【足が遠のく】と【足が向かない】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「足が遠のく」(読み方:あしがとおのく)と「足が向かない」(読み方:あしがむかない)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「足が遠のく」と「足が向かない」という言葉は、どちらもその場所へ行かなくなることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「足が遠のく」と「足が向かない」の違い

「足が遠のく」と「足が向かない」の意味の違い

「足が遠のく」と「足が向かない」の違いを分かりやすく言うと、「足が遠のく」は過去形の表現、「足が向かない」は現在進行形の表現という違いです。

「足が遠のく」と「足が向かない」の使い方の違い

一つ目の「足が遠のく」を使った分かりやすい例としては、「結婚してからはアイドルイベントへの参加は足が遠のくようになりました」「現役を引退してからはあの店へは足が遠のくようになりました」「両親と喧嘩してから実家へは足が遠のく」などがあります。

二つ目の「足が向かない」を使った分かりやすい例としては、「学校に足が向かないのでお休みすることにしました」「私は人混みが苦手なので人が多いところへは足が向かない」「今日は仕事場へ足が向かない」などがあります。

「足が遠のく」と「足が向かない」の使い分け方

「足が遠のく」と「足が向かない」はどちらもその場所へ行かなくなることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「足が遠のく」は以前は通っていたがもう行かなくなってしまったという過去形の表現になります。また、必ずしもマイナスのイメージで行かなくなるわけではないのが特徴です。

一方、「足が向かない」は何となく行く気がしなくて行かないという現在進行形の表現になります。また、嫌だから行かないというマイナスのイメージで使われることが多いのが特徴です。

「足が遠のく」と「足が向かない」の英語表記の違い

「足が遠のく」を英語にすると「grown less frequent」「lost a lot of」となり、例えば上記の「経営者が替わってからその店は客の足が遠のいた」を英語にすると「After the store changed hands it lost a lot of customers」となります。

一方、「足が向かない」を直訳した英語表現はありませんが、近い表現として「don’t want to go to」となり、「今日は仕事場へ足が向かない」を英語にすると、「I don’t want to go to work today」となります。

「足が遠のく」の意味

「足が遠のく」とは

「足が遠のく」とは、今までよく行ってたとこに行かなくなることを意味しています。

「足が遠のく」の使い方

「足が遠のく」を使った分かりやすい例としては、「食中毒事件が起きてからは足が遠のくようになってしまいました」「就職してから趣味のイベント参加には足が遠のくようになった」「大怪我をしてから部活動への参加には足が遠のくようになってしまいました」などがあります。

「足が遠のく」は今までよく行ってたとこに行かなくなることを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「足が遠のく」は行動や環境が変化し、以前はよく訪れていた場所に行かなくなる場合に使う言葉です。

「足が遠のく」の特徴

行動や環境の変化なので、自分と合わなくなかったから行かなくなっただけではなく、引っ越しで行かなくなったり、就職して時間が減り行かなくなったりなどでも使うことができます。そのため、必ずしもマイナスのイメージが含まれている言葉ではないと覚えておきましょう。

「足が遠のく」の類語

「足が遠のく」の類語・類義語としては、あるものとの間に隔たりができることを意味する「離れる」、近づかなくなることを意味する「寄り付かない」などがあります。

「足が向かない」の意味

「足が向かない」とは

「足が向かない」とは、何となくその方向へは行かなくなることを意味しています。

「足が向かない」の使い方

「足が向かない」を使った分かりやすい例としては、「会社に足が向かないので有給を使うことにしました」「初見のお店には中々足が向かない」「今日は仕事で疲れたのでスポーツジムには足が向かない」「私たちは学校に足が向かない児童の支援をしています」などがあります。

「足が向かない」は行くことを意味する「足」に、その方向に傾くことを意味する「向く」と、否定形の「ない」が合わさり、何となくその方向へは行かなくなることを意味する言葉です。

「足が向かない」の特徴

「足が向かない」は何らかの事情により、現在進行形でその場行きたくない心情を表しています。そのため、基本的にはマイナスのイメージを伴って使う言葉であると覚えておきましょう。

また、「足が向かない」は行きたくないという強い意思ではなく、何となく行きたくないというふんわりとして心情を表現しているというのが特徴です。

「足が向かない」の対義語

「足が向かない」の対義語・反対語としては、知らず知らずその方向へ行くことを意味する「足が向く」があります。

「足が遠のく」の例文

1.行きつけの中華屋さんが閉店してからは、駅の反対側には足が遠のくようになってしまいました。
2.いつ結婚するんだと催促されるようになってから、実家への足が遠のくようになる。
3.特急が廃止になってしまった駅からは、観光客の足が遠のく結果となりました。
4.店長が替わってから店の雰囲気も変化してしまい、足が遠のくようになりました。
5.学生時代はよく遊びにいってたが、社会人になってからは足が遠のくようになってしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、今までよく行ってたとこに行かなくなることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように「足が遠のく」はマイナスのイメージが含まれていないこともあります。

「足が向かない」の例文

1.最近職場での人間関係のストレスが強く、とても不安になり職場へ足が向かない。
2.怖い思いをするんじゃないかと足が向かないかもしれないが、異常があったらすぐ病院で検査をした方がいいだろう。
3.何らかの事情で、学校に足が向かない生徒が通うための施設を作ることにしました。
4.予約するのがめんどくさく感じるので、予約制の店には足が向かない。
5.今日はバイトに足が向かないので、お休みの連絡をすることにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、何となくその方向へは行かなくなることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「足が向かない」はややマイナスのイメージで使われている言葉です。

「足が遠のく」と「足が向かない」はどちらもその場所へ行かなくなることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、過去形の表現なのが「足が遠のく」、現在進行形の表現なのが「足が向かない」と覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター