似た意味を持つ「有益」(読み方:ゆうえき)と「有用」(読み方:ゆうよう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「有益」と「有用」という言葉は、どちらも「役に立つこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
有益と有用の違い
有益と有用の意味の違い
有益と有用の違いを分かりやすく言うと、有益とは直接的に役立つことを表し、有用とは使用した結果として役立つことを表すという違いです。
有益と有用の使い方の違い
一つ目の有益を使った分かりやすい例としては、「この一件で有益な教訓を得ることができました」「エアコンの設置代金を有益費として家主に請求する」「日本食の健康有益性を検証します」「治療上の有益性が危険性を上回る」などがあります。
二つ目の有用を使った分かりやすい例としては、「牛や馬は人間にとって有用な動物です」「論文の社会的有用性を検証する」「ユーザーにとって有用なコンテンツを表示する」「鍼治療は急性腰痛に有用である」などがあります。
有益と有用の使い分け方
有益と有用という言葉は、どちらも役に立ったり、利益に結びつくことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
有益とは、ためになること、利益をもたらものであることを意味し、直接的に役立つ効果を生む場合に用いられる言葉です。上記例文にある「有益な教訓」とは、生きていくうえで自分のためになる教訓を表しています。
有用とは、役に立つ機能を持つさまを意味し、活用した結果として役立つ場合にいう言葉です。人間の生活に役立つ昆虫は「有用昆虫」と呼ばれ、花粉を媒介するミツバチや、食用となるイナゴやコオロギなどがこれに当たります。
つまり、有益とは直接的に役立つことを表現する時に使い、有用とは用いた結果として役立つことを表現する時に使う言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
有益と有用の英語表記の違い
有益を英語にすると「beneficial」「advantageous」「profitable」となり、例えば上記の「有益な教訓」を英語にすると「a beneficial lesson」となります。
一方、有用を英語にすると「useful」「helpful」「serviceable」となり、例えば上記の「有用な動物」を英語にすると「useful animals」となります。
有益の意味
有益とは
有益とは、利益があること、ためになることを意味しています。
有益の読み方
有益の読み方は「ゆうえき」です。誤って「うえき」「ゆうやく」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「有益な」「有益となる」「有益情報」
「有益な」「有益となる」「有益情報」などが、有益を使った一般的な言い回しです。
有益の使い方
有益を使った分かりやすい例としては、「ビジネス書から有益な情報を得る」「有益であると判断し契約しました」「伝統的な和食は健康面で有益である」「英語が苦手な人に有益な本をご紹介します」などがあります。
その他にも、「医薬品の有益性と安全性を評価する」「世界中から有益な情報を集める」「有益費と言えるものには何がありますか」「有益費償還請求権が認められました」「お客様さまにとって有益な情報をお届けします」などがあります。
有益の「有」は訓読みで「ある」と読み、存在することを表し、「益」は役に立つことや利得を表します。これらの漢字が組み合わさり、有益とは、益をもたらすものであること、利となることを意味します。
「有益費」の意味
有益を用いた不動産用語には「有益費」があります。有益費とは、物の改良のために支出した費用を意味し、トイレのウォシュレット設置にかかる費用などを指します。民法では、建物の賃借人に対して有益費償還請求権を認めています。
「有益をもたらす」は誤用
有益を用いた誤った表現には「有益をもたらす」があります。正しくは「利益をもたらす」「益をもたらす」であり、利益を得られることや有利に働くことを意味します。
有益の対義語
有益の対義語・反対語としては、利益のないことや無駄なことを意味する「無益」、害があることを意味する「有害」などがあります。
有益の類語
有益の類語・類義語としては、効きめのあることや効力をもっていることを意味する「有効」、他よりも条件や状態がよいことを意味する「有利」、都合がよく利益のあることを意味する「便益」などがあります。
有用の意味
有用とは
有用とは、役に立つこと、役に立つさまを意味しています。
有用の読み方
有用の読み方は「ゆうよう」です。誤って「うよう」などと読まないようにしましょう。
有用の使い方
有用を使った分かりやすい例としては、「今の時代に有用な資格は何だろう」「できるだけ有用な人材を採用したい」「自己有用感は他人との関わりの中で生まれます」「英語の有用性は言わずと知れたことだろう」などがあります。
その他にも、「有用なアドバイスをありがとうございます」「自然界から有用物質を探し出す」「乳酸菌は有用微生物の一つです」「新薬に有用性加算が付く要件は何ですか」「皆様に有用な情報を配信して参ります」などがあります。
有用の「用」は訓読みで「もちいる」と読み、用にあてて使うことや使用することを表します。存在することを表す「有」と結び付き、有用とは、役に立つこと、使いみちがあることを意味します。活用した結果として役に立つことを表現するプラスイメージの言葉です。
「有用性」の意味
有用を用いた日本語には「有用性」があります。有用性とは、役に立つ性質を意味する言葉であり、「有用性が高い」「有用性が低い」などと表現します。医療の分野で使用されている「臨床的有用性」とは、特定の治療が医療の現場においてどの程度有効かを評価することを意味します。
有用の対義語
有用の対義語・反対語としては、役に立たないことや使いみちのないことを意味する「無用」、役に立たないことを意味する「無駄」などがあります。
有用の類語
有用の類語・類義語としては、日常生活などの場で実際に役に立つことを意味する「実用」、目的を果たすのに都合のよいことを意味する「便利」、便利なものとして常に使うことを意味する「重宝」などがあります。
有益の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、益をもたらすものであるさま、ためになることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、有益という言葉は、日常生活からビジネスシーンまで様々な場面で使用されています。
有用の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、役に立つこと、使いみちがあるさまを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、有用という言葉は、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用されています。
有益と有用という言葉は、どちらも「役に立つさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、直接的に役立つさまを表現したい時は「有益」を、使用した結果として役立つさまを表現したい時は「有用」を使うようにしましょう。