【分娩】と【出産】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「分娩」(読み方:ぶんべん)と「出産」(読み方:しゅっさん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「分娩」と「出産」という言葉は、どちらも「子どもを産むこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




分娩と出産の違い

分娩と出産の意味の違い

分娩と出産の違いを分かりやすく言うと、分娩とは医学的な表現、出産とは一般的な表現という違いです。

分娩と出産の使い方の違い

一つ目の分娩を使った分かりやすい例としては、「自然分娩と帝王切開はどっちが痛いのだろう」「分娩時の呼吸法を習いました」「異常分娩は保険適用になります」「回旋異常のために分娩が進行していません」などがあります。

二つ目の出産を使った分かりやすい例としては、「出産祝いの相場をネットで検索する」「出産予定日の計算方法を教えてください」「出産育児一時金はいつごろ支給されますか」「女の子向きの出産祝いには可愛い実用品が人気です」などがあります。

分娩と出産の使い分け方

分娩と出産という言葉は、どちらも母親が赤ちゃんを産むことを表しますが、厳密な使い方には違いがあります。

分娩とは、赤ちゃんが母体の外に出てきて、妊娠を終了することを意味する医学的な用語です。「出産」や「お産」の同義語ですが、多くは医療の現場で使用されています。「異常分娩」とは、帝王切開や鉗子分娩などの医療行為を伴う分娩を指します。

出産とは、妊婦が赤ちゃんを産むこと、子が生まれることを意味します。「お産」や「分娩」とも呼ばれる行為ですが、出産は一般的に広く使用される言葉です。「出産祝い」とは、赤ちゃんの誕生を祝って贈るプレゼントや現金などのことです。

つまり、分娩とは医療用語であり、出産とは一般に使用されている言葉です。二つの言葉の意味は同じですが、使い方には違いがあるので注意しましょう。

分娩と出産の英語表記の違い

分娩も出産も英語にすると「delivery」「childbirth」となり、例えば上記の「自然分娩」を英語にすると「natural childbirth」となります。

分娩の意味

分娩とは

分娩とは、胎内の子を体外に産み出すこと、出産を意味しています。

分娩の読み方

分娩の読み方は「ぶんべん」です。誤って「ふんべん」「ぶんめん」などと読まないようにしましょう。

分娩の使い方

分娩を使った分かりやすい例としては、「平均的な分娩時間とはどれぐらいですか」「初産婦の分娩所要時間は約12時間です」「分娩台の両脇には握るバーがあります」「立ち会い希望のパパも分娩室に入ります」などがあります。

その他にも、「分娩第一期に子宮口が開いていきます」「何とかして分娩費用を工面する」「分娩の三要素を知っていますか」「分娩期の看護ケアを実践する」「分娩時出血量の正常値は500ミリリットル未満です」などがあります。

分娩の「分」は訓読みで「わける」「わかれる」と読み、いくつかにわけることや別々になることを表します。「娩」は訓読みで「うむ」と読み、子どもを産むことを表す漢字です。分娩とは、胎児が母体から外に出てくることを意味します。

表現方法は「無痛分娩」

分娩を用いた日本語には「無痛分娩」があります。無痛分娩とは、出産時の痛みを取り除いたり和らげたりする分娩方法を意味します。医療機関での無痛分娩は、硬膜外鎮痛法という下半身の痛みだけをとる方法が主流になっています。

分娩の対義語

分娩の対義語・反対語としては、胎内に子を宿すことや身ごもることを意味する「懐妊」などがあります。

分娩の類語

分娩の類語・類義語としては、子を産むことを意味する「お産」、初めて子を産むことを意味する「初産」、卵を産むことを意味する「産卵」、子や卵を産むことを意味する「産み落とす」などがあります。

出産の意味

出産とは

出産とは、子が生まれること、また、子を産むことを意味しています。

その他にも、「産物ができること、産物をつくること、産出」の意味も持っています。

出産の使い方

「会社で出産手当金申請書をもらいました」「出産一時金が引き上げられました」「男の子向けの出産祝いは何がいいですか」「出産祝いのビデオメッセージをもらう」などの文中で使われている出産は、「子が生まれることや子を産むこと」の意味で使われています。

一方、「オパールの主な出産地はオーストラリアです」「原料を輸入して絹織物を出産する」「中東諸国は原油を出産している」などの文中で使われている出産は、「産物ができることや産物をつくること」の意味で使われています。

出産とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「子が生まれること、子を産むこと」の意味で用いられています。出産の「出」は内から外へだすこと、「産」は子をうむことや物をつくり出すことを表す漢字です。

表現方法は「代理出産」

出産を用いた日本語には「代理出産」があります。代理出産とは、第三者の女性に妊娠し出産してもらい、生まれた子を引き取る行為を意味します。体外受精した受精卵を第三者の女性の子宮に入れ出産してもらう場合と、第三者の女性が人工授精を行って出産する場合があります。

出産の対義語

出産の対義語・反対語としては、女性が身ごもることや受胎を意味する「妊娠」などがあります。

出産の類語

出産の類語・類義語としては、あまり苦痛や危険もなく子を産むことを意味する「安産」、出産で胎児がなかなか生まれないことを意味する「難産」、自分が子を産むことの比喩的な表現を意味する「腹を痛める」、生活に必要な物資などをつくりだすことを意味する「生産」などがあります。

分娩の例文

1.一人目の出産は自然分娩でしたが、二人目は無痛分娩にしようか悩んでいます。
2.分娩費用は出産の方法によって大きく変わるので、病院できちんと確認しましょう。
3.分娩の種類は、大きく分けて経腟分娩と帝王切開の2つがあります。
4.分娩時間とはいつからいつまでの時間をいうのか、あなたは正確に言えますか。
5.助産師さんが、和痛陣痛の流れをイラストを見せながら説明してくれました。

この言葉がよく使われる場面としては、胎内の子を生むこと、出産、お産を表現したい時などが挙げられます。

例文5にある「和痛分娩」とは、痛みを完全に取り除くのではなく、麻酔によって痛みを和らげながら自然に産む分娩方法です。

出産の例文

1.出産の痛みに耐えられるか不安だったので、無痛分娩を希望しました。
2.出産が早い人の特徴を調べてみると、私によく当てはまるようです。
3.パパにも出産の流れを知っておいて欲しかったので、両親教室に一緒に参加しました。
4.子宮口が全開になり私が分娩室に移動したところで、気の早い夫は出産直後の写真を撮るためにカメラの準備をしていました。
5.貴重な小鹿の出産シーンの撮影に成功したので、動画にしてインターネットにアップしました。

この言葉がよく使われる場面としては、母体の子宮内で育った胎児と胎盤を母体外に産み出すこと、産物が出ることや物ができ上がることを表現したい時などが挙げられます。

例文5にあるように、出産という言葉は、人だけでなく動物に対しても使用されています。 

分娩と出産という言葉は、どちらも「子どもを産むこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、医学的に表現したい時は「分娩」を、一般的に表現したい時は「出産」を使うようにしましょう。

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