【企業風土】と【社風】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「企業風土」(読み方:きぎょうふうど)と「社風」(読み方:しゃふう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「企業風土」と「社風」という言葉は、どちらも「会社の特性」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




企業風土と社風の違い

企業風土と社風の意味の違い

企業風土と社風の違いを分かりやすく言うと、企業風土とは会社で培われた価値観を表し、社風とは従業員が感じる会社の雰囲気を表すという違いです。

企業風土と社風の使い方の違い

一つ目の企業風土を使った分かりやすい例としては、「創業者の考えは企業風土の形成に大きく影響します」「社員の価値観と企業風土をAIで分析する」「多様性を大事にする企業風土を醸成していきます」などがあります。

二つ目の社風を使った分かりやすい例としては、「この会社の自由な社風が気に入っています」「社風が合わないことが転職理由の一つになっています」「英語ができないとバカにされるような社風があります」などがあります。

企業風土と社風の使い分け方

企業風土と社風という言葉は、どちらも企業がそれぞれ持っている価値観や雰囲気を表す言葉ですが、意味や使い方には違いがあります。

企業風土とは、従業員の行動に影響を及ぼすと考えられる労働環境の特性を意味します。企業風土は自然発生的なもので、長年の企業活動によって少しずつ蓄積されるものです。企業全体に根付いている価値観やルールであるため、なかなか変化するものではありません。

社風とは、その会社特有の気風を意味し、従業員が感じるその会社の雰囲気や特徴を指す言葉です。社風は、企業風土を基盤にして生まれる企業の雰囲気や印象であり、経営陣の刷新などで容易に変わる可能性があります。

つまり、企業風土とは長い時間をかけて会社で培われた価値観であり、社風とは従業員が感じる会社の雰囲気や特徴を表します。二つの言葉は同義語ですが、使い方には違いがあるので注意してください。

企業風土と社風の英語表記の違い

企業風土も社風も英語にすると「corporate climate」「corporate culture」となり、例えば上記の「企業風土の形成」を英語にすると「the formation of a company’s corporate culture 」となります。

企業風土の意味

企業風土とは

企業風土とは、従業員に、ある特定の考え方や行動様式を植え付ける、その企業独特の環境を意味しています。

企業風土の読み方

企業風土の読み方は「きぎょうふうど」です。誤って「きぎょうふうと」「きぎょうふと」などと読まないようにしましょう。

企業風土の使い方

企業風土を使った分かりやすい例としては、「営業偏重の企業風土にストレスを感じます」「各社の企業風土を一覧表にしてみました」「良い企業風土とはどんなものですか」「意図せず悪い組織風土を浸透させてしまった」などがあります。

その他にも、「企業風土の改革は競争力強化につながります」「企業風土が組織の強みになっています」「コーセーの企業風土が知りたいです」「外資系への転職は企業風土や自分の英語力が不安です」などがあります。

企業風土の「風土」とは、その土地の気候や地質あるいは景観などのありさま、人間の文化形成などに影響を及ぼす精神的な環境を表します。企業風土とは、「組織風土」とも言い、時間をかけて企業に根づいた考え方や価値観などを指す言葉です。

「企業風土の改革」の意味

上記例文にある「企業風土の改革」とは、企業の考え方や環境を時代に合わせて変革していく取り組みを意味します。長い時間をかけて培われた企業風土を変えることは容易ではありませんが、企業風土が成長を妨げていたりする場合は改革する必要があるでしょう。

企業風土の類語

企業風土の類語・類義語としては、従業員が共通してもつ仕事観や行動様式を意味する「企業文化」、職場内の人間関係や室内環境を意味する「職場環境」、ある集団や地域内の人々に共通する気質を意味する「気風」などがあります。

社風の意味

社風とは

社風とは、その会社に特有の気風を意味しています。

社風の読み方

社風の読み方は「しゃふう」です。誤って「しゃふ」「じゃふう」などと読まないようにしましょう。

社風の使い方

社風を使った分かりやすい例としては、「風通しの良い社風と自由闊達な組織風土が魅力です」「志望動機の一つに御社の社風があります」「社風に合わないという理由で不採用になりました」などがあります。

その他にも、「社風が合わないので会社を辞めたいです」「社風が合わないことがストレスになっている」「大手企業の社風に関する記事一覧をチェックする」「社風の調べ方を教えてもらえませんか」などがあります。

社風の「風」は訓読みで「かぜ」「ならわし」と読み、人々に影響を与えてなびかせることや習わしを表します。会社の略語である「社」と組み合わさり、社風とは、企業がこれまでに培ってきた独自の雰囲気や文化あるいは価値観を意味します。

「風通しの良い社風」の意味

上記の例文にある「風通しの良い社風」とは、社員同士のコミュニケーションが活発で、職場で自分の意見を言いやすい雰囲気があることを表します。風通しが良い社風は、働きやすさの一つと考えられています。

社風の類語

社風の類語・類義語としては、団体や組織などがもつ性質や特徴を意味する「体質」、組織内部での意思や情報の通じる具合を意味する「風通し」、その家に特有の気風や習慣を意味する「家風」などがあります。

企業風土の例文

1.企業風土の強みを活かして、従業員のモチベーションを維持しています。
2.もし業績が悪化しているのならば、企業風土の改革に取り組みましょう。
3.企業風土の形成に関わる要素には、大きく分けてハード面とソフト面があります。
4.企業風土が悪いと言われる会社では、不健全な会社運営となっていることがほとんどです。
5.現場の声がトップに伝わらないような雰囲気では、良い企業風土とは言えません。

この言葉がよく使われる場面としては、組織を構成するメンバー間で共通認識となっている価値観やルールを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、企業風土という言葉は、主にビジネスシーンで使用されています。

社風の例文

1.志望動機に社風を盛り込むと、人事担当者から高く評価されるでしょう。
2.入社してみると、一般的に言われている社風と社内の雰囲気が違うことはよくあります。
3.社員のインタビュー一覧を読むと、その会社の社風はだいたい分かるでしょう。
4.就活の手始めに、信頼する先輩から社風の調べ方を教えてもらいました。
5.就職して半年が経ちましたが、社風が合わないと感じてストレスを抱えています。

この言葉がよく使われる場面としては、企業の中の人々に共有された行動様式やスタイルを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、社風という言葉は、ビジネスシーンで使用されることが多い言葉です。

企業風土と社風という言葉は、どちらも「会社の特性」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、会社で培われた価値観を表現したい時は「企業風土」を、従業員が感じる会社の雰囲気を表現したい時は「社風」を使うようにしましょう。

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