【隔たり】と【距離】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「隔たり」(読み方:へだたり)と「距離」(読み方:きょり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「隔たり」と「距離」という言葉は、どちらも離れた二つのものの長さのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「隔たり」と「距離」の違い

「隔たり」と「距離」の意味の違い

「隔たり」と「距離」の違いを分かりやすく言うと、「隔たり」は時間や程度の差に対して使う、「距離」は物理的なことや心理的な面で使うという違いです。

「隔たり」と「距離」の使い方の違い

一つ目の「隔たり」を使った分かりやすい例としては、「彼らの間の隔たりは大きくなるばかりです」「二つの世代の隔たりはやむを得ないと思っています」「彼女と私の人生観には大分隔たりがある」などがあります。

二つ目の「距離」を使った分かりやすい例としては、「最寄り駅は自宅から車で20分程度のところにある」「1位選手との距離がどんどん広がっています」「彼とは安全な距離を保つことにしました」「それは家から歩いていける距離にあります」などがあります。

「隔たり」と「距離」の使い分け方

「隔たり」と「距離」はどちらも離れた二つのものの長さのことのことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「隔たり」は時間的に離れることや物事の間に開きを意味をする言葉なので、時間や程度の差に対して使うのが一般的になります。

一方、「距離」は二つの場所や物事の間の隔たりや人との関係で相手に対する気持ちの上での隔たりのことを意味する言葉なので、物理的なことや心理的な面に対して使うというのが違いです。

分かりやすい例を挙げると、「隔たり」は時間や程度の差に対して使えるので、「今日まで一年間隔たりがある」と表記するのにできます。

一方、「距離」にはそいうったニュアンスはないので、「今日まで一年間距離がある」とすることはできません。意味不明な日本語になってしまいます。

また、「今日は10キロの距離を走るつもりです」とすることはできますが、「今日は10キロの隔たりを走るつもりです」とすることはできません。

「隔たり」と「距離」の英語表記の違い

「隔たり」を英語にすると「a difference」「a gap」「estrangement」となり、例えば上記の「彼女と私の人生観には大分隔たりがある」を英語にすると「There is a great difference between her philosophy of life and mine」となります。

一方、「距離」を英語にすると「distance」「an interval」となり、例えば上記の「それは家から歩いていける距離にあります」を英語にすると「It is within walking distance of my house」となります。

「隔たり」の意味

「隔たり」とは

「隔たり」とは、時間的に離れることを意味しています。その他にも、物事の間に開き違いがあることの意味も持っています。

表現方法は「隔たりを感じる」「隔たりがある」「隔たりをなくす」

「隔たりを感じる」「隔たりがある」「隔たりをなくす」などが、「隔たり」を使った一般的な言い回しになります。

「隔たり」の使い方

「二人の年齢の隔たりは大きいです」「彼らとは十年の隔たりがあります」などの文中で使われている「隔たり」は、「時間的に離れること」の意味で使われています。

一方、「双方の実力にはかなり隔たりがあります」「彼らの隔たりは大きくなるばかりです」などの文中で使われている「隔たり」は、「物事の間に開き違いがあること」の意味で使われています。

「隔たり」は複数の意味を持つ動詞で、どの意味でも使われています。その中でも時間的に離れていることや物事の間に開きがある場合に使うことが多いと覚えておきましょう。

「隔たり」の特徴

「隔たり」は日常生活とビジネスシーンのどちらでも使うことができます。また、前後の文章によってプラスとマイナスのどちらのイメージにもなれるというのが特徴です。

「隔たり」の類語

「隔たり」の類語・類義語としては、物事と物事とのあいだの時間のことを意味する「間隔」、頃合いのことを意味する「間合い」、ある期日または日時から他の期日または日時に至るまでの間のことを意味する「期間」などがあります。

「距離」の意味

「距離」とは

「距離」とは、二つの場所や物事の間の隔たりのことを意味しています。その他にも、人との関係で相手に対する気持ちの上での隔たりのことの意味も持っています。

「距離」の使い方

「彼との考え方に距離がありすぎます」「前の車との距離を縮める」などの文中で使われている「距離」は、「二つの場所や物事の間の隔たりのこと」の意味で使われています。

一方、「これを機に彼女とは距離を置くことにしました」「相手の態度に少し距離を感じています」などの文中で使われている「距離」は、「人との関係で相手に対する気持ちの上での隔たりのこと」の意味で使われています。

「距離」は二つの場所や物事の間の隔たりのことと、人との関係で相手に対する気持ちの上での隔たりのことの二つの意味を持つ動詞です。

「距離」の特徴

前者である二つの場所や物事の間の隔たりのことの意味は、「日本からアメリカの距離は遠い」、「車を運転する時は前の車と安全な距離を保つよう心掛けていますなどのように、物理的な「距離」に対して使います。

一方、人との関係で相手に対する気持ちの上での隔たりのことの意味は、「距離が近い年配の男性に嫌悪感を感じる」「私は距離置いて人付き合いするようにしています」などのように、心理的な面に対して使うのが一般的です。

「距離」の類語

「距離」の類語・類義語としては、他のものと異なる点のことを意味する「差異」、物と物との間のことを意味する「合間」などがあります。

「隔たり」の例文

1.彼とは数年分の隔たりがあるので、意見が食い違っても仕方がないだろう。
2.両チームの実力に大きな隔たりがあるので、試合後の結果は何となく予想できてしまいます。
3.現実と理想には隔たりがあるので、どこかで現実を受け入れなければなりません。
4.両国の間には大きな隔たりがあるので、和平交渉を締結させるのはかなり難しそうです。
5.両方の主張には相当の隔たりがあるので、どこかで落としどころを決めた方がいいだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、時間的に離れることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、物事の間に開き違いがあることを表現したい時にも使います。

例文1の「隔たり」は時間的に離れること、例文2から例文5の「隔たり」は物事の間に開き違いがあることの意味で使っています。

「距離」の例文

1.私たちの考え方には距離があるので、一度じっくりと話し合った方がいいだろう。
2.東京から福岡は結構距離があるので、車で向かうのは少し大変だろう。
3.大喧嘩してこのまま顔を合わせると言い合いになってしまいそうなので、少し距離を置いて頭を冷やすことにしました。
4.職場のおじさんが距離が近いので、少し気持ち悪く思ってしまいます。
5.夫婦仲が冷めきっていて一緒にいるのが苦痛なので、少し距離を置くことにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、二つの場所や物事の間の隔たりのことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、人との関係で相手に対する気持ちの上での隔たりのことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「距離」は二つの場所や物事の間の隔たりのこと、例文3から例文5の「距離」は人との関係で相手に対する気持ちの上での隔たりのことの意味で使っています。

「隔たり」と「距離」はどちらも二つのものの長さのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、時間や程度の差に対して使うのが「隔たり」、物理的なことや心理的な面で使うのが「距離」と覚えておきましょう。

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