【予言】と【預言】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「よげん」という読み方、似た意味を持つ「予言」と「預言」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「予言」と「預言」という言葉は、読み方は同じでも意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




予言と預言の違い

予言と預言の意味の違い

予言と預言の違いを分かりやすく言うと、予言とは将来起こることを言い当てることを意味していて、預言とは神から預かった言葉とそれを伝えることを意味しているという違いです。

予言と預言の使い分け方

一つ目の「予言」は「将来のことを事前に言い当てる」という意味の言葉です。予言には、科学的なデータに基づいたものもあれば、例えば「占い師が今年の運勢を予言する」のように非科学的なものもあります。

予言は人間が普通は見通すことの出来ない未来の出来事を言葉にして語ることです。「予測」(読み方:よそく)は客観的な根拠に基づいたというニュアンスを持ちますが、「予言」には「普通の人ではすることが出来ない」という超人的なニュアンスがあります。

「大地震を予測する」と「大地震を予言する」で考えてみましょう。予測するという言葉を使うと、研究チームが地形や地盤、過去のデータなどを駆使して今後数十年の地震の発生確率と予想される被害などを具体的な数字にして示すことなどが連想されます。

それに対して予言するという言葉の場合、客観的なデータは必ずしも必要とされません。オカルト的な力で未来を見通すことも予言に入ります。また大地震の後で過去の研究がはじき出した予測が「今考えるとあれは一種の予言だった」と考えられることもあります。

この場合、この予測はもはや客観的な可能性を示しただけのものとは考えられていません。他の誰からも見向きもされなかった警世の言葉として受け止められています。この予測は、普通の人には到底出来ない離れ業と考えられているため、予言と言い表されているのです。

予言は予測と同じ言葉だと説明されることがありますが、厳密に言えば以上のようなニュアンスの違いがあります。予言には「離れ業、超人的」と言ったニュアンスが含まれているので、予言と予測を単純に置き換えることは出来ません。

例えば天気予報を天気の予測と言い換えることは出来ますが、天気の予言とは呼べません。

というのも、天気予報には一般的にアメダスの観測データが用いられ、それを多くの気象予報士が用いているからです。天気予報には、「予言」という言葉の持つ「他の人には出来ない」という要素が欠けているからです。

二つ目の「預言」は「神から言葉を預かりそれを人々に伝えること、またその言葉」を意味する言葉です。預言は宗教的な物事に限って使われ、特にキリスト教、ユダヤ教、イスラム教にとって大切な言葉です。

聖書の中には預言が含まれていると考えられています。つまり聖書とは、人間が創作した宗教物語なのではなく、神の言葉を書き記したものだとされています。預言にはそれを授かる預言者がいますが、彼らが神の言葉を聞き、文字に起こしたものが聖書です。

予言と預言の違いにとって大切なのは、予言は必ず未来のことを述べていますが、預言は必ずしも未来のことを述べてはいない、ということです。

もちろん、預言の中には将来何が起こるかを告げる予言的なものもあります。例えばいわゆるバビロン捕囚は、神がユダヤ人に対してバビロンで70年間捕囚になることを事前に知らせたものとして、よく知られています。

ですが、預言の中には将来とは関係のないものもあります。例えば新約聖書の『ヨハネによる福音書』の中には、イエスが神の言葉によって女性の過去を見通したことで、女性がイエスを預言者だと認めたというくだりがあります。

預言とは神から授けられる言葉のことで、この言葉は「啓示」(読み方:けいじ)やインスピレーションである場合もあります。つまり、神の言葉は人間の言葉とは違うのです。預言者はそれを解釈し、人間の言葉で一般の人々に伝える役目を持っています。

予言の意味

予言とは

予言とは、将来起こることを言い当てる言葉を意味しています。

ノストラダムスの大予言が有名

例えばノストラダムスの大予言というものが一時期とても話題になりました。色々な解釈がありましたが、1999年に人類が破滅することを予言したものだと考えられています。

ノストラダムスが生きたのは16世紀だったので、1999年は400年以上の未来のことです。それほど先の時代に何が起こるのかを予測し、またそのスケールの大きさから、これは「大予言」と呼ばれています。

ノストラダムスの大予言は占星術師に基づくものでした。ノストラダムスが生きた16世紀は科学的世界観の胎動期で、人々はまだ魔術的な世界観の中にもいました。占星術は現代では魔術的なものと考えられていますが、当時は科学でもありました。

ノストラダムスの大予言は、占星術を科学と見なすならば客観的な予測です。予測という言葉には、客観的なデータに基づいて未来のことを見通すというイメージがあります。

「ノストラダムスの大予言」が予言と呼ばれるのは、オカルト的だからというのも大きな理由としてありますが、それとは別に、ノストラダムスが人並外れたことをなしているからです。

予言の使い方

「予言」という言葉には、単にデータを駆使して未来を予測する意味だけではなく、その予測が「人並外れた偉業である」という意味合いが込められています。

予測の中でも、ある種の超人的な能力によってなされ、また人間の社会に対する警告の意味を持つような遠大な規模を持つものが、特に予言と呼ばれるのです。予言という言葉は宗教的なものではないですが、それでも何か神秘的で魔術的な響きを持っています。

予言と予測を同じ言葉だと解説する本や記事がありますが、それらは厳密には正しくありません。予言は超人的な予測のことです。そのため予言を予測と置き換えたり、予測を予言と言い換えることは出来ません。ニュアンスが相当変わってしまいます。

表現方法は「予言する」「予言が当たる」「予言が外れる」

「予言する」「予言が当たる」「予言が外れる」などが、予言を使った一般的な言い回しです。

予言の対義語

予言の対義語・反対語としては将来起こることを予め知ることを意味する「前知」、将来起こる可能性を意味する「見込み」などがあります

予言の類語

予言の類語・類義語としては、これから起こることを前もって知ることを意味する「予知」、これから何かが起こりそうだと感じることを意味する「予感」などがあります。

預言の意味

預言とは

預言とは、神から預かった言葉、またそれを人々に伝えることを意味しています。

表現方法は「預言者」「預言書」「預言カフェ」

「預言者」「預言書」「預言カフェ」などが、預言を使った一般的な言い回しです。

預言の使い方

預言という言葉は宗教上の物事に限って使われ、特にキリスト教、ユダヤ教、イスラム教などで重要視されています。

聖書の中には、数多くの預言が含まれていると考えられています。聖書は確かに人間が書いたものなのですが、小説のように書き手の頭の中にあるイメージが具現化したものではなく、神から授かった言葉を人間の言葉にして記したものが聖書だと考えられています。

神の言葉は人間の言葉と違うため、普通の人はそれを理解することが出来ません。神から言葉を授かる人、つまり預言者は、例えば啓示やインスピレーションなどの形で自らに伝えられる神の言葉を、一般の人に分かる、秩序のある形で伝えることを役目としています。

預言は未来のことを述べない

予言と預言の違いにとって大切なのは、予言は必ず未来のことを述べていますが、預言は必ずしも未来のことを述べてはいない、ということです。

もちろん、預言の中には予言的なものも多くあります。例えばユダヤ人は祖国を持たない民として知られていますが、彼らが世界中に散り散りになることが聖書の預言の一つにあります。これは予言でもある預言です。

ですが、預言の中には将来とは関係のないものもあります。例えば聖書の中には、人々が神に助けを求めた時、神は預言者を介して、彼らが神の命に背いたので助けはしないと伝えたことが書かれている箇所があります。

預言の類語

預言の類語・類義語としては、神が自分の考えを神官などに告げることを意味する「神託」、神の導き、言語ではなく、特に感覚的なものを意味する「天啓」、神託の俗語で、神以外にも超常的なひらめきなどに対しても使われる「神のお告げ」などがあります。

予言の例文

1.テレビで占い師が日本の2020年の予言をしていた。
2.この占い師の2019年の予言は的中したから、今度の予言も信じてもいいのかもしれない。
3.ネットの掲示板で未来人を名乗る人物が将来の世界情勢について予言をしていた。
4.今思うとあの研究はまさに地震を予言したものだったのに、当時は誰も見向きもしなかった。
5.共産主義革命という予言が信じられていた時代は、もう終わった。
6.あの地震が起こる年月を予言した人がいたとネットで話題になっていたが、なりすましのような人物がたくさん出てきて結局真相はわからなかった。
7.私は子供の頃にノストラダムスの大予言を本当に信じていて、どうせ地球は滅びると思っていたので真面目に勉強しませんでした。
8.ほら私の予言した通り、この街は大発展したじゃないか。もしその時土地を購入していたら大儲けできたのにね。
9.その占い師は社長に重大な危険が迫っていると予言したので、そのとおりに従ったところ難を逃れたというのです。
10.あの経済評論家は相場が上がるというと必ず下がるので、逆の予言者を揶揄されていました。

この言葉がよく使われる場面としては、将来の出来事を言い当てることを表現したい時などが挙げられます。予言とは将来の出来事を言い当てることですが、予測とは微妙にニュアンスが異なります。

予測は客観的なデータに基づいた説明というニュアンスを持つ言葉です。予言にも、例えば例文4のようにデータに基づいたものはありますが、それだけではありません。予言という言葉にはいわば「超人的な偉業」というニュアンスがあります。

予測の中でも並外れていて、他の誰にも真似することが出来ないようなものが予言と考えるとイメージがしやすくなります。それは時として突拍子もないもので、周囲の理解を得られないこともあります。

例文4の場合だと、「他の誰からも見向きもされなかった」という点が、これが単なる予測ではなく予言であることを特徴づけています。

予言は予測とはニュアンスが全く違う言葉なので、置き換えると日本語としてぎこちなくなることも多いです。なのでしっかりとニュアンスを掴んでおいて下さい。

預言の例文

1.モーセやイザヤを始め、数多くの預言者がいる。
2.預言者が現代にもいるのかどうかについては、様々な見解がある。
3.旧約聖書は「律法」「預言書」「諸書」という区分がある。
4.近所の教会に通っている知り合いは、聖書の預言を熱心に信じている。
5.最近は、カフェで預言を行っている人もいるらしい。
6.預言とは未来を言い当てることではなく神からの愛の言葉で、生きる希望や勇気、励まし与えるものです。
7.男は自ら預言者を名乗って神の言葉を聞いたと言っていたが、それを信じるものはいなかった。
8.科学者は宗教的な預言の概念を批判して、理性によって宗教を超えることを目指していた。
9.男は山の洞窟で神から啓示を受け、預言者として、礼拝や喜捨などの宗教的義務を果たした。
10.上司の言葉は、終末の預言というより、週末の預言といったほうがいいのだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、神が授ける言葉を表現したい時などが挙げられます。この言葉は宗教的な物事に限って使われる言葉なので、信徒でない限り、日常生活ではあまり使うことのない言葉です。

預言には将来のことを告げる予言に近いものもありますが、神しか知りえない過去や現在のことを告げる意味の預言もあります。預言という言葉は宗教的な物事に限って使われる言葉ですが、時間の幅で考えると予言よりも広いスパンの言葉だと考えることが出来ます。

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