕があるから後でやろうという軽い感覚から、今やるのが面倒、やりたくない、不安だ、自信がないといった心理的な抵抗まで、さまざまな背景があります。

そのため、やるべきことが頭にありながらも、あえて手をつけない、あるいは着手できないという点が特徴です。

また、「先延ばし」は多くの場合、自己管理の問題や感情のコントロールと深く関係していると言われています。特に完璧にやりたいという気持ちが強い人ほど、完璧にできる自信が持てないがゆえに行動を先延ばしにしやすい傾向があるそうです。

その他にも、ストレスや不安、やる気の低下といった精神的要因も先延ばしを引き起こす要素の一つになります。

「先延ばし」の類語

「先延ばし」の類語・類義語としては、順番を変えてあとに遅らせることを意味する「後回し」などがあります。

「先送り」の意味

「先送り」とは

「先送り」とは、物事の処理や解決などを先に延ばすことを意味しています。

「先送り」の使い方

「先送り」を使った分かりやすい例としては、「新商品の発売は来月に先送りされた」「人事異動の話は先送りになったらしいです」「難しい議論は先送りにされがちだ」「問題を先送りにしたせいで事態が悪化しました」「会議での決定がまた先送りされた」などがあります。

「先送り」は、物事の決定や実行を意図的に先の時点まで延期することを意味する言葉です。簡単に言うならば、今は判断せず後のタイミングに回すという態度や行動を表します。

「先送り」は個人だけでなく、企業や政治、行政などの組織でもよく見られる行動で、判断を避ける、問題の先延ばしといったニュアンスを含むことが多いです。

つまり、目の前の問題に向き合わず、とりあえず後回しにしておくという消極的な選択として用いられることが多いと覚えておきましょう。

「先送り」の心理的背景

「先送り」の心理的背景には、決断への不安や責任の回避、衝突を避けたいという気持ちなどが関係していることもあります。とくにリーダーや責任者の立場にある人ほど、今決めてしまうことで生じるリスクを恐れて判断を後回しにしがちと言われています。

「先送り」の類語

「先送り」の類語・類義語としては、実行をさしひかえてようすを見ることを意味する「見送り」、残して次へ送ることを意味する「持ちこし」などがあります。

「先延ばし」の例文

1.今日こそ片付けようと思っていたのに、また先延ばしにしてしまいました。
2.健康診断の予約を取らなきゃと思いつつ、ずっと先延ばしにしてきました。
3.課題があるのは分かっているのに、つい面倒で先延ばしにしてしまいます。
4.決断を下すのが怖くて、つい先延ばしにしている自分が情けなく感じます。
5.大事な手続きを後回しにして、先延ばしにしていたことを後悔しています。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の処理や期限などを先に延ばすことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「先延ばし」は優先順位を後にするのに対して使う言葉です。

「先送り」の例文

1.会議での決定は見送られ、結論は次回に先送りされることになりました。
2.今すぐに判断できないため、問題の解決は先送りにすることにしました。
3.優先度の低い案件は、今回は先送りにするという判断になりました。
4.経費の見直しについては、年度末まで先送りとなってしまいました。
5.複雑な議題だったので、今週の検討は先送りとし、次回に持ち越されることになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の処理や解決などを先に延ばすことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「先送り」は日時を後にするのに対して使う言葉です。

「先延ばし」と「先送り」はどちらも何かを予定よりも後に回す行動のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、優先順位を後にするのに対して使うのが「先延ばし」、日時を後にするのに対して使うのが「先送り」と覚えておきましょう。

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