似た日本語の「旧倍」(読み方:きゅうばい)と「倍旧」(読み方:ばいきゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「旧倍」と「倍旧」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。
「旧倍」と「倍旧」の違い
「旧倍」は「倍旧」の間違い
「旧倍」と「倍旧」の違いを分かりやすく言うと、「旧倍」とは「倍旧」の間違った使い方、「倍旧」とは以前よりも程度が増すことです。
「旧倍」は誤字
一般的には「旧倍」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちが似ていることから、「倍旧」のことを間違えて「旧倍」を使っている人がほとんどです。
「倍旧」は正しい日本語
正しい言葉である「倍旧」を使った分かりやすい例としては、「本年も倍旧のご愛顧を願い上げます」「今年も倍旧のお引き立てをお願い申し上げます」「今後とも倍旧のご交誼を賜わりますようお願い申し上げます」などがあります。
「倍旧」という言葉はあっても、「旧倍」という言葉は存在しません。同時に「倍旧」という単語の意味について「以前よりも程度が増すこと」と覚えておきましょう。
「倍旧」の英語表記
「倍旧」を英語にすると「to being of even greate」「redoubled」「increased」となり、例えば上記の「倍旧のご愛顧を願い上げます」を英語にすると「We look forward to being of even greater service to you in future」となります。
「旧倍」の意味
「旧倍」とは
「旧倍」とは、「倍旧」の間違った使われ方です。
「旧倍」が間違っている理由
「旧倍」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「倍旧」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「旧倍」と「倍旧」を間違ってしまう原因は二つあります。一つ目は「旧倍」と「倍旧」は漢字を入れ替えた言葉なので、勘違いして覚えてしまっているという点です。
二つ目は「倍旧」と似た意味を持つ「旧に倍して」を省略した言葉と勘違いしているという点になります。「旧に倍して」はこれまでよりも一層程度を増すことを意味しているめ、以前よりも程度が増すことを意味する「倍旧」と非常に似た意味を持っています。
ただし、「旧に倍して」を省略した「旧倍」という言葉は日本語として存在しないので、間違って使わないように気をつけましょう。
間違った言葉である「旧倍」の「倍」を使った別の言葉としては、やられた以上に手ひどく仕返しをすることを意味する「倍返し」、2倍に増えることを意味する「倍増」、増して2倍にすることを意味する「倍増し」などがあります。
「倍旧」の意味
「倍旧」とは
「倍旧」とは、以前よりも程度が増すことを意味しています。
表現方法は「倍旧のご厚情」「倍旧のご交誼」「倍旧のお引き立て」
「倍旧のご厚情」「倍旧のご交誼」「倍旧のお引き立て」「倍旧のご支援」「倍旧のご愛顧」「倍旧のご指導」などが、「倍旧」を使った一般的な言い回しになります。
「倍旧」の使い方
「倍旧」を使った分かりやすい例としては、「倍旧のご支援お願い申し上げます」「今後は倍旧の努力をしていく所存です」「引き続き倍旧のご高配を賜りたく切にお願い申し上げます」「社の発展に向けて倍旧の努力をいたします」などがあります。
「倍旧」は増やすことを意味する「倍」に、もとや以前のことを意味する「旧」が合わさり、以前よりも程度が増すことの意味で使われている名詞です。名詞とは自立語で活用がなく、文の主語となることができるものことを意味しています。
「倍旧」はビジネスシーンでよく使われる
「倍旧」は日常生活ではあまり使われていない言葉で、基本的にビジネスシーンおいて使われることが多いです。
主に、「倍旧のご支援賜わりますようお願い申し上げます」「倍旧のご愛顧何卒よろしくお願いいたします」などのように、相手からの支援や応援などが、ますます増えていくことを願って使います。
「倍旧」はビジネスメールや手紙などの締めの言葉として使うのが特徴です。かしこまった文書において、「今後ともよろしくお願いします」では相手に軽い印象を与えるため、より丁寧な表現である「倍旧」を使うようになったと言われています。
「倍旧」の注意点
「倍旧」を使う上で注意しなければならないのは、「より一層の倍旧のご厚情お願い申し上げます」「益々の倍旧のお引き立てお願い申し上げます」などのように、より丁寧に表現して「倍旧」の前に同じ意味の言葉を使わないという点です。
同じ言葉の意味を重ねて使うのは誤用なので、使わないように気をつけましょう。
「倍旧」の類語
「倍旧」の類語・類義語としては、程度が一段と進むことを意味する「一層」、程度が一層甚だしくなることを意味する「益々」、程度が度合いがはるかに超えることを意味する「更なる」などがあります。
「旧倍」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「倍旧」という言葉を間違えて「旧倍」と表現している時などが挙げられます。
「旧倍」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「倍旧」を間違えて使っている可能性が高いです。
「旧倍」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「旧倍」ではなく、「倍旧」と表現するのが正しい使い方になります。
「倍旧」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、以前よりも程度が増すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「倍旧」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。
「旧倍」と「倍旧」どちらを使うか迷った場合は、「旧倍」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「倍旧」を使うようにしましょう。