似た意味を持つ「衷心より」(読み方:ちゅうしんより)と「心より」(読み方:こころより)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「衷心より」と「心より」という言葉は、どちらも嘘偽りのない本当の心のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「衷心より」と「心より」の違い
「衷心より」と「心より」の意味の違い
「衷心より」と「心より」の違いを分かりやすく言うと、「衷心より」は書き言葉でしか使えない、「心より」は書き言葉と話し言葉どちらでも使えるという違いです。
「衷心より」と「心より」の使い方の違い
一つ目の「衷心より」を使った分かりやすい例としては、「この度のご支援衷心より感謝申し上げます」「衷心よりお見舞い申し上げます」「衷心より哀悼の意を表します」「衷心より深く感謝申し上げます」などがあります。
二つ目の「心より」を使った分かりやすい例としては、「あなたとお会いできることを心よりお待ちしております」「あなたの成功を心よりお祈り申し上げます」「ご逝去の報に接し心よりお悔やみ申し上げます」などがあります。
「衷心より」と「心より」の使い分け方
「衷心より」と「心より」はどちらも嘘偽りのない本当の心のことを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「衷心より」は祝辞の手紙や弔電などの文章で、書き言葉としてしか使わない表現になります。一方、心よりは文章などの書き言葉だけではなく、口頭などの話し言葉でも使えるというのが違いと覚えておきましょう。
また、どちらの言葉も冠婚葬祭やお祝い事などの特別な場面で使用することが多い言葉です。
「衷心より」と「心より」の英語表記の違い
「衷心より」も「心より」も英語にすると「from the bottom of my heart」「sincerely」となり、例えば上記の「衷心より深く感謝申し上げます」を英語にすると「I thank you from the bottom of my heart」となります。
「衷心より」の意味
「衷心より」とは
「衷心より」とは、嘘偽りのない本当の心のことを意味しています。
表現方法は「衷心より拝謝申し上げます」「衷心よりお祈り申し上げます」
「衷心より拝謝申し上げます」「衷心よりお祈り申し上げます」「衷心より深くお詫び申し上げます」「衷心より厚くお礼申し上げます」「衷心より感謝申し上げます」などが、「衷心より」を使った一般的な言い回しになります。
「衷心より」の使い方
「衷心より」を使った分かりやすい例としては、「この度は衷心よりお悔やみ申し上げます」「先日の件に関して衷心よりお詫びいたします」「日頃のご愛顧に感謝し衷心より御礼申し上げます」などがあります。
「衷心より」は嘘偽りのない本当の心のことを意味している言葉ですが、日常生活においてはあまり見かけないので馴染みがない人が多いでしょう。
ではどういう場面で使うのかというと、冠婚葬祭やお祝い事など特別な行事が多いです。また、これらの行事の、訃報、弔電、お祝い、お礼状などで、書き言葉として使うのが一般的になっています。
「衷心より」の注意点
「衷心より」を使う上で注意しなければならないのは、プラスとマイナスどちらのイメージでも使うことができるという点です。
「衷心」は「衷心よりお悔やみ申し上げます」などの、悲しい場面で使うイメージが多いかもしれませんが、「新店舗開店を衷心よりお祝い申し上げます」のように、プラスのイメージでも使うことができます。
「衷心より」の類語
「衷心より」の類語・類義語としては、心の中で思っていることを意味する「腹の底」、嘘偽りのない本当の心のことを意味する「衷情」、偽りや飾りのない心のことを意味する「真心」などがあります。
「心より」の意味
「心より」とは
「心より」とは、嘘偽りのない本当の心のことを意味しています。
表現方法は「心より願っています」「心よりお祈り申し上げます」
「心より願っています」「心よりお祈り申し上げます」「心よりありがとうございます」「心よりお祝い申し上げます」「心よりお見舞い申し上げます」「心よりお悔やみ申し上げます」「心よりお慶び申し上げます」などが、「心より」を使った一般的な言い回しになります。
「心より」の使い方
「心より」を使った分かりやすい例としては、「またのご来店を心よりお待ちしております」「今後のご活躍を心より応援しております」「皆様の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます」「新会社を設立したことを心よりお祝い申し上げます」などがあります。
「心より」は嘘偽りのない本当の心のことを意味しており、日常生活やビジネスシーンなどの様々な場面で使われている言葉なので、馴染みがある人も多いでしょう。
「心より」は文章で書き言葉とてだけではなく、口頭で話し言葉としても使えるというのが特徴です。
「心より」の注意点
「心より」を使う上で注意しなければならないのは、プラスとマイナスどちらのイメージでも使えるという点になります。例えば、「ご活躍を心より応援しております」にするとプラスのイメージ、「心よりお悔やみ申し上げます」とするとマイナスのイメージになると覚えておきましょう。
「心より」の類語
「心より」の類語・類義語としては、心の奥底のことを意味する「心底」、真実の気持ちのことを意味する「本心」、心に強く感じることを意味する「切実」などがあります。
「衷心より」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、嘘偽りのない本当の心のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「衷心より」は書き言葉でしか使わない言葉です。
「心より」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、嘘偽りのない本当の心のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「心より」は書き言葉と話し言葉どちらでも使うことができる言葉です。
「衷心より」と「心より」はどちらも嘘偽りのない本当の心のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、書き言葉でしか使えないのが「衷心より」、書き言葉と話し言葉どちらでも使えるのが「心より」と覚えておきましょう。