【ケースメソッド】と【ケーススタディ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ケースメソッド」と「ケーススタディ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ケースメソッド」と「ケーススタディ」という言葉は、「過去の事例を元に考察する方法」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




ケースメソッドとケーススタディの違い

ケースメソッドとケーススタディの意味の違い

ケースメソッドとケーススタディの違いを分かりやすく言うと、ケースメソッドは過去の事例を主観的に考える方法を表現する時に使い、ケーススタディは過去の事例を客観的に見つめる方法を表現する時に使うという違いです。

ケースメソッドとケーススタディの使い方の違い

一つ目のケースメソッドを使った分かりやすい例としては、「ケースメソッド教育は教育分野で取り入られていることが多くなった」「ケースメソッド教授法を身につけるためにも自分が経験しておきたい」などがあります。

二つ目のケーススタディを使った分かりやすい例としては、「いくつかのケーススタディを読んでみる」「ケーススタディ分析を行うことで今後の施策を練る」「ケーススタディのためにデータ収集を行う」などがあります。

ケースメソッドとケーススタディの使い分け方

ケースメソッドとケーススタディはどちらも、過去の事例を元に解決策か改善策などを考察する方法を指す言葉ですが、使い方が若干異なります。

ケースメソッドは、過去に起きた実際の出来事において自身を登場人物として考え、解決策や改善策を見出す方法を指す言葉です。課題解決能力、問題の分析力や決定能力などを身につけるために学習者が討論を繰り返す手法です。

一方のケーススタディは、過去の事例や起きる可能性のある事例を分析し研究する方法を指す言葉です。ケースメソッド同様に、問題解決能力、分析力や決定能力などを身につけるために行われ、一般的な解答を見出せるようにする手法です。

つまり、ケースメソッドは過去の事例を主観的に考えてアプローチする方法を指し、ケーススタディは過去の事例を客観的に見つめてアプローチする方法を指すという違いがあります。

また、前者は学ぶ側の能動的な姿勢が特徴であり、後者は講師の教えを聞く受動的な姿勢が特徴であると区別されることもあります。

ケースメソッドとケーススタディの英語表記の違い

ケースメソッドを英語にすると「case method」となり、例えば上記の「ケースメソッド教育」を英語にすると「case method education」となります。

一方、ケーススタディを英語にすると「case study」となり、例えば上記の「いくつかのケーススタディ」を英語にすると「some case studies」となります。

ケースメソッドの意味

ケースメソッドとは

ケースメソッドとは、過去に起きた実際の出来事において自身を登場人物として考え解決策を見出す方法を意味しています。

ケースメソッドの使い方

ケースメソッドを使った分かりやすい例としては、「ケースメソッド演習では視野を広げる練習が出来る」「ケースメソッド教育は今後様々な教育的場面で行われるべきだと思う」「ケースメソッドの事例として挙げる内容を考える」などがあります。

その他にも、「ケースメソッド研修は個人的に色々な意見が聞けて面白いと思っている」「次回のワークショップはケースメソッド型のようなので事前知識を蓄えたいところだ」「ケースメソッド教授法では個人から集団へと規模を広げるべきだろう」などがあります。

ケースメソッドは英語で「case method」と表記され、「事例研究法」を意味する言葉として使われています。日本語でも同じように使われ、「ケース・メソッド」と表記されることもあります。

表現方法は「ケースメソッド演習」「ケースメソッド教育」

実際に起きた事例を教材として設定し、自分がその場にいたならどうするかを個人で分析し、その内容を参加者全員で意見として出し合い討議を行います。これを上記例文の「ケースメソッド演習」「ケースメソッド教育」などのように表現します。

ケースメソッドの類語

ケースメソッドの類語・類義語としては、後々まで面倒を見たり追跡調査をすることを意味する「フォローアップ」、現実に想定される条件のもと実際に近い状況を作り出すことを意味する「シミュレーション」などがあります。

ケーススタディの意味

ケーススタディとは

ケーススタディとは、過去の事例や起きる可能性のある事例を分析し研究することを意味しています。

ケーススタディの使い方

ケーススタディを使った分かりやすい例としては、「事故を想定したケーススタディに目を通している」「ケーススタディのために関連する知識を徹底的に調べたい」「ケーススタディ試験が行われるため客観的に考える力を養いたい」などがあります。

その他にも、「ケーススタディに正解はないがコツは存在するだろう」「ケーススタディの書き方を習うことになった」「看護や医療分野においてケーススタディが非常に重要なものだと感じる」「ケーススタディに取り組む学生が悩んでいた」などがあります。

ケーススタディは英語で「case study」と表記され、「事例研究」を意味する言葉として使われています。日本語でも同じように使われ、「ケース・スタディ」と表記されることもあります。

実際過去に起きた事例の研究を行い、問題の明確化や解決方法の模作をし、今後に活かします。その間で、物事の分析力や問題解決能力、対処法を身につけることを目的として教育で用いられています。

教育分野はもちろん、新入社員への教育を必要とするようなビジネスシーン、医学や看護分野など様々な場面や分野にて用いられる方法です。

また、企業の選考においてケーススタディが用いられることもあり、面接官が設定した事例に対して採用希望者に解決策を提示してもらう「ケース面接」とも呼ばれています。

ケーススタディの類語

ケーススタディの類語・類義語としては、調べて探すことを意味する「サーチ」調査や測量を意味する「サーベイ」、利用者の反応や意見、それらを実て改良や調整を加えることを意味する「フィードバック」などがあります。

ケースメソッドの例文

1.ケースメソッド型授業は、単なる講義の聴講ではなく、最終的に参加者で討論を行うため参加人数が制限されているそうだ。
2.ケースメソッド教育が用いられるようになれば、子どもたちの多くも興味を持つものを見つけ、学びを深めてくれるだろうか。
3.自分が主人公になったつもりで進めるケースメソッドは、問題解決までの疑似体験を行うことができる。
4.グループディスカッションを伴うケースメソッドを繰り返すことで、コミュニケーション能力の向上も見込める。
5.最初は話すことに慣れていない人でも発言する時間を必ず作ることでケースメソッドに慣れていけると感じる。

この言葉がよく使われる場面としては、過去に起きた実際の出来事において自身を登場人物として考え解決策を見出す方法を意味する時などが挙げられます。

例文3のように主観的に考えることについて触れている場合や、参加者によって討論を行う場合には、ケースメソッドを「ケーススタディ」に置き換えて表すことはできません。

ケーススタディの例文

1.ケーススタディを通して目の前の問題や関係者と向き合うことができるため、個人的には好きな作業だ。
2.ケーススタディを進める方法を学び、書き上げたものを上司に一度見せ、合格点をもらうことができた。
3.ケーススタディの例題の解説を見て、求められる視点や考え方をある程度知っておきたいと思っている。
4.新入社員の研修ではケーススタディと呼ばれる手法を紹介し、実際に取り組んでもらうことになっている。
5.ケーススタディを作成するコツを数回に渡って学んだことで、いつも以上にクレーム対応から得られることが多くなったと思う。

この言葉がよく使われる場面としては、過去の事例や起きる可能性のある事例を分析し研究する方法を意味する時などが挙げられます。

例文2や例文3などのように、「書面」「書き上げる」といった表現を伴い、参加者による討論は行われない場合には、ケーススタディを「ケースメソッド」に置き換えて表すことはほとんどありません。

ケースメソッドとケーススタディは、どちらも「過去の事例を元に考察する方法」を表します。

どちらを使うか迷った場合は、過去の事例を主観的に考える方法を表す場合は「ケースメソッド」を、過去の事例を客観的に見つめる方法を表す場合は「ケーススタディ」を使うと覚えておけば間違いありません。

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