【助ける】と【支える】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「助ける」(読み方:たすける)と「支える」(読み方:ささえる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「助ける」と「支える」という言葉は、どちらも支援することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「助ける」と「支える」の違い

「助ける」と「支える」の意味の違い

「助ける」と「支える」の違いを分かりやすく言うと、「助ける」は対象者の自主性に関わらず他者の力が必要であること、「支える」は対象者の自主性を考慮してそれに沿うように補助することという違いです。

「助ける」と「支える」の使い方の違い

一つ目の「助ける」を使った分かりやすい例としては、「川で溺れている人がいたので助ける」「息子の学校の宿題を助ける」「私がパートに出て家計を助けることにしました」「この薬は胃の消化を助けるらしいです」「彼女は私たちの資金集めを助けてくれました」などがあります。

二つ目の「支える」を使った分かりやすい例としては、「杖で自分の体を支える」「大黒柱として家族を支える」「夫人はスポーツ選手の夫を陰で支える」「サッカー選手になるという夢が今の彼を支える」「枝で体を支える」などがあります。

「助ける」と「支える」の使い分け方

「助ける」と「支える」はどちらも支援することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「助ける」は対象者の自主性に関わらず他者の力が必要である場合に使います。分かりやすく言うならば、生活を営む際に役割分担の一つが正常に機能しない場合に、代わりに何かを行なうことです。そのため、支えるよりも全面的に協力することです。

一方、「支える」は対象者の自主性を考慮してそれに沿うように補助する場合に使います。分かりやすく言うならば、生活を営む際に役割分担を行うが、不足部分を補うだけなので、自立を柱としており、対象者の意思を尊重することです。

「助ける」と「支える」の英語表記の違い

「助ける」を英語にすると「save」「rescue」「help」「assist」となり、例えば上記の「彼女は私たちの資金集めを助けてくれました」を英語にすると「She assisted with our fund drive us in raising funds」となります。

一方、「支える」を英語にすると「support」となり、例えば上記の「枝で体を支える」を英語にすると「support oneself with a stick」となります。

「助ける」の意味

「助ける」とは

「助ける」とは、力を貸して危険な状態から逃れさせることを意味しています。

その他にも、経済的に困っている人などに金品を与えて負担を軽くすること、助力すること、ある働きがより好ましい状態になるようにすること、倒れたり傾きそうになるのを支えることの意味も持っています。

「助ける」の使い方

「彼女の命を助けることができて良かったです」「寄付をして被災者を助ける」などの文中で使われている「助ける」は、「力を貸して危険な状態から逃れさせることや経済的に困っている人などに金品を与えて負担を軽くすること」の意味で使われています。

一方、「休みの日は両親の手伝いをし家業を助ける」「成長を助けるホルモンを分泌させるためにしっかりと睡眠はとろう」などの文中で使われている「助ける」は、「助力することやある働きがより好ましい状態になるようにすること」の意味で使われています。

「助ける」は複数の意味を持つ言葉ですが、どの意味でも使われています。

「助ける」の特徴

「助ける」は対象者の限界に対して他者の力そのものをまるごと添える事によって成し遂げることというのが特徴です。

「助ける」は直接手を貸す場合にも間接的に手を貸す場合にも用いらることができます。

「助ける」の対義語

「助ける」の対義語・反対語としては、物事の進行や遂行に支障が起こるようにすることを意味する「妨げる」があります。

「助ける」の類語

「助ける」の類語・類義語としては、他人の仕事を助けて一緒に働くことを意味する「手伝う」、危機的な状況や苦しい境遇や悪い環境などにある人に力を貸したり金品を与えたりしてそこから抜け出させることを意味する「救う」などがあります。

「支える」の意味

「支える」とは

「支える」とは、倒れたり落ちたりしないように何かをあてがって抑えることを意味しています。その他にも、ある状態が崩れないように持ちこたえること、精神的や経済的に支援すること、防ぎとめることの意味も持っています。

表現方法は「人を支える」「心を支える」

「人を支える」「心を支える」などが、「支える」を使った一般的な言い回しになります。

「支える」の使い方

「酔っている彼女が転ばないように支える」「家長として一家の暮らしを支える」などの文中で使われている「支える」は、「倒れたり落ちたりしないように何かをあてがって抑えることやある状態が崩れないように持ちこたえること」の意味で使われています。

一方、「この選挙に勝つことができたのでは地元の人達が支えてくれたおかげです」「敵の攻撃をかろうじて支える」などの文中で使われている「支える」は、「精神的や経済的に支援することや防ぎとめること」の意味で使われています。

「支える」は複数の意味を持つ言葉ですが、どの意味でも使われています。

「支える」は内部的なものの場合も外部的なものの場合のどちらでも使うことが可能です。

「支える」の特徴

「支える」は何らかの行動を自力で行おうとしている対象者に対して、その補助的支援を行うことというのが特徴です。

「支える」の類語

「支える」の類語・類義語としては、ある状態を変えないで続けることを意味する「保つ」、ある状態をどうにか保つことを意味する「持ちこたえる」、助力することを意味する「後押し」などがあります。

「助ける」の例文

1.怪我をしている小鳥を見かけたので、助けることにしました。
2.貧困家庭の子供を助けるために、子供食堂を開くことにしました。
3.後輩が仕事で困っていたので、助けることにしました。
4.彼が風邪で寝込んでいるので、胃の働きを助けるためにおかゆを作ることにしました。
5.子供たちに助けられて、駅の歩道橋を登ることができました。

この言葉がよく使われる場面としては、力を貸して危険な状態から逃れさせることを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、経済的に困っている人などに金品を与えて負担を軽くすること、助力すること、ある働きがより好ましい状態になるようにすること、倒れたり傾きそうになるのを支えることを表現したい時にも使います。

例文1は力を貸して危険な状態から逃れさせること、例文2は経済的に困っている人などに金品を与えて負担を軽くすること、例文3は助力すること、例文4はある働きがより好ましい状態になるようにすること、例文5は倒れたり傾きそうになるのを支えることの意味で使っています。

「支える」の例文

1.この梁を支えるためには、太い柱が最低2本は必要になるだろう。
2.構台は移動起重機を支えるために、使用していることを知りました。
3.一家の暮らしを支えるために、今日も汗水たらして働いています。
4.地元の人たちの声援に支えられたので、無事に選挙を勝ち切ることができました。
5.敵の攻撃をかろうじて支える状況なので、いつまで耐えられるか分かりません。

この言葉がよく使われる場面としては、倒れたり落ちたりしないように何かをあてがって抑えることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ある状態が崩れないように持ちこたえること、精神的や経済的に支援すること、防ぎとめることを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は倒れたり落ちたりしないように何かをあてがって抑えること、例文3はある状態が崩れないように持ちこたえること、例文4は精神的や経済的に支援すること、例文5は防ぎとめることの意味で使っています。

「助ける」と「支える」はどちらも支援することを表します。

どちらの言葉を使うか迷った場合、対象者の自主性に関わらず他者の力が必要であることを表現したい時は「助ける」を、対象者の自主性を考慮してそれに沿うように補助することを表現したい時は「支える」を使うようにしましょう。

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