似た意味を持つ「フィックス」と「コミット」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「フィックス」と「コミット」という言葉は、「確定すること」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
フィックスとコミットの違い
フィックスとコミットの意味の違い
フィックスとコミットの違いを分かりやすく言うと、フィックスは最終決定をすることを表現する時に使い、コミットは約束することを表現する時に使うという違いです。
フィックスとコミットの使い方の違い
一つ目のフィックスを使った分かりやすい例としては、「試験を受験するための条件をフィックスする」「フィックス案の確認をする」「フィックス窓のためのカーテンを用意する」などがあります。
二つ目のコミットを使った分かりやすい例としては、「結果にコミットするとはテレビでよく耳にしたものだ」「コミットが決まった先輩にはもとから信頼を寄せていた」「依頼件数の数値を決めてコミットする」などがあります。
フィックスとコミットの使い分け方
フィックスとコミットはどちらも物事を確定することを意味する言葉として使われていますが、意味合いが異なります。
フィックスは、予定などの日時を確定することを意味し、この言葉が使われている場合は最終的な決定であり、変更されることがないことも表します。その他、固定することや修正することも意味します。
一方のコミットは、約束をすることを意味し、場合によっては契約ほどの意味を持つこともあります。また、その物事に深く関与することも意味する言葉です。
つまり、フィックスは物事の最終決定をすることに対して使われ、コミットは他者との間で約束をすることに対して使われます。
フィックスとコミットの英語表記の違い
フィックスを英語にすると「fix」となり、例えば上記の「条件をフィックスする」を英語にすると「fix the terms」となります。
一方、コミットを英語にすると「commit」となり、例えば上記の「結果にコミットする」を英語にすると「We commit to the results」となります。
フィックスの意味
フィックスとは
フィックスとは、決定することを意味しています。
その他にも、固定することや修正することも意味します。
表現方法は「フィックスする」「フィックスさせる」「フィックスでお願いします」
「フィックスする」「フィックスさせる」「フィックスでお願いします」などが、フィックスを使った一般的な言い回しです。
フィックスの使い方
「会議日時をフィックスさせメンバー全員に連絡を入れた」「資料を渡されてこれがフィックス案だと説明を受けた」「フィックス事項として連絡を入れる」などの文中で使われているフィックスは、「決定すること」の意味で使われています。
一方、「フィックス窓のおかげで日当たりが良い」「映像作品を作成する上で初心者はカメラを固定するフィックスから始めるべきだ」「フィックスガラスから見える景色は綺麗だ」などの文中で使われているフィックスは、「固定すること」の意味で使われています。
フィックスは英語で「fix」と表記され、固定することや取り付けること、明確にすることを意味する言葉です。カタカナ語として使う場合も同じような意味で使われ、「フィクス」と表記されることもあります。
「フィックス窓」の意味
上記例文の「フィックス窓」は、固定され動かすことができない窓を指す言葉で、はめ殺し窓とも呼ばれています。大きなフィックス窓であれば太陽の光が部屋に差し込むといったメリットもありますが、外の熱の影響を受けやすいというデメリットもあります。
IT用語のフィックスの意味
また、IT用語として使われるフィックスは「修正すること」や「修正したもの」を意味する言葉として使われています。
フィックスの対義語
フィックスの対義語・反対語としては、まだ決まっていないことを意味する「未定」、その場で決定しないで延ばしたままにすることを意味する「保留」、偶然に任せる様子を意味する「無作為」があります。
フィックスの類語
フィックスの類語・類義語としては、制度や計画をしっかりと立て定めることを意味する「確立」、はっきりと決定することを意味する「決断」、そのままの状態で定着することを意味する「固着」、他の力によって動かないことを意味する「不動」などがあります。
コミットの意味
コミットとは
コミットとは、約束することを意味しています。
その他にも、関与することや関係することも意味します。
表現方法は「コミットする」「フルコミットする」「コミットが足りない」
「コミットする」「フルコミットする」「コミットが足りない」などが、コミットを使った一般的な言い回しです。
コミットの使い方
「政治的にコミットした人は何人もの人に期待されるのだろう」「コミットされるような関係性を望んでいる」「売上目標を会議内でコミットすることになった」などの文中で使われているコミットは、「約束すること」の意味で使われています。
一方、「新しいプロジェクトにコミットする」「今よりも深くコミットしなければならない」「後輩主体ではあるが、コミットしながらも見守りたいところだ」などの文中で使われているコミットは、「関与すること」の意味で使われています。
コミットは英語で「commit」と表記され、委託することや委ねること、約束することを意味する言葉です。他にも、英語では罪やミスを犯すことなども意味しますが、カタカナ語として使われる場合はその意味で使われることはありません。
そのため、「commit」よりも公約や言質を意味する「commitment」の方が意味合いとしては近いとされているため、「約束すること」「任されること」「深く関わること」などの意味で使われています。
コミットの対義語
コミットの対義語・反対語としては、無いものとすることを意味する「反故」、手を出さないで傍で見ていることを意味する「傍観」があります。
コミットの類語
コミットの類語・類義語としては、互いの意思が一致することを意味する「合意」、約束を取り交わすことを意味する「契約」、計画などに関わることを意味する「参与」、ある事柄と他の事柄との間につながりがあることを意味する「関連」などがあります。
フィックスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、決定することなどが挙げられます。
例文3の「フィックス型」とは、電子書籍のタイプの一つであり、文字の表示サイズや図表、レイアウトが固定されて変更できないものを指します。
例文5の「バグフィックス」とは、プログラム上でバグが発生した際それを修正することや修正を行ったものを指す言葉です。
コミットの例文
この言葉がよく使われる場面としては、約束することなどが挙げられます。
例文5の「フルコミット」とは、全責任を負うことや案件などに対して最大限の努力をすることを意味する言葉です。
フィックスとコミットは、どちらも「確定すること」を表します。どちらを使うか迷った場合は、最終決定をすることを表す場合は「フィックス」を、約束することを表す場合は「コミット」を使うと覚えておけば間違いありません。