【乱文】と【拙文】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「乱文」(読み方:らんぶん)と「拙文」(読み方:せつぶん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「乱文」と「拙文」という言葉は、どちらも「下手な文章」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




乱文と拙文の違い

乱文と拙文の意味の違い

乱文と拙文の違いを分かりやすく言うと、乱文とは自分の書いた手紙の文章を謙遜していう言葉、拙文とは自分の書いた様々な文章を謙遜していう言葉という違いです。

乱文と拙文の使い方の違い

一つ目の乱文を使った分かりやすい例としては、「乱筆乱文お許しください」「乱筆乱文にて失礼いたします」「乱文にならないよう注意する」「取り急ぎ乱文にてお願いを申し上げ失礼をいたします」などがあります。

二つ目の拙文を使った分かりやすい例としては、「お詫びの拙文をしたためる」「新聞に私の拙文が掲載されました」「拙文で恐縮ですがご一読いただけますと幸いです」「これは学生時代に書いた拙文です」などがあります。

乱文と拙文の使い分け方

乱文と拙文という言葉は、どちらも下手な文章を意味し、自分の文章を謙遜していう言葉を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

乱文とは、文章が乱れていて分かりづらいさまを意味します。主に、自分の手紙の文などをへりくだっていう時に用いられる言葉です。「乱筆乱文お許しください」とは、手紙で使われる結びの挨拶の一つで、自分の読みにくい文字と文章を詫びるフレーズです。

拙文とは、文章がつたなくて下手であるさまを意味します。自分が書いた文章を謙遜していう時に使用される言葉ですが、手紙に限らず文章全般に用いることができます。「拙文で恐縮ですが」は、文章の冒頭や、締めくくりに付ける言い回しです。

つまり、乱文とは自分の書いた手紙の文章を謙遜していうものであり、拙文とは自分の文章すべてを謙遜していう表現です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

乱文と拙文の英語表記の違い

乱文も拙文も英語にすると「poor writing」となり、例えば上記の「乱文お許しください」を英語にすると「apologize for poor writing and bad grammar」となります。

乱文の意味

乱文とは

乱文とは、乱れて整わない文章、また、自分の手紙の文などをへりくだっていう語を意味しています。

表現方法は「乱文ですみません」「乱文で申し訳ございません」「乱文失礼しました」

「乱文ですみません」「乱文で申し訳ございません」「乱文失礼しました」などが、乱文を使った一般的な言い回しです。

乱文の使い方

乱文を使った分かりやすい例としては、「乱文乱筆ご容赦ください」「誤字乱文お許しください」「思わず乱文長文になってしまいました」「乱文ではございますが、お読みいただければ幸いです」などがあります。

その他にも、「乱筆乱文失礼いたしました」「乱文乱筆となり申し訳ありません」「乱文になりましたこと何卒ご容赦ください」「長文乱文となり失礼いたしました」「ビジネスメールは乱文にならないように気を付けています」などがあります。

乱文の「乱」は訓読みで「みだれる」と読み、物事がもつれて秩序がなくなること、まとまりがなくなることを表す漢字です。書いた言葉や文章を表す「文」と結びつき、乱文とは、乱れて整っていない文章を意味します。自分の書いた文章を謙遜していう言葉です。

「乱筆乱文」の意味

乱文を用いた日本語には「乱筆乱文」(読み方:らんぴつらんぶん)があります。乱筆乱文とは、文章が乱れていて、書いた字も汚いことを意味します。自分の書いた文や手紙について、謙遜していう言葉です。乱筆は手書きに対して使うものなので、メールの文章に使用することはできません。

乱文の対義語

乱文の対義語・反対語としては、すぐれた文章を意味する「名文」、修辞上の技巧を凝らした文章を意味する「美文」などがあります。

乱文の類語

乱文の類語・類義語としては、文脈が混乱してまとまりのない文章を意味する「悪文」、専門的でない気軽に書き流した文章を意味する「雑文」、見当違いだが面白いところもある文を意味する「迷文」などがあります。

拙文の意味

拙文とは

拙文とは、へたな文章、また、自分の書いた文章をへりくだっていう語を意味しています。

拙文の読み方

拙文の読み方は「せつぶん」です。同じ読み方をする熟語に「節分」がありますが、意味が異なるので書き間違いには注意してください。

表現方法は「拙文ではございますが」「拙文失礼いたしました」「拙文で恐縮ですが」

「拙文失礼いたしました」「拙文で恐縮ですが」などが、拙文を使った一般的な言い回しです。

拙文の使い方

拙文を使った分かりやすい例としては、「長々と拙文失礼しました」「詳細は拙文をご参照ください」「拙文ながらご報告させて頂きます」「拙文をお送りいたしますので、お手すきの際にご笑覧ください」などがあります。

その他にも、「拙文ではございますが体験記を投稿させていただきます」「拙文にて恐縮ではございますが、ご連絡いたします」「拙文となりましたことご容赦ください」「拙文で恐縮ですが補足説明を書き添えておきます」などがあります。

拙文の「拙」は訓読みで「つたない」「まずい」と読み、事を行うのに巧みでないことや下手であることを表す漢字です。書き記したものを表す「文」と組み合わさり、拙文とは、出来の悪い下手な文章を意味します。自分の書いた文章をへりくだっていう言葉です。

「拙文ではございますが」の意味

上記の例文にある「拙文ではございますが」は、つたない文章で恐縮ですがという意味で使用されるフレーズです。自分の文章を謙遜していう言い回しであり、他人の文章に対して使用することはできません。

拙文の対義語

拙文の対義語・反対語としては、巧みな文章を意味する「能文」、達者に書かれた文章を意味する「達文」などがあります。

拙文の類語

拙文の類語・類義語としては、つまらない文章や下手くそな文章を意味する「駄文」、難しい文章や分かりにくい文章を意味する「難文」、日常的な言葉を用いた文章を意味する「俗文」などがあります。

乱文の例文と使い方

1.乱文ではございますが、ご一読いただきますようお願いいたします。
2.乱文ですみませんが、パソコンの使い方について書いた手紙をお送りしました。
3.ビジネスマナー研修のご報告は以上になります。乱文失礼しました。
4.手紙の文末に「乱筆乱文失礼しました」と書いてから、封筒に入れました。
5.時間がない中で作成したメールの最後に、「乱文で申し訳ございません」と書き添えました。

この言葉がよく使われる場面としては、文章の構成や内容が乱れていることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、乱文という言葉は、ビジネスシーンで使用されることが多くあります。

拙文の例文と使い方

1.拙文ではございますが、先日のお礼をお伝えしたくお手紙を書かせて頂きました。
2.取り急ぎのご連絡で拙文ではありますが、ご判読お願い申し上げます。
3.拙文で恐縮ですが、送別会のご案内についてご確認いただければ幸いです。
4.取り急ぎご報告をさせていただきました。拙文ご容赦くださいませ。
5.拙文失礼いたしましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

この言葉がよく使われる場面としては、つたない文章、まずい文章を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、乱文という言葉は、ビジネスシーンで使用されることがほとんどです。

乱文と拙文という言葉は、どちらも「下手な文章」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、自分が書いた手紙の文章を表現したい時は「乱文」を、自分が書いた文章全般を表現したい時は「拙文」を使うようにしましょう。

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