似た意味を持つ「緊急を要する」(読み方:きんきゅうをようする)と「急を要する」(読み方:きゅうをようする)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「緊急を要する」と「急を要する」という言葉は、どちらも急いですべきであることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「緊急を要する」と「急を要する」の違い
「緊急を要する」と「急を要する」の意味の違い
「緊急を要する」と「急を要する」の違いを分かりやすく言うと、「緊急を要する」は本来は間違った日本語、「急を要する」は正しい日本語という違いです。
「緊急を要する」と「急を要する」の使い方の違い
一つ目の「緊急を要する」を使った分かりやすい例としては、「目の前で人が倒れ緊急を要する状況でした」「緊急を要する場面だったので世間体などと言ってる場合ではありません」「緊急を要する場面なので電話をした方がいいだろう」などがあります。
二つ目の「急を要する」を使った分かりやすい例としては、「急を要する課題に取組む」「これは急を要する仕事です」「急を要する場合は直接ご訪問ください」「急を要する場合にはメールではなく電話をかけてください」などがあります。
「緊急を要する」と「急を要する」の使い分け方
「緊急を要する」と「急を要する」はどちらも急いですべきであることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「緊急を要する」は本来は間違った表現で、「急を要する」の誤用として使われていた言葉でした。しかし、現代では「急を要する」よりもさらに切羽詰まった状況で使う言葉として定着しており、一般的に使っても問題ないとされた表現になります。
一方、「急を要する」は急いですべきであることを意味する慣用句です。
つまり、「緊急を要する」は本来は間違った表現なのに対して、「急を要する」は正しい表現というのが違いになります。
ただし、前述した通り「緊急を要する」は間違った言葉であるものの定着した表現なので、「緊急を要する」の方が「急を要する」よりもさらに切羽詰まった状況であるというのも違いの一つと言えるでしょう。
「緊急を要する」と「急を要する」の英語表記の違い
「緊急を要する」も「急を要する」も英語にすると「urgently needed」「requires immediate attention」となり、例えば上記の「急を要する場合にはメールではなく電話をかけてください」を英語にすると「If it’s urgent, please don’t email. Call me instead」となります。
「緊急を要する」の意味
「緊急を要する」とは
「緊急を要する」とは、急いですべきであることを意味しています。
表現方法は「緊急を要する事態」「緊急を要する場合」
「緊急を要する事態」「緊急を要する場合」などが、「緊急を要する」を使った一般的な言い回しになります。
「緊急を要する」の使い方
「緊急を要する」を使った分かりやすい例としては、「これは緊急を要する案件です」「緊急を要する事態が発生しました」「緊急を要るする場合はこちらの連絡先に直接お電話ください」「この件は緊急を要する問題である」などがあります。
「緊急を要する」は重大で即座に対応しなければならないことを意味する「緊急」に、必要とすることを意味する「要する」が合わさり、急いですべきであることの意味で使われている言葉です。
「緊急を要する」は元々誤用として使われていた
「緊急を要する」は元々「急を要する」の誤用として使われていた言葉でした。なぜなら、「緊急」という言葉だけで「急を要する」の意味を持っているので、重言になってしまうからです。本来は「緊急です」だけで十分な言葉になります。
しかし、「緊急を要する」は間違った言葉として広く一般的に使われるようになったので、現代では「急を要する」よりもさらに切羽詰まった状態の際に使われることが多いです。そのため、「緊急を要する」は間違った言葉とは一概には言えなくなっています。
「緊急を要する」のように、元は誤用であっても、広く一般的に使われると認められるようになる日本語はいくつも存在していると覚えておきましょう。
「緊急を要する」の類語
「緊急を要する」の類語・類義語としては、火のついたようにさし迫った状態にあることを意味する「火急」、少しの時間も無駄にできず急がねばならないことを意味する「一刻を争う」、事態が差し迫ることを意味する「逼迫」などがあります。
「急を要する」の意味
「急を要する」とは
「急を要する」とは、急いですべきであることを意味しています。
表現方法は「急を要する事態」「急を要するわけではない」「急を要する場合」
「急を要する事態」「急を要するわけではない」「急を要する場合」などが、「急を要する」を使った一般的な言い回しになります。
「急を要する」の使い方
「急を要する」を使った分かりやすい例としては、「これは急を要する仕事です」「急を要することが起こったので待ち合わせに遅れます」「急を要する場合はこちらの番号に直接おかけください」「急を要する事態なのですぐに取り掛かることにしました」などがあります。
「急を要する」は、切迫したことを意味する「急」に、必要とすることを意味する「要する」が合わさり、急いですべきであることの意味で使われている慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。
「急を要する」は何か重大なことが起こっており、それに対して早急に対応しなければならない場合に使うのが一般的な言葉です。そのため、基本的に切羽詰まった状態で使われています。
「急を要する」の特徴
「急を要する」は急いですべきであることを表現したいのであれば、日常生活やビジネスシーンなど、場所を選ばずに使うことができます。
例えば、「熱中症で倒れた人がいるので急を要する」とすると日常生活になりますし、「この仕事は急を要するので急いで取り掛かろう」とすると、ビジネスシーンで使う表現にすることが可能です。
「急を要する」の類語
「急を要する」の類語・類義語としては、急いでしなければならない任務や仕事のことを意味する「急務」、 非常に急ぐことを意味する「至急」、事態や期日などが間近に迫ることを意味する「差し迫る」などがあります。
「緊急を要する」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、急いですべきであることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「緊急を要する」は本来は間違った日本語です。
「急を要する」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、急いですべきであることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように「急を要する」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「緊急を要する」と「急を要する」はどちらも急いですべきであることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、本来は間違った日本語なのが「緊急を要する」、正しい日本語なのが「急を要する」と覚えておきましょう。