似た意味を持つ「価格」(読み方:かかく)と「価額」(読み方:かがく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「価格」と「価額」という言葉は、どちらも「品物の金額」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
価格と価額の違い
価格と価額の意味の違い
価格と価額の違いを分かりやすく言うと、価格とは品物を売買する時の金額、価額とは品物の値打ちを評価した金額という違いです。
価格と価額の使い方の違い
一つ目の価格を使った分かりやすい例としては、「お手ごろ価格のアクセサリーを買いました」「低価格帯のスマホを探しています」「価格交渉は失敗に終わりました」「食料品の価格高騰はいつまで続くのだろうか」などがあります。
二つ目の価額を使った分かりやすい例としては、「保険価額の決め方を教えてください」「時価は一般的な売買価額のことです」「価額弁償により返還義務を免れる」「運用会社が基準価額を1日1回算出します」などがあります。
価格と価額の使い分け方
価格と価額という言葉は、どちらも物やサービスの金額を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
価格とは、品物やサービスの対価として支払う金額を意味します。売り手の決めた価格であったり、売り手と買い手の間で合意された値段のことです。買い手が値段を安くしてくれるよう売り手に頼むことを「価格交渉」と言います。
価額とは、品物やサービスの値打ちに相当する金額を意味し、法律用語として物や財産の金銭的価値を表すことに用いられる言葉です。例えば、50万円で買った掛け軸でも、鑑定士によって客観的に5万円の価値しかないと評価されれば、その掛け軸の価額は5万円となります。
つまり、価格とは品物を売買する際の値段であり、価額とは品物の値打ちに相当する金額のことです。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
価格と価額の英語表記の違い
価格を英語にすると「price」「cost」となり、例えば上記の「お手ごろ価格」を英語にすると「an affordable price」となります。一方、価額を英語にすると「valuation」「value」「amount」となり、例えば上記の「保険価額」を英語にすると「the insurance value」となります。
価格の意味
価格の使い方
価格とは、商品の価値を貨幣で表したもの、値段を意味しています。
価格の使い方
価格を使った分かりやすい例としては、「このテレビの値段は税込価格ですか」「全ての価格が上昇していて家計は火の車です」「価格ドットコムでエアコンの値段を比較しています」「中小企業の価格転嫁率を調査しています」などがあります。
その他にも、「下請け業者に価格の据え置きを強いる」「価格弾力性が高いと価格変動が販売量に影響します」「一部製品の価格改定をいたします」「価格高騰重点支援給付金はいつ支給されるのだろう」などがあります。
価格の「価」は訓読みで「あたい」と読み、物のねうちに匹敵し相当するものを表す漢字です。一定の枠を表す「格」と結び付き、価格とは、物の価値を貨幣で表したものを意味します。売り手と買い手の自由競争のもとで成立する競争価格と、競争が制限されて成立する独占価格に大別されます。
「価格転嫁」の意味
価格を用いた日本語には「価格転嫁」(読み方:かかくてんか)があります。価格転嫁とは、原材料費の上昇分や人件費などのコスト増加分などを製品やサービスの価格に反映させることを意味します。企業の収益性を確保しようとする企業戦略の一つです。
価格の類語
価格の類語・類義語としては、売買されるときの金額を意味する「値」、種々の財やサービスの平均的な価格を意味する「物価」、商品などの1個当たり値段を意味する「単価」、具体的な数字で表される金銭の量を意味する「金額」、物価や相場を意味する「プライス」などがあります。
価額の意味
価額とは
価額とは、品物の値打ちに相当する金額を意味しています。
価額の読み方
価額の読み方は「かがく」です。誤って「かかく」「かこう」などと読まないようにしましょう。
価額の使い方
価額を使った分かりやすい例としては、「財産の価額は時価によります」「全面価格賠償の方法により共有物を分割する」「賃貸人に対して価額償還請求できますか」「価額協定保険特約と新価保険特約の違いが分かりません」などがあります。
その他にも、「売買価額の総額を土地と建物に按分する」「価額協定保険特約とは何のことですか」「価額賠償の法的性質について解説します」「固定資産税評価額の計算方法をご存知でしょうか」などがあります。
価額の「価」は物の値打ちに相当する金銭を表し、「額」は金銭の量を表します。価額とは、品物の値打ちに相当する金額を意味し、より客観的に評価された金額を表現する言葉です。例えば、保険の対象を金銭的に評価した金額を「保険価額」と言います。
「基準価額」の意味
価額を用いた日本語には「基準価額」(読み方:きじゅんかがく)があります。基準価額とは、日々算出される投資信託の価額を意味します。投資信託の一口当たりの純資産価値のことであり、組み入れている株式や公社債などの値動きによって変化するものです。
価額の類語
価額の類語・類義語としては、株式等の保有資産を時価で評価した場合の価値を意味する「評価額」、金銭に換算した価値や値段を意味する「金目」、値段を見積もってつけることを意味する「値踏み」、値打ちや対価あるいは評価を意味する「バリュー」などがあります。
価格の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、製品やサービスの対価として支払うべき金銭価値を表現したい時などが挙げられます。
例文3の「価格ドットコム」とは、さまざまな商品の値段を比較することのできるサービスを提供しているWebサイトの名称です。
価額の例文と使い方
この言葉がよく使われる場面としては、品物の値打ちにあたる金額を表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2にある「取得価額」(読み方:しゅとくかがく)とは、物品や物件を購入した額のことですが、購入のために要した手数料等の費用も含まれるものです。
価格と価額という言葉は、どちらも「商品の金額」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、商品を売買する時の金額を表現したい時は「価格」を、商品の値打ちを評価した金額を表現したい時は「価額」を使うようにしましょう。