【難しい】と【厳しい】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「難しい」(読み方:むずかしい)と「厳しい」(読み方:きびしい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「難しい」と「厳しい」という言葉は、どちらも思いどおりに実現することがなかなかできないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「難しい」と「厳しい」の違い

「難しい」と「厳しい」の意味の違い

「難しい」と「厳しい」の違いを分かりやすく言うと、「難しい」よりも「厳しい」の方が無理というニュアンスが強いという違いです。

「難しい」と「厳しい」の使い方の違い

一つ目の「難しい」を使った分かりやすい例としては、「この問題は難しいです」「このままだとポストシーズンへの進出は難しいだろう」「彼は難しい顔をして考え込んでいました」「難しい漢字なので読むことができません」「今日は難しい天気です」などがあります。

二つ目の「厳しい」を使った分かりやすい例としては、「国際情勢が大変厳しいのでしっかりと対応する必要があります」「彼の成績ではプロテストに合格するのは厳しいだろう」「彼女の両親はしつけが厳しい」「今日は寒さが厳しい」などがあります。

「難しい」と「厳しい」の使い分け方

「難しい」と「厳しい」はどちらも思いどおりに実現することがなかなかできないことを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「難しい」よりも「厳しい」の方が無理というニュアンスが強い場合に使います。分かりやすく言うならば、「難しい」=やや無理、「厳しい」=本当に無理と覚えておけば問題ないでしょう。

「彼の成績では東大に合格するのは難しい」とすると、このままで合格するのはやや無理だが、もしかたらできるかもしれないというニュアンスになります。

一方、「彼の成績では東大に合格するのは厳しい」とすると、合格するのはほぼ無理だろうというニュアンスになります。

「難しい」と「厳しい」の英語表記の違い

「難しい」を英語にすると「difficult」「hard」「troublesome」「sullen」となり、例えば上記の「今日は難しい天気です」を英語にすると「The weather looks very doubtful today」となります。

一方、「厳しい」を英語にすると「strict」「severe」「terrible」となり、例えば上記の「今日は寒さが厳しい」を英語にすると「The coldness is terrible today」となります。

「難しい」の意味

「難しい」とは

「難しい」とは、理解や習得がしにくいことを意味しています。その他にも、解決するのが困難なこと、実現するのが不可能に近いこと、人の扱いが面倒であること、好みなどがうるさいことの意味も持っています。

「難しい」の使い方

「説明が難しいので中々覚えられません」「難しい事件なので犯人逮捕には時間がかかるだろう」などの文中で使われている「難しい」は、「理解や習得がしにくいことや解決するのが困難なこと」の意味で使われています。

一方、「遭難してから1週間経っているので生還するのは難しい」「彼は難し年頃だと思いますよ」などの文中で使われている「難しい」は、「実現するのが不可能に近いことや人の扱いが面倒であること」の意味で使われています。

「難しい」は理解や習得がしにくいこと、解決するのが困難なこと、実現するのが不可能に近いこと、人の扱いが面倒であること、好みなどがうるさいこと、 不機嫌であること、 状況などが込み入っていて対処するのがやっかいであるなどの複数の意味を持つ言葉です。

「難しい」は何らかの支障があるために実現することが簡単にはできない場合や、面倒であったり煩わしい場合など、様々な場面で使うことができます。また、日常生活とビジネスシーンのどちらにおいても使われています。

「難しい」の対義語

「難しい」の対義語・反対語としては、理解や習得がしやすいことを意味する「易しい」があります。

「難しい」の類語

「難しい」の類語・類義語としては、物事をするのが非常に難しいことを意味する「困難」、この上なく難しいことを意味する「至難」、分かりにくいことを意味する「難解」、困難であることを意味する「辛い」などがあります。

「厳しい」の意味

「厳しい」とは

「厳しい」とは、厳格で少しの緩みも許さないことを意味しています。その他にも、いい加減な対処が許されないこと、自然現象などの程度が著しいこと、物事の状態が緊迫していることの意味も持っています。

「厳しい」の使い方

「このチームは練習が厳しいので辞める人も多いです」「リストラされたので生活が厳しい」などの文中で使われている「厳しい」は、「厳格で少しの緩みも許さないこといい加減な対処が許されないこと」の意味で使われています。

一方、「今年の夏は暑さが厳しいです」「厳しい国際情勢が続いている」などの文中で使われている「厳しい」は、「自然現象などの程度が著しいことや物事の状態が緊迫していること」の意味で使われています。

「厳しい」は複数の意味を持つ形容詞です。形容詞とは、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使う言葉になります。

「厳しい」は日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面において使うことができる言葉です。

「厳しい」の特徴

「厳しい」は本当に無理な場合に使われるというのが特徴です。例えば、「このままの成績では志望校に合格するのは厳しいだろう」とした場合、このままでは合格するのは無理だということを強調した表現になります。

「厳しい」の対義語

「厳しい」の対義語・反対語としては、悪い影響を与えないことを意味する「優しい」があります。

「厳しい」の類語

「厳しい」の類語・類義語としては、規律や道徳に厳しく不正や怠慢を許さないことを意味する「厳格」、過酷なことを意味する「シビア」、困難や危険な事態が予想されることを意味する「険しい」、厳しすぎることを意味する「過酷」などがあります。

「難しい」の例文

1.これは難しい文章なので、理解するには少し時間を必要とするだろう。
2.この紛争は解決が難しいので、ただ終わるのをひたすら願うしかありません。
3.世の中そんなに甘くないので、努力せずに成功することは難しいだろう。
4.彼と一緒に仕事するのは難しいので、同じチームにならないように祈っています。
5.彼女が服装にうるさい人なので、自然とファッションに気をつけるようになりました。

この言葉がよく使われる場面としては、理解や習得がしにくいことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、解決するのが困難なこと、実現するのが不可能に近いこと、人の扱いが面倒であること、好みなどがうるさいことを表現したい時にも使います。

例文1は解や習得がしにくいこと、例文2は解決するのが困難なこと、例文3は実現するのが不可能に近いこと、例文4は人の扱いが面倒であること、例文5は好みなどがうるさいことの意味で使っています。

「厳しい」の例文

1.所属している部活動は練習が厳しいが、その分得られるものも多いです。
2.最近スマホながら自転車が増えているので、厳しい取り締まりを行うことにしました。
3.我が国は不景気が続いてるので、生活がとても厳しいです。
4.今日は寒さが厳しいので、暖かい格好をして出かけることにしました。
5.彼は厳しい表情をして、記者たちからの質問に答えていました。

この言葉がよく使われる場面としては、厳格で少しの緩みも許さないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、いい加減な対処が許されないこと、自然現象などの程度が著しいこと、物事の状態が緊迫していることを表現したい時に使います。

例文1と例文2は厳格で少しの緩みも許さないこと、例文3はいい加減な対処が許されないこと、例文4は自然現象などの程度が著しいこと、例文5は物事の状態が緊迫していることの意味で使っています。

「難しい」と「厳しい」はどちらも思いどおりに実現することがなかなかできないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「難しい」よりも「厳しい」の方が無理というニュアンスが強いと覚えておきましょう。

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