【キャパオーバー】と【いっぱいいっぱい】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「キャパオーバー」(読み方:きゃぱおーばー)と「いっぱいいっぱい」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「キャパオーバー」と「いっぱいいっぱい」という言葉は、どちらも限界に非常に近い様子のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「キャパオーバー」と「いっぱいいっぱい」の違い

「キャパオーバー」と「いっぱいいっぱい」の意味の違い

「キャパオーバー」と「いっぱいいっぱい」の違いを分かりやすく言うと、「キャパオーバー」はビジネスシーンでも使える、「いっぱいいっぱい」はビジネスシーンでは使えないという違いです。

「キャパオーバー」と「いっぱいいっぱい」の使い方の違い

一つ目の「キャパオーバー」を使った分かりやすい例としては、「退職者が増えたことにより今のままではキャパオーバーになるだろう」「予想以上の来場で会場はキャパオーバーです」「最近仕事が多すぎてキャパオーバーです」などがあります。

二つ目の「いっぱいいっぱい」を使った分かりやすい例としては、「もう鞄はいっぱいっぱいなのでこれ以上入りません」「家事と育児でいっぱいいっぱいで他のことをやる余裕がありません」「私は限界で精神的にいっぱいいっぱいです」などがあります。

「キャパオーバー」と「いっぱいいっぱい」の使い分け方

「キャパオーバー」と「いっぱいいっぱい」はどちらも限界に非常に近い様子のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「キャパオーバー」はフォーマルな表現なので、ビジネスシーンにおいても使うことができます。一方、「いっぱいいっぱい」はカジュアルな表現なので、ビジネスシーンにおいてはあまり適していないというのが違いです。

「キャパオーバー」と「いっぱいいっぱい」の英語表記の違い

「キャパオーバー」を英語にすると「overwhelmed」「over capacity」「swamped」となり、例えば上記の「最近仕事が多すぎてキャパオーバーです」を英語にすると「I’ve been overwhelmed with work lately」となります。

一方、「いっぱいいっぱい」を英語にすると「I’m swamped」「I’ve hit my limit」となり、例えば上記の「私は限界で精神的にいっぱいいっぱいです」を英語にすると「I’ve hit my limit. I’m mentally exhausted」となります。

「キャパオーバー」の意味

「キャパオーバー」とは

「キャパオーバー」とは、限界を超えてしまう状態のことを意味しています。

「キャパオーバー」の使い方

「キャパオーバー」を使った分かりやすい例としては、「アクシデントが連続で起りキャパオーバー寸前です」「容量が多すぎてパソコンがキャパオーバー気味だ」「仕事と育児でキャパオーバーの状態です」「やることが多すぎてキャパオーバーだ」などがあります。

「キャパオーバー」は限界を超えてしまう状態のことを意味する和製英語です。

「キャパオーバー」はフォーマルな表現なので、ビジネスシーンにおいても使うことができます。また、日常生活にもおいても使うことができると覚えておきましょう。

「キャパオーバー」の注意点

「キャパオーバー」を使う上で注意しなければならないのは、和製英語なので英語圏においては使用されていないという点です。そのため、日本以外で「キャパオーバー」を使用しても通じません。

和製英語とは、日本で英語の単語をつなぎ合わせたり変形させたりして、英語らしく作った語のことを意味しています。

また、「キャパオーバー」を英語で正確に表すと「Over capacity」オーバーキャパシティとなります。

「キャパオーバー」の類語

「キャパオーバー」の類語・類義語としては、ある状態をぎりぎり保っていることを意味する「かつかつ」、必要な程度や数量を越えて多いことを意味する「過剰」などがあります。

「いっぱいいっぱい」の意味

「いっぱいいっぱい」とは

「いっぱいいっぱい」とは、少しの余裕もないことを意味しています。

「いっぱいいっぱい」の漢字表記

「いっぱいいっぱい」を漢字にすると、「一杯一杯」と表記することができます。

「いっぱいいっぱい」の使い方

「いっぱいいっぱい」を使った分かりやすい例としては、「たくさん注文を受けていっぱいいっぱいです」「今はいっぱいいっぱいなのですぐに対応することは難しそうです」「あれこれ悩み過ぎていっぱいいっぱいだ」などがあります。

「いっぱいいっぱい」は少しの余裕もないことを意味する形容動詞です。形容動詞とは活用のある自立語で、文中において単独で述語になることができます。

「いっぱいいっぱい」の注意点

「いっぱいいっぱい」を使う上で注意しなければならないのは、カジュアルな表現なのでビジネスシーンにおいて使用するのは適していません。

ただし、同僚や目下の人に対して使用するのは問題ないので、上司や取引先などの目上の人に対しては使えないと覚えておきましょう。

「いっぱいいっぱい」の類語

「いっぱいいっぱい」の類語・類義語としては、それ以上他のことをする余裕のないことを意味する「手一杯」、物事のこれ以上あるいはこれより外には出られないというぎりぎりの範囲のことを意味する「限界」などがあります。

「キャパオーバー」の例文

1.たくさんの仕事の指示を受けたが、私の能力ではキャパオーバーです。
2.あれこれ考えすぎて、完全にキャパオーバーの状態です。
3.仕事と育児でキャパオーバーになりつつあるので、家事育児の分担について夫と話し合いをすることにしました。
4.離職者が続出しているので、新しい人が入って来なければキャパオーバーになるだろう。
5.大量の製品を注文してしまったせいで、倉庫はキャパオーバーです。

この言葉がよく使われる場面としては、限界を超えてしまう状態のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「キャパオーバー」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「いっぱいいっぱい」の例文

1.値引きもここまででいっぱいいっぱいなので、これ以上下げることはできません。
2.家事と育児でいっぱいいっぱいなので、趣味を楽しむ余裕がありません。
3.たくさんのアドバイスを一度に聞いたので、頭がいっぱいいっぱいです。
4.銀行からもいっぱいいっぱい借りているので、これ以上お金を借りる当てがありません。
5.精神的にいっぱいいっぱいなので、しばらく一人でゆっくり過ごすことにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、少しの余裕もないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「いっぱいいっぱい」は日常生活で使われている言葉です。

「キャパオーバー」と「いっぱいいっぱい」はどちらも限界に非常に近い様子のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ビジネスシーンで使えるのが「キャパオーバー」、ビジネスシーンで使えないのが「いっぱいいっぱい」と覚えておきましょう。

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